段、メイン機として使用していたDELLコンピュータ製のノートマシンの調子が悪くなって参りましたので、思い切ってニューマシンを導入する事に致しました。調子が悪いと云いますのは実はアナログ的な調子の悪さでありまして、具体的には液晶画面が黄色っぽくなってきたのであります。Intel
Core2Duo プロセッサ搭載のWindowsXP Professional Editionマシンで、スペック的にはまだまだ現役で行ける筈だったんですがね。
私は前職がシステムエンジニアであった事もあり、今まで本当にたくさんのPCをを使って参りました。経験上、こうしたアナログ的な故障が現出しますと、次々と故障個所が、それも級数的に増えていくのが常であります。機械って不思議ですなぁ。壊れる時はあたかも寿命が尽きたかのように、複数箇所の故障が同時発生して、結局、急速に使用不能に陥るモノなのであります。
メインマシンは仕事で使用しておりますので、データのバックアップは頻繁にそして何重にも取ってあります。ですからデータ自体の保全は大丈夫なんでありますが、やはりここでメインマシンが使えなくなると相当困るのであります。はい。オペレーティングシステムの問題です。
仕事柄、私の仕事場ではたくさんのPCが稼働しております。私は勤め人ではなく自営業者であります。規模としては零細も零細、ちっちゃい事業であります故、事務員を雇ったりする余裕はありません。様々な雑多な作業は、全てPC任せなのであります。幸い、昔取った杵柄と申しますか、必要なアプリケーションは自分で拵える事が可能ですので、零細な割には多数の受注開発された専用ソフトウエア(勿論、私が作ったのですよ)に囲まれて仕事をしているという訳であります。
これらの専用ソフトウエアは、大したリソースを必要としない、いわゆる「軽い」ソフトウエアがほとんどであります。しかし単機能な割には一日12時間以上動かし続ける必要があるモノばかりですので、それらを稼働させるプラットフォームとして、ネットブックと呼ばれるような低スペックのノートPCを使う事になります。ノートなら場所も電気も食いませんしね。主にこうした低機能ノートはエプソンダイレクト製を使っております。何しろOS込みで4万円を切る価格ですから、気軽に導入出来るのでありますよ。
気軽さ故にこうした専用マシンと化したPCは増殖の一途を辿っております。だってそりゃそうでしょ。単機能とは云え、4万円以下で事務員というか秘書というか、それらに匹敵する作業リソースを手に入れる事が出来るんですよ。PCは疲れたとか給料上げてくれとか言いませんしね。しかもそもそもがノートサイズでありますし、キーボードもマウスもディスプレイもインクルードされておりますので、非常に便利なのであります。今時4万円じゃ携帯電話も買えませんぜ。
結構過酷な使い方、例えばモノによっては24時間365日通電しっぱなし、という状態も珍しくありませんから、こうした専用機は3年位で物理的に壊れてしまいます。でもデータのバックアップが取ってありますから、壊れても全く困りません。高いPC、例えばサーバ用のブレードなどを買えば、そりゃ壊れにくくなるでしょう。その代わりちょっと普通の感覚じゃ考えられない程の高額。ネットブックは壊れてもいいんです。コストを考えた場合、廉価なネットブックが最も経済効率が高いからです。3年で壊れるとして一日当たり36円ですからね。しかもエプソンダイレクトなら発注から中一日でマシンが到着します。そもそも専用機として使っているとはいえWindows用のソフトウエアだったり、JavaVM用のアプリケーションだったりですから、数日間位なら他のマシンの空きリソースを使って稼働させてても大丈夫ですしネ。システムのアベイラビリティ(可用性:障害による停止率の低さ)としても全く問題ない訳です。
安いPCが壊れる度に、新しい安いPCを買う。これを繰り返しているうちに、いつの間にか、メインマシンだけが古いWindowsXPで、安いPC群は全て新型のWindows7となってしまいました。メインのマシンだけが古いOSというのも変な話の様に思われるかも知れませんが、これが実に悩ましい話なのでありますよ。
メインマシンでは、事務作業もさる事ながらソフトウエアの開発も行ないます。こうした開発には実に様々なツールを使用致しますが、これらの多くが、Windows7での動作確認が取れていない状態なのであります。特に今回導入を考えているのはWindows7の64Bit版ですので、試してみなければ分からないとは云え、相当高い割合で、既存アプリの動作に不具合が出るであろう事は想像に難くありません。
先ほど申し上げた、「データ自体の保全は大丈夫なんでありますが、やはりここでメインマシンが使えなくなると相当困るのであります」というのはこの事なのであります。いくらデータの保全が完璧でも、そのデータを利用するアプリケーションの動作環境が確保されなければ、データを失ったのと同じ事になってしまいますものね。
Windows7のベータ版がリリースされた頃から、こうした懸念は持ち続けておりました。ですが仕事の忙しさにかまけて、互換性テストを先送りにしてきたのであります。身から出た錆とはいえ、かなりの作業量になる事は間違いありますまい。しかもテストだけではありません。現在使用しているアプリケーションが動作しない場合、その代替案も考えねばならないのです。必要に応じて新たにアプリケーションの購入を考えなければならない事案も多いでしょう。費用も掛かりますし、使用法の習得にもそれなりの時間が必要となります。
例えば、このYasZoneを含めたサイト管理は、Microsoft FrontPageというアプリケーションを利用しています。しかしこのFrontPageのメーカ・サポートは既に切れております。XPでの動作には今のところ問題ありませんが、Windows7では単に動作の保証がないだけではなく、動作しない事が既に報告されています。YasZoneは単にHTMLで書かれたサイトではなく、サーバサイドでASP(Active
Server Pages)が走っている、一種のWEBアプリケーションでもありますので、単なるホームページ作成ソフトでは力不足で、Microsoft
Development Studio群のMicrosoft InterDEVとの親和性が求められます。開発ツールとの連携機能が必須要件なのです。今回、FrontPageの継続使用を諦め、IBMホームページビルダ14の新規購入を検討していますが、こうしたサーバサイドスクリプトのデバッグ環境を維持するとなると、必要なモジュールを手作りするしかないでしょう。結構な開発量となってしまうと思われます。ホントはADOBEのDREAMWEAVER
CS5を導入すべきなんでしょうけど、5万円ですしネ。ちょっと高過ぎます。それに、ADOBEの体験版で練習してみたのですが、結局作業効率を上げる為には、ADOBE
CS5 WEB PREMIUMを導入しないと細かいユーティリティが付属してきませんから、開発の快適性を求めるとなると、なんと、23万6千円も出さなくてはなりません。WEBデザインが仕事であるならともかく、WEBにこんなにお金は出せません。
それなら無理してWindows7に乗り換えないで、WindowsXPを維持すれば良いじゃないか、と仰る方もいらっしゃるでしょう。でもいつかは乗り換えねばならないのです。XPのサポートが完全に消滅する前にWindows7への移行を完了しておかねばなりません。少なくともWindows7の後継OSが出てからでは遅いのです。仕事をとめる訳にはいきませんしネ。それに最近のインテルのCPU、特にCore-i7などのクアッドコアのCPUは、64bit版Windows7の走行を前提とした設計がなされていますから、他のOSではこの性能を使い切る事は難しいのであります。三次キャッシュまでCPU内に搭載するとともに、メモリコントローラまで内蔵になりましたから、FSB:ベースクロックという概念自体が無くなってしまいました。こうしたCPUを能動的にOSがコントロール出来るか否かは、予想外に大きなスペック差となり得ます。Core-i7はWindows7で使ってこそ、なのであります。
今回DELLコンピュータに発注したマシンは以下のようなスペックのモノです。こう書き出してみますと、ちょっとした化け物ですねぇ。画面は24インチのHDが2枚ですので、縦40cm、横は1m10cmの巨大な作業空間です。
CPU: |
Intel Core-i7プロセッサ(クアッドコア・8スレッド) |
メインメモリ: |
16GB DDR3−SDRAMデュアルチャネルメモリ |
ハードディスク: |
RAID構成1TB(物理3TB) |
OS: |
Windows7 64Bit Professional Edition |
ビデオカード: |
ATI Radeon HD5770 DVI*2/HDMI |
画面: |
24インチ(58cm×41cm)HD液晶ディスプレイ(1920×1080pixel)2画面構成 |
外部ドライブ: |
ブルーレイ・DVDスーパーマルチドライブ |
通信デバイス: |
Bluetooth Class1 Ver3.0+EDR |
入力メソッド: |
Logicool MK520 unifying 無線マウス&無線キーボード(2.4GHz) |
一つ一つの機能や動作を検証しつつ、移行を進めていこうと考えています。現在のメインマシンの機能を全てニューマシンに引き継ぐには、まだかなりの時間が掛かりそうです。それまでは何とか壊れないで頑張ってね、XPノートちゃん!!
【つづく】
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