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 地球温暖化対策について考える(第4話:理想論を捨て急がば回れで実を取れ篇) 

暖化のシンギュラリティ(特異点:修復不能なくらい爆発的に温暖化が加速する分岐点)が迫る中、時間が無いのも事実でありますけれども、理想論に囚われ過ぎる事は、むしろ逆効果になりかねません。

 破綻までの時間を少しでも稼ぎつつ、その間に根本的な解決策を整備する。こうしたパラレルな行動が、今我々には求められているのです。

 例えば闇雲に石炭火力発電プラントを否定する意見がありますが、これこそが、いわば「ヒステリックに理想論に走る行為」に当たるでしょう。石炭火力は、二酸化炭素を大量に放出する前時代的な発電方式であると一般的にはイメージされがちです。しかし国産の超々臨界圧石炭火力発電プラント(USC)では、温度590℃以上、圧力22メガPa以上の超々高温高圧の水蒸気を作ります。しかも単純に石炭を燃やすのではなく、プレヒーティングを掛けて石炭から可燃性ガスを取り出しそれでガスタービンを回す方式なので、非常にエネルギー効率が高いのです。

 エネルギー効率が高いという事は、発電に使用する石炭の量が少なくて済む訳ですので、二酸化炭素削減に直接的に寄与します。COP26に合わせて、NGO気候行動ネットワークから、日本は化石賞なる賞を頂いたのだそうですけれども、山口環境大臣には、日本の超々臨界圧石炭火力発電プラント(USC)の効率の良さを、世界に向けてしっかりアピールして頂きたかったというのが本音です。

 米国、中国、インドで使われている旧来型石炭火力プラントを日本の最新型にリプレースするだけで、年間12億トンの二酸化炭素を削減出来るという試算もあります。年間12億トンといえば日本の総排出量を超える莫大な量であります。根本的な解決にはならないにしても、こうした技術を用いる事で、少なくともシンギュラリティ到来の時期を後ろにずらして時間を稼ぐ事が可能です。「石炭」という言葉の響きだけでヒステリックに否定するのは、いかがなものかと思う次第であります。

【つづく】

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