齢の割にはディジタルギミックが好きであります。サラリーマン時代はソフトウエア開発を生業としておりましたので、こうした機器類に対するアレルギーは皆無。自分で言うのも何ですが、必要以上に流行りに影響を受ける事も無く、割と冷静に機能優先で考える事が出来ると自負しております。
今でこそ当たり前のように国内でもスマートフォンが出回っていますが、このブームはアップルコンピュータのiPhoneから火がついたものである事に異論の余地はありますまい。私はこうした状況をずっと前から待ち望んでおりました。日本ではまだスマートフォンが黎明期すら迎えていない頃、私は既にヒューレッドパッカード製のiPaqシリーズPDA(Personal
Digital Assistant:携帯情報端末)を愛用していた訳でありまして、勿論、これは3G(第3世代移動体通信システム→携帯電話の通信方式)等のモバイル通信デバイスは持たず、もっぱらWIFIとBlueToothのみの、いわゆるLAN用機器なのですが、OSがWindowsMobileですから、Outlookとの連携機能なんぞは同じMicrosoft製品という事でお手のモノ。PDAとしてはZaurusやPalmに比べてかなり画期的なマシンでありました。おっと、過去形で書いてしまいましたが、古い機種とはいえ今でも結構便利に、現役マシンとして使っておりますよ。
元々はわざわざPCを立ち上げなくてもメールをチェック出来るところや、フルキーボード並みとまではいかなくても、少なくとも携帯メールの入力メソッドよりは快適なスタイラス・タッチ入力は、大いに魅力でありました。と云いますのも、私はバリバリのキーボード世代でありまして、携帯の入力メソッドにはどうしても慣れる事が出来ないのであります。以前もちょっと書きましたが、そんな訳でキングジム製ポメラなんぞを愛用しているのでありました。
PDAは非常に便利な機器でありますが、3G通信メソッドを持っていない為に、家、又はオフィスでの使用に限定されてしまうのが難点と云えましょう。結局、携帯とPDAをそれぞれ持ち歩かないと用をなさない訳ですからネ。ま、PCを持ち歩くよりはよほど簡便である訳ですが。
いまだに携帯でメールを打つ事は苦痛であります。女子高生の猛烈な勢いの入力を目の当たりにしますと、同じ人間の行動とは到底思えません。基本的に携帯からはメール発信せず、もっぱらメールチェッカとしては使っています。PCメールは全て携帯に自動フォアードしていますので、PC宛に来たメールは全てまずは携帯で読むというのが私のスタイルであります。私の場合、平日はSPAMも含めて一日あたり200通程度のメールを受け取ります。約7分に一本のメールを受け取っている計算です。これらを全てPCでしかもリアルタイムに受けようとしたら、PCの前を離れられなくなってしまいます。これでは仕事になりません。ま、今も特に平日は相当な頻度で携帯を見なければならないのですがネ。
やむを得ない事情により携帯からメールを打たざるを得ない場合、WEBベースのgmail経由でSMTPサーバをキックし、PCメールとして送信するようにしています。私は誰にも携帯のメールアドレスを教えておりません。直接携帯宛に出されたメールはPCでは関知出来ませんから、すべてのメールがPCを経由するよう、その為に誰にも私の携帯メールアドレスを知られないように、WEBベースのメールシステムを使って送信しているという訳です。
考えても見て下さい。営業日には一日あたり200通のメールを受け取り、そのうち約50通に対して返信するのです。携帯に直接送られたメールに対して携帯で返すのは容易ではありません。これらの90%以上は仕事に関わる連絡です。「今なにしてた?」「寝ようとしてた」なんていう中高生にありがちなアホな通信と違いビジネスメールですから、それなりの長文になります。携帯で入力するのは無理であります。
更にPCを経由してさえいれば、メールに対して検索機能が使えます。携帯メールはあくまでも私個人のノーティフィケーション機能として使い、対外的なメールというコミュニケーションは、PCメールだけにしたいと考えています。私は〜@yaszone.jpという個人用ドメインの他に、仕事用の独自ドメインも持っており、メールも複数のアドレスを使い分けていますが、私の使っているMicrosoftOutlookは複数のアカウントを統合管理出来ますので、携帯に直接メールを送られてしまわない限り、メールを予定やToDoリストと紐付けて、有機的に処理出来るのです。
こんな訳でメールの送信はPCからというのが私のポリシーでありましたが、メールの一般の方への普及とともにそうもいかなくなって参りました。オフの日にも可及的速やかに返信しなければならない事案が増えてきたのであります。サラリーマン時代には休暇は休暇として区切りをつけてこられたのですが、自営業者となりますと、そうもいきません。結局は外出先からメールを返す事になってしまいます。携帯メールではなくWEBベースのgmail経由でPCアドレスから送信するので、相手はPCでメールを打ち込んでいる思うでしょうが、結局、出先においては携帯でメールを打たざるを得ない事に変わりありません。上手く入力出来ずにイライラします。フルキーボードでは完全にブラインドタッチですから、その差は大きく、すごいストレスを感じてしまいます。だから本当はスマートフォンが欲しい。出来れば小さくても良いのでタイプライタ配列のQWERTキーボードがついてる奴が・・・。
私はKDDI(AU)をキャリアとしていますが、EZ-WEBサイトはほとんど使わず、インターネットにはPCサイトビューアで接続します。使うサイトもウィキペディアやGoogleマップなどのPC用サイトがほとんどですから、普通の携帯よりもスマートフォンの方が私にはマッチしていると云えましょう。
じゃ、買っちゃえばいいじゃん。そうです。その通りです。しか〜し、ディジタルガジェット好きの私としては大変残念なのですが、今のAUのラインナップに欲しいスマートフォンが一つも無いのです。と云いますか、キャリアを変更したとしてもスマートフォンのラインナップはたいそう貧弱で、いずれにしろ欲しいモノ、使いものになりそうなモノは、皆無なのであります。
そんなに厳しくて大層な条件を提示しようとしている訳ではありません。それどころか私の希望は、全て既存の技術の組み合わせだけで可能な機能に過ぎないのです。キャリアは何でこういうシンプルで有用な機種を販売しないのだろう。やっぱり日本ではスマートフォンを仕事に使うという文化は根付かないのかしら。このままでは単に高価で高機能な玩具の域を出ないような気がします。私の望む機能を以下に挙げてみますね。
必 要 な 機 能 |
普通に電話が掛けられる受けられる |
信じられない事ですが、AUからこの夏発売されたANDROIDスマートフォンIS01は、イヤホンマイクがないと電話を掛ける事が出来ません。こういうモノに「フォン」という名前を付けてはいけないですよね。 |
プッシュ型のメール(〜@ezweb.ne.jp)が使える |
メールチェッカとしての機能の為にはリアルタイムでのメール受信は必須です。サーバ到着時に割り込み処理が掛かる携帯用のメールシステムはこの用途にばっちりと云えましょう。ところがAUのスマートフォンでは、現時点では全機種ともこもプッシュ型のメールが使えないのです。結局普通のPOP3サーバに、例えば5分毎にアクセスするといった処理が必要で、プッシュ型のメールの割り込みのパケット数に比べてオーバーヘッドがかなり大きいですから、これだけでバッテリー消費が莫大になってしまいます。この機能を搭載しないなんて、なに考えてるんだろ。 |
PCメール(POP3/SMTP)が使える |
普通のメールサーバにアタッチする機能は必須です。特に複数のメールアカウントを管理出来る事が条件。 |
それなりに広い画面で普通にWEBブラウズ出来る |
普通にインターネットが使えるだけで十分です。勿論、動画も見れる必要あり。その為にはフラッシュの再生機能は必須です。iPhoneはここが気に入らないのです。動画は暇つぶしの為のモノではありません。例えば、「書道パフォーマンス」ってなんだろと思った時に、動画検索を掛ける事で、そのイメージを一発で掴む事が可能です。文字でダラダラと説明されるより見た方が早い事は結構多いものです。百聞は一見にしかず。YouTubeは私にとって、検索エンジンの一機能に過ぎません。 |
WIFI、3G、BlueToothの通信メソッドを持つ |
どこでも各機器との接続性を確保しようとすると、これら3つの通信メソッドの搭載は必須です。 |
QWERTキーボードがついている |
ハード的に搭載されていても、画面タッチでQWERTを実現していても、これはどちらでもいいです。勿論、フルキーボードにはかなわない事は仕方が有りません。少なくとも普通の携帯電話の入力メソッドでなければOKなのです。 |
GPS機能が付いている |
Googleマップにおいて現在地表示が出来るように、GPS機能は必須です。自転車で出掛けた時に、ロードマップの代わりとして使いたいのです。ま、今やGPSを搭載していない携帯の方が珍しいのかも知れませんが。 |
カメラ機能が付いている |
これもGPS同様、どの携帯にもカメラ位はついているでしょう。自転車で出掛ける時にわざわざデジカメを持って行かなくても、こうしたカメラ機能があれば持ち物が減らせますからね。 |
連結QRコードに対応したリーダソフトが搭載されている |
ポメラD20との互換の問題で、QRコードが読める必要があります。この機能があればポメラを入力デバイスとして使う事が出来るからです。 |
おサイフケータイに対応している |
FeliCaチップを搭載し、nanakoとかsuicaとかの非接触ICカードシステムが使える必要があります。現機種は勿論この機能を搭載していて、あまりにも便利で、この機能無しと云うのは考えられません。ところが信じられない事に、各社のスマートフォンにはこの機能がほぼ未搭載なのです。ホントに何考えてるんだろ。海外との互換の問題なのでしょうが、FeliCaチップ自体、100円程度のデバイスですから、大げさに考えなくても搭載しちゃえば良いのにと思います。 |
不 要 な 機 能 |
ワンセグ視聴機能 |
出先でテレビを見る必要などありません。 |
赤外線通信機能 |
元々ちょっと大きめのファイルでも容量制限により転送出来ませんし、結局はメールアドレスを交換したりといった玩具的な使い方でしか利用しませんしね。普通の社会人は赤外線ではなく、紙の名刺を交換するものです。 |
ゲーム |
あのですね、ゲームはゲーム機でやりましょうよ。 |
色々書きましたが、現有機種は既に購入から早3年が経過し各部がヘタってきましたので、そろそろ新機種への移行が必要な時期なのです。まだ電話番号が030-だった時代からAUを使い続けておりますし(この間電話番号も一切変更なし)、家族の携帯も全てAUで統一しておりますので、キャリアの変更には多大な費用と労力が掛かってしまうのです。何とか2010秋冬の新製品で、これらの「ささやかな」希望機能を満たすスマートフォンがAUから発売される事を祈るしかありません。頑張ってよね、AUさん!!
おおっと、ボヤボヤしていたら、10月4日付でAUからスマートフォンIS03の発表がありました!素晴らしい!これぞ望んでいたスマートフォンだ!これ、絶対買うぞ〜!
【つづく】
「あれこれ」の目次に戻る