からハリーポッターのファンでありまして、確か2000年頃だったと記憶しているのですが、第一巻「ハリーポッターと賢者の石」を読み、その小説世界に一発で魅せられてしまいました。以後、出版がなされる度に、第二巻「ハリーポッターと秘密の部屋」、第三巻「ハリーポッターとアズガバンの囚人」、第四巻「ハリーポッターと炎のゴブレット(上・下)」、第五巻「ハリーポッターと不死鳥の騎士団(上・下)」、第六巻「ハリーポッターと謎のプリンス(上・下)」、第七巻「ハリーポッターと死の秘宝(上・下)」と、読み進めて参りました。
ご存じの通り、JKローリング原作のこの魔法界を舞台とする小説は、一巻々々期間をおいて出版する方式を採用し、最終巻「死の秘宝」の日本語版が出たのは2008年の事でありました。ホグワーツ魔法魔術学校の1年生から最終学年の7年生までの7年間を綴ったものでありましたから、小説内の時間設定に近いタイムスパンで出版されていった事になります。
様々な伏線と謎解きに満ちたこのお話は、登場人物も多く、出版されるタイミングで途切れ途切れに読む方式では、細かい記憶を維持する事は非常に困難でありました。ただ、上手い事回想シーンを入れるなどのJKローリングの文章テクニックにより、前巻以前の細かい部分をあまり覚えていない状態でも、それなりに楽しく読む事が出来たのであります。
先日、SONY製の電子書籍リーダを購入したところ、先着でハリーポッターの第一巻「賢者の石」の電子版(EPUB3版)が無料で貰えるキャンペーンが行われていて、無料という事もあってこれをダウンロードし読んでみたのでした。賢者の石は書籍だけでなく映画も観ておりましたので、軽い復習のつもりで読み始めたのですが、何と!スゲ〜面白いのであります。更に電子書籍版は紙に比べて格段に読みやすい!薄くて軽くて持ち運びも楽ちんだし、そもそも活字を好みの大きさに設定出来るので、書籍版よりも大きな字にする事で、老眼鏡(壮年性近距離限定焦点合わせ困難症対応眼鏡)無しでもスラスラ読めるのです。
紙版を全巻所有しているにも関わらず、結局電子書籍版も全巻購入してしまいました。紙の本よりだいぶリーズナブルとは云え、明らかな二重購入ですから、版元にちょっと上手い事やられちまってる感は否めませんがね。第一巻だけの無償提供とは、人間の購買心理を鷲づかみにする、中々頭の良いビジネスモデルであります。
こうなりゃ一気読みです。7巻、計11冊分の書籍。合計の厚さ34cm、総計6150ページ以上の活字が、たった164グラムのSONT-Readerで持ち歩ける幸せ。一気読みすると、細かく複雑な伏線がこれでもかと云うほど緻密に絡み合っている事が分かります。次巻が出るまでのタイムラグも無く、細かい部分も完全に把握した上で、どっぷりと小説世界に浸かる事が出来ます。いやあ面白い。再読とは思えないほど楽しめましたよ。寝る間も惜しんでという言葉がピッタリな位であります。約10日間で全巻読了。完全な睡眠不足です。
こうなりゃ行くとこまで行けってんで、ついでにDVDも全て観直してみました。「#1賢者の石」、「#2秘密の部屋」、「#3アズガバンの囚人」まではかなり楽しめました。ところが「#4炎のゴブレット」ではあまりにも盛りだくさん過ぎて、かなりの駆け足感が拭えません。更に「#5不死鳥の騎士団」ではシリウス・ブラックの外に出れない悶々とした焦燥感や、ドローレス・アンブリッジの横暴な権力行使に対するイライラ感はほとんど割愛され、「#6謎のプリンス」や「#7死の秘宝」に至ってはストーリー展開を急ぐあまり、重要な伏線が一瞬の映像で片づけられてしまったりしています。まあ、炎のゴブレット以降、書籍版は全て上下巻組で、各巻とも1000ページを越えておりますから、これだけのストーリーを2時間半程度の映画におさめようと云う方が、土台、無理な話な訳ですが。
とは云え一貫して映像美は溜息が出るほど素晴らしく、観る価値は十分あります。ただし、書籍版を事前に読了している事が、映画版を楽しむ前提条件でしょうけれどネ。いかがでしょう、秋の夜長にハリーポッターの一気読み。オススメですよ。うふふ、アナタも寝不足間違いなし!
【つづく】
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