突ではありますが、ネジが大好きであります。えぇ。ネジと申しますのは、いわゆるボルトとナットの事でありますョ。
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超合金マジンガーZ |
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Yasのネジのストック |
どうしてネジが好きなのか?と問われましても上手く答える事が出来ません。そもそも好きという感情に理由なんかつけようがない訳でありまして、「好きだから好きなのよ」としか云いようが無いのであります。
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左がステンレス、右が鉄 |
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アルマイト加工されたアルミボルト |
かつて私が幼少の頃、あるモノがどうしても欲しくて、親にねだってねだって、それでも買って貰えなかったもんですから、婆ちゃんの財布から金をちょろまかして買っちまって、スゲ〜親に怒られた経験が御座います。それは何かと申しますと、超合金マジンガーZなのであります。若い方はなんのこっちゃら分からないかも知れませんネ。ダイキャスト製の体長15cm程のロボットのおもちゃです。亜鉛合金か何かで出来ていたんじゃないかなぁ。かつては一世を風靡したんですよ。中身の詰まった金属製ですから、ズシっとくる重量感が堪りませんでした。男の子には絶大な人気があったのであります。
この頃の重量感に痺れた経験が、私の場合、そのまま高級感の定義や感覚に直結しているのであります。ズシっとくるモノが理屈抜きで好き。本当は、一概に重けりゃいいってもんじゃないって分かっているんですがネ。
例えば最近の高級ロードバイクのフレームはカーボン製が主流になりつつあります。軽くて強くて振動吸収特性も高い。応力的に見れば最高の材料。でもあまり好きになれないのです。やっぱり構造物は金属じゃないとネ。カーボンは炭素繊維の布をエポキシ樹脂で固めたモノですから、質感はどうしてもプラスティック的になってしまいます。ペカペカ薄っぺらい感じがして嫌なんだよなぁ。
ネジは重量感の他に、その金属光沢も魅力の一つです。錆びているネジって理屈抜きに嫌でしょ?。ところが経費節減の為に、鉄のネジっていまだに結構使われているんですよ。こうした鉄のネジをステンレス(ニッケルクローム鋼)のモノにリプレースメントするのが私の趣味の一つであります。構造上、応力を確保出来ない恐れがある部分や、その他にも例えばエンジン内部でオイルが十分回っていて錆びる心配のないネジはそのままで良いんですけど、見える位置にあるネジのリプレースメントには、ドレスアップ効果もありますからね。
特に、構造的な事を問題視しなくて大丈夫な部分のネジは、アルマイト加工されたアルミのネジへのリプレースメントなんかも楽しいものです。
ネジはある意味消耗品です。ネジは摩擦力で留まっていると勘違いしている方がいらっしゃいますが、実はそうではありません。締める時に掛る自身の張力で留まっているのです。逆にネジの回転抵抗は正常なトルク管理を阻害するだけで、規定トルク内にもかかわらずネジ切れてしまったりとか、逆に緩みやすくなってしまったりとか、ネガティブな要素しかありません。ネジを緩みにくくする為には、締める際、ネジにオイルやグリスを塗布して回転抵抗を減らす事が効果的なんです。
自身の張力を利用しているという事は、ネジは広義のバネでもある訳ですから、当然、力がかかり続ける事で劣化してきます。構造的にはそれ程致命的な劣化ではないにしろ、私は一度締めて、緩めたネジは、定期的に交換するようにしています。これは、ネジの締め忘れを防止したり、他の不具合を発見しやすくなったりと云った、フェールセーフ的な効果の方が大きいかも知れませんね。
一通りのサイズのネジを常にストックしています。興味のない人から見れば「馬鹿みたい」と思われるかも知れません。でもこれで意外と重宝するんですよ。例えば、部品を共締めするような場合、現行のネジよりもあと5mm長いモノが欲しい、といった事がよくあります。一々その度にネジを買いに行くのは面倒ですから、ストックがあると作業の幅が広がるんです。チタンとかならともかくステンレスならば大した値段じゃないですしネ。
ネジと同様に工具も大好きなのですが、工具の話をするとキリが無いので、今日のところはこの辺で。
【つづく】
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