次期通勤快速バイク購入物語 (第9話:ベンリィ号ついに納車篇)
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ついに納車されました〜! |
いにベンリィ110が納車されました。かなり待たされましたけれども、その間に様々な受け入れ準備を進める事が出来ましたので、まあ良しとしましょう。
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フロントホイールを外したところ |
まずはFRP外装を、塗装済みのモノに交換します。フロントフェンダ(前タイヤの泥除け)はクリアランスの関係で一旦ホイールを外す必要があります。しかもベンリィ110のフロントブレーキはドラム式ですので、ブレーキも降ろす必要があるのです。センタースタンドを掛けフロントを持ち上げた状態で車体下に適当なコンテナを挟み込み、ホイールを外します。本来ならばきちんとジャッキで上げるべきでしょうが、多くの小排気量スクータの場合、メインスタンドを掛ければフロントは片手で持ち上げる事が可能です。作業中に車体が倒れないように注意さえすれば、コンテナボックスでもリンゴ箱でもOKって訳。
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外装を全て外しました |
フロントフェンダは3本のM8ボルトで留まっていますが、これらのボルトには緩み止めのネジロック剤が塗布されていますから、ネジを外すのに電動インパクトレンチが有った方がよいでしょう。通常のネジは自身の張力だけで固定されています。ところがネジロック剤を塗布すると張力に加えて回転方向の摩擦が非常に大きくなります。勿論、緩み防止には絶大な効果を発揮しますが、その反面、大きな力でゆっくり回そうとすると、ネジを舐めやすくなってしまうのです。比較的小さな力で断続的にガガガガガと打つ電動インパクトを使用して外した方が、失敗の確率は格段に低く抑えられるという訳。
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自作のハーネス |
フロントのアクスルシャフトは本来はトルクレンチを使って、適正な力で締めなければなりません。緩いと最悪フロントホイールが走行中に外れてしまう危険がありますし、逆に締め過ぎもスムーズなホイールの回転を阻害してしまいますからね。とは云え、所詮110ccの小排気量車ですし、時速200Km出す訳でもありませんから、そこまでシビアに考える事も無いでしょう。サービスマニュアルによると、ベンリィ110のアクスルの締め付けトルクは59Nm。経験と勘に従ってきちんと60Nm位に締めておきました。何回もやる内にだいたいの締め付けトルクを手が覚えてしまうモノなのですよ。でも、ホイールの脱着の経験があまり無い方は、無理せずバイク屋さんに頼みましょうね。
続いてフロントカウル、シート、サイドカウル、荷台、テールカウルと外していきます。シートは必ずしも外す必要はありませんけれども、サイドカウルのネジの位置の関係で、外した方が作業性が格段に良いのです。当たり前の事ですけれども、外したネジは順番が分かるようにきちんと置いておきましょうね。私はネジの一時保管の為に、複数のステンレスのお皿を使っております。
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綺麗に組み上がりました
ミリタリー調に大変身! |
買った当日に新車をバラしちゃう人はあんまり居ないと思いますけれども、ま、エンジン本体をイジるわけではありませんから、サクサクと作業を進めて参りましょう。
フロントカウルを外すついでに、ホーン(クラクション)をシングルからダブルに交換します。こうした小排気量車のほとんどはシングルホーンが普通。プ〜っという情けない音ですと、クラクションを鳴らしても、周りの車に気付いて貰えない事もしばしばなのです。そこで、380Hzと480Hzの和音タイプのドイツHELLA社製のダブルホーンを導入しました。HELLA社はBMWやベンツへのOEM供給元で、ま、特殊な部品という訳ではありませんけれども、普通の乗用車のクラクションのような音質と音量にはなりました。
ベンリィ110はフロントカウル内に空間が多く、さほどの苦労もなくダブルホーンを取り付ける事が出来ました。あ、勿論、ギボシ端子と熱収縮チューブを使って専用の並列ハーネス(配線)を事前に拵えたのは云うまでもありません。改造しても簡単に元に戻せるようにしておく事。これが電装系チューンの鉄則ですからね。一般的な配線では半田付けを用いますが、車やバイクなど振動の多い箇所への半田付けはクラックが入りやすく、逆にトラブルの元。そこで全ての接合は電工ペンチを使ってギボシ端子をカシメるのが基本なのです。
サイドカウルやフロントカウルは、爪で引っかけてある部分を割らないように細心の注意が必要です。絶対に無理に引っ張っては駄目ですぞ。特に目隠しの爪については、事前にサービスマニュアルで確認しておく方が無難でしょう。このあたりは、スマホを分解する際も同じですね。メーカーは部品点数を減らしコストダウンを図る為に爪を使うのでしょうけれども、ちょっと力を掛けただけで簡単に折れてしまいますし、一旦折れると他に固定の方法がありませんから、意外に厄介なのでありますよ。
最後に塗装済みのフロントボックスを取り付けて出来上がり。このフロントボックスは流石メーカー純正オプションだけあって、加工無しにきっちりと固定する事が出来ました。前カゴと違ってカッパなど濡らしたくないモノを入れておけますし、鍵も掛かりますから、便利で安心。しかもヘッドマークが中々格好良いではありませんか!
外装を変更し、ミリタリー仕様に生まれ変わったベンリィ号。更に使いやすくする為に、改造はまだまだ続きますぞ〜。
【つづく】
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