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  チタンは永遠の輝き  

 物欲

スノーピーク「雪峰(せっぽう)M300」
チタン製スタッキング・マグです

 磯野波平氏がカツオを自室に呼び出し、「馬鹿もん!」「けしからん!」「いい加減にせんか!」と叱り飛ばすシーンにおいて、必ずと言って良い程フネの入れてくれたお茶が置かれていて、その大きな湯呑み茶碗は、私にとっていわゆる家長の威厳をイメージさせるモノ。こうしたイメージの呪縛(じゅばく)からどうしても離れられず、21世紀に入って10年以上経つというのに、私の湯呑みが、家で一番大きく立派なのでありました。我ながら時代錯誤なお話であります。勿論、高校生と中学生の子供たちは湯呑みなど全く使わず、マグカップでポカリを飲んだりしております。我が家で日常的に湯呑みを用いているのは、私一人なのでありますよ。

 ここ5年間ほど気に入って使い続けてきた湯呑み茶碗が、先日割れてしまいました。決して高価なものではなく、その辺のスーパーで売られていたモノ。無骨で分厚く大振りなそれは、廉価ながらも私のお気に入りでありました。形あるモノは必ずいつかは壊れる運命にあります。お気に入りの茶碗が割れてしまった事をクヨクヨしても始まりません。しかし湯呑み無しの生活は考えられませんから、早々に後継の茶碗を入手する必要が御座います。

 後継の目星は、実はしばらく前からついていたのであります。ともちん式パーキングブレーキの部品調達の為にアウトドアショップ・ワイルドワンYasZone以外のサイトにジャンプしますにお出掛けした時に、そこに置いてあった湯呑み茶碗に一目惚れしてしまっていたのでありました。

 本当はこの商品は湯呑み茶碗ではなく、スタッキング・マグであります。キャンプ用品はその収納性の高さが性能を決める重要なファクタな訳ですが、スタッキング・マグとはその象徴的な品物でありまして、ちょっとずつ大きさの異なっている複数の器を、ロシアのマトリョーシカ人形よろしく重ねる事で、全体をコンパクトに収納出来るというテーブルウェアなのであります。マグというからにはマグカップがルーツなのでしょう。しかしスタッキング機能の為に持ち手は付いておらず、形としては湯呑みそのものなのでありますよ。

 今回目をつけたのは、スノーピーク製スタッキングマグ「雪峰(せっぽう)M300」であります。M600、M400、M300、M200、M150の5個シリーズのちょうど真ん中の大きさのモノ。型番の通り、容量300ccですので、湯呑みとしてみればかなり大振りであります。しかも私の大々々好きなチタン製!!驚く程の軽さ。不必要なまでの強靱さ。金属臭も一切無し。二重構造になっていて熱いモノを入れても湯呑み自体は熱くなりません。鈍くガンメタに輝く躯体。溜息が出る程カッコいい〜。金属フェチの私としましては、こいつが欲しくて欲しくてたまらなかったのでありますが、前回ワイルド・ワンに行った時は、悩みに悩んで結局買わなかったのであります。だってあなた、湯呑みなのに一個3,000円もするのでありますよ!今回の狙いは単品購入でありますが、もし5個フルセットで揃えれば何と15,000円にもなります。私は吝嗇(りんしょく)な男なのであります。お茶を飲む為の入れ物に3,000円!勿体無くて勿体無くて、買う踏ん切りがつかなかったのでありました。

 湯呑みが割れてしまった事を受けて、「今度スーパーに行った時に適当なの買ってくるね」とかみさんが(のたま)います。あまりにも高価な茶碗ですから拒否されるかとビクビクしながら、実は欲しい茶碗をワイルドワンで見つけた事、そいつが結構高価である事を、勇気を振り絞って伝えました。

 「それってチタン製とか言い出すんでしょ?フフ。図星?欲しいんでしょ。買えば?すっごい高価いって?キャンプ用品でしょ。せいぜい3,000円くらいのもんでしょ。当たり?いいじゃん3,000円なら。チタンなら半永久的に使える訳だし。え?何でチタンだって分かったのかですって?何年夫婦やってると思ってるのよ。だいたい、あなたのその子供じみた指向なんて全てお見通しよ。どうせ既に何回かワイルドワンに通ってるんでしょ。しかもこれまで買う踏ん切りがつかなくて、スゴスゴ手ぶらで帰ってきたんでしょ。いいわ。どうせ自分で買おうとするといつまでたっても踏ん切りがつかないでしょうから、私がプレゼントしてあげる。さ。今すぐワイルドワンに行きましょ。私が行かなきゃ、また買わないで帰ってきちゃいそうだし。さ、すぐ行きましょ」

 参りました〜。という訳で、めでたく新しいチタン製湯呑み茶碗を手に入れたのであります。それにしても波平よろしく家長の威厳の象徴としての大きな湯呑みであった筈なのですが、かみさんの前では丸っきり形無しの私なのでありました〜。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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