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 地球温暖化対策について考える(第2話:このままでは爆発的に昂進する篇) 

では大気中の温暖化ガス濃度の上昇が問題視されています。確かに温室効果自体は大気に熱が籠もる状態の事ですから、大気中の二酸化炭素やメタンの濃度は温室効果に直接の影響がある訳ですが、その温室効果ガスがどこから来るのかを、もっと意識する必要があるでしょう。

 実は海水には大量の二酸化炭素が融け込んでいますし、メタンも水と結びついてメタンハイドレートという氷状の形態で、高圧で低温の場所、主に深海に存在しています。温暖化が進み海水温が上昇すると、海水中の二酸化炭素やメタンが融け出してきてしまいます。こうして融け出した温室効果ガスにより、温室効果はより強くなり、更なる海中からの融出を引き出すという悪循環に陥ってしまうのです。この負のループにより、爆発的とも云えるスピードで温暖化は一気に昂進してしまう事になります。

 これは海水中だけの話ではありません。北極圏や南極圏の永久凍土の中にも二酸化炭素が含まれていますし、相当量の動物の死骸なども埋まっていると云われています。温暖化が進みこうした永久凍土が融け始めると(既にこの現象は始まっているのですが)、二酸化炭素が放出されるのは当然として、融け出した死骸が腐敗する事で、温室効果の高いメタンが大気中に放出されてしまいます。

 太陽光を反射していた雪や氷が融け出して一旦地面が顔を出してしまうと、太陽光は一挙に吸収され、急激な勢いで永久凍土の融解は進んでいきます。こうした特異点に達してしまうと、状況を立て直すのは非常に難しくなるのは明らかでしょう。

 地球温暖化は、既に抜き差しならぬ段階寸前まで来ているのです。今更2030年までに2010年比で二酸化炭素排出量の45%削減するなどと、悠長な事を云っている場合ではないのです。我々は、既に起動されてカウントダウンが始まっている温暖化という時限爆弾を、何とか処理しようとしているのだという、現実を忘れてはならないのです。

【つづく】

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