ばらく前から、トルクを掛けて自転車を漕ぐとチェーンリングのあたりからキシキシ音がしておりまして、気になっておりました。
実は私はチェーンフェチであります。自転車のチェーンが綺麗な状態でないと気が済まないのです。チェーンを頻繁に洗いたい故に、シマノの純正チェーンではなく、KMCのミッシングリンク・チェーンを使っています。普通のチェーンはチェーン切りで切らないと外せませんが、KMCのものは、ミッシングリンクという特殊なコマで接合してある為に、自由にチェーンを外して灯油でジャブジャブ洗浄する事が可能なのです。
我が敬愛するマングローブバイクスの大将からは、ミッシングリンクは強度的に問題があるので使わない方がよい旨、指摘され続けて参りました。しかし幾ら大将のオファーでもこれだけは譲れねぇんだなぁ。チェーンを外して灯油に漬けて、歯ブラシでゴシゴシ洗う快感。しかも私のチェーンは結構高価なチタンコートのゴールドチェーンです。チェーンが光り輝いているのは無条件で気持ちの良いものであります。
私はチェーンを2つ持っており、これらを交互に使っています。灯油での洗浄は割と大がかりですからね。チェーンが2本あれば、とりあえず清掃済みのチェーンに交換しておいて、時間のある時にゆっくり灯油で洗う事が可能となる訳です。
現在のチェーンは新品で使い始めてからまだ1000Kmも乗っていません。しかも2本同時におろしましたから、1本あたり500Kmしか走っていない計算です。新品同様。このどちらのチェーンを使っていてもキシキシ音は止まりませんから、悪いのはチェーンでは無い事が想像出来ます。
私なりに悪い部分を想定してみました。キシキシ音の原因として疑わしい箇所は4つ考えられます。
1.インナーとアウターを連結している8.5mmのボルト、いわゆるチェーンリング・ボルトの不良や緩み
2.ペダルのベアリング、またはシャフトの不良
3.クランクシャフトの曲がり
4.ボトムブラケットのベアリング不良
いっぺんに部品交換するとお金も掛かりますし、原因も特定出来なくなってしまいますので、順番に試していく事にしました。まずは、チェーンリング・ボルトの交換です。
我がFP2号のチェーンリング・ボルトは、アルミ製です。アルミは軽いですし、アルマイト加工する事で綺麗に着色出来ますので格好はすごく良いのですが、何しろ強度がありません。特に一度絞めたアルミボルトを一旦緩めて再度絞め込んだ場合の強度落ちは深刻です。そこで、これら5本のボルトを新品と交換する事にしました。
リプレースするチェーンリング・ボルトもアルミ合金製です。ドレスアップも狙って、今回はKCMCのゴールドアルマイトのボルトにしてみました。5本セットで1,323円也。いやぁ、単なるネジが5本で1,323円とは、我ながら尋常な話ではありませんなぁ。ま、私はネジが大好きなネジフェチでもありますので、こうした買い物は最高の快感なのでありますがね。
チェーンリング周りの清掃も兼ねてチェーンリング・ボルトのリプレースメントを実施します。きちんと規定トルクで絞められるようにグリスを塗布して組み付け。ネジにグリスをつけると滑って緩みやすくなってしまうと信じている方がいらっしゃいますが、実は逆なのでありますよ。ネジはそれ自身の張力で固定されますから、回転抵抗は単にねじ切れる可能性が高まるのみで、百害あって一利無しなのです。締め付け時の回転抵抗を減らすとともに接着剤的に固着させる事で緩み防止効果を狙う、ネジロック剤(ロックタイト)を使うという技もありますが、そこまでの必要はないでしょう。アルミのネジにネジロック剤を打っちゃうと、外す際はネジを壊す覚悟が必要です。ねじ切れてリコイル作業する手間といったら大変な事ですからね。アルミのネジにはネジロック剤を打たないというのは、セオリーでもあるのです。
さて、チェーンリング・ボルトの交換が完了しました。これでキシキシ音が止まってくれれば良いのですが・・・。嗚呼、相変わらずペダル付近からのキシキシ音は止まってくれません。
当初想定したキシキシ音の原因として、1.インナーとアウターを連結している8.5mmのボルト、いわゆるチェーンリング・ボルトの不良は、これで対象から外す事が出来ました。次に疑うべきは、2.ペダルのベアリング、またはシャフトの不良です。3.クランクシャフトの曲がりや、4.ボトムブラケットのベアリング不良も十分に考えられますが、ここの作業には特殊工具が必要で、私はこれらの特殊工具を所有していないので、マングローブバイクスに持ち込んで、大将にやって貰わねばなりません。大将にしてもそれなりに大掛かりな作業ですから、先に2.ペダルのベアリング、またはシャフトの不良を疑う事をオファーするでしょう。という訳で、まずは自分で作業可能な、ペダルの交換をする事に致しました。
現在私が使っているシマノのSPDペダルは、シャフトやベアリングといった部品単位での交換が出来ません。いわゆるアッセンブリ交換パーツ。という事で、新しいペダルに交換するしかないのであります。
という訳で、この続きは次週で・・・。
キシキシ音を止める為に【後篇】へつづく
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