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  部屋を掃除したのは誰だ  

 徒然

 ボット掃除機ルンバ。Yas家でも使っておりますよ。Yas家には、犬のこむぎ、猫のゆずとみみが同居していて、何しろいくら風呂に入れても毛が抜けるものですから、一日に何度も掃除機を掛けなくちゃならないのであります。とは云え一日中掃除している訳にも行きません。そこでメインの掃除は普通の掃除機で行なうにしろ、補助的な掃除の為に、ルンバは欠かせないのでありました。

 発売当初、アイロボット社の独占市場だったこの分野も、国内メーカー各社からも類似商品が発売され、最近では様々な機種が出揃って参りました。中にはレーザーやカメラを駆使して部屋のマップを作り、無駄な動作を極力減らす機能を有したモノまで出ているそうであります。障害物や部屋の形まで正確に把握しているとすれば、そのインテリジェンス性は相当なもの。スイッチをオンにするだけ(またはタイマーをセットするだけ)で自動的に掃除をしてくれるロボット、という認識が一般化しつつあるのも頷ける話です。しかも、こうした人工知能的な機能やアルゴリズムは年々向上しているようでありますしね。

 しかしふと冷静に考えてみますと、我々がルンバに掃除をさせているという事実は一応は歴然とはしているものの、我々がルンバによって掃除させられているという面も、実は、完全には否定出来ない事に気付きます。ルンバを稼働させる際、事前準備として、ダイニングテーブルの椅子をきちんと揃えてルンバが袋小路にハマってしまわないようにするとともに、コンセント周りのグシャグシャになったケーブルを束ねて回転ブラシに絡まったりしないようにしたり、当然の事ながら床に落ちている新聞や本をラックに戻したり、カーペット上のクッションを片づけたりします。そうです。考え方を変えれば、ルンバによって、我々は片づけをさせられているのであります。

 多くのSF小説に、家事全般を完璧にこなす人間型ロボットが登場しております。いわゆるロボットお手伝いさん。こうした何でも出来て人間の代わりとなり得る高機能なロボットは、人間の能力に近づけば近づく程、逆にその働き方に不満を抱いてしまう人が多くなるような気がします。家事には決まった正解などありません。どんなにきちんと家事をこなしたとしても、「自分だったらああいうやり方はしないのになぁ」という、批判的な気持ちが出てきてしまう事を避けるのは難しいでしょう。

 その点、ルンバのような単機能のロボットを使う方が、人間が家事に介入せざるを得ない分、より自分好みの家事が実現出来る可能性は高まる筈。もしかしたらルンバの設計者は、事前にこうした事を読み切っていたのかしらん。う〜む、だとしたら、世の中には実に頭の良い人が居るものであります。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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