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  疾走(はし)れ!母ちゃんライダー・リターンズ(第2話:レッドバロンでの逡巡(しゅんじゅん)篇) 

2008年に生産終了した
Kawasaki W650

速、近所のレッドバロンにかみさんと二人で出掛けてみました。ま、今回は購入を具体的に検討するというよりは、あくまでも市場調査的な意味の方が強いのですがね。

 私はオートバイが好きで、現在もKawasakiZRX1100号に乗っております。新車で購入したこの機体も既に20年が経過していますけれども、特に買い換えなど考えておりません。吸排気系をいじり、ブレーキラインをステンメッシュのカチっとした感触に変更したりと細かい改造を施して参りました。スプロケットもワイド側に振る形で(低速トルク重視)社外品に換装してあります。定期的なメンテナンスもバッチリです。オイル交換やスパークプラグの交換は当然として、フロントフォークのオーバーホールやステムベアリングの交換は数知れず。20年落ちとは思えぬ良好な状態を保っています。

 ZRX1100号への愛着が強過ぎて、逆に他のバイクの情報には関心が湧かないのであります。ここ10年以上オートバイ雑誌すら読んでおりません。単にライダー歴が長いだけで、最新のオートバイ事情には非常に疎いのであります。

 かみさんは大型自動二輪免許を保有しておりますが、実際のところペーパーに近い状態です。こんな運転スキルで、いきなり新車購入は無謀というものでしょう。そこでレッドバロンで様々な中古車を眺めてみようというのが、今回の趣旨であります。

 まずは、YAMAHAのXJR1300に目が止まりました。空冷並列4気筒1300ccの名機。私のZRX1100号も、かみさんがかつて乗っていたゼファー750号も並列4気筒エンジンを搭載したバイクです。私は4発エンジンのフケ上がりフィーリングや、「フォンフォン」というインラインフォー特有の音が大好きなのであります。ま、年齢的に、生粋の「バリバリ伝説」世代でありますからな。

 店員に断ってXJR1300に跨がらせて貰う事にしたのですが、かみさんの体格ではつま先立ちでギリギリ足が着く程度。まさにツンツン状態です。車格も大柄ですし、そもそも並列4気筒エンジンは幅が広く、それ故に足が開く格好になり足付きが悪いのは、ある意味宿命でもあります。しかも女性は体重がありませんからサスペンションの沈み込みも少なく、足着きの悪さは倍加されてしまいます。立ちゴケの恐怖と戦いながらでは気軽に出掛けられないでしょう。こうした理由からも、並列4気筒は除外せざるを得ないようです。

 続いてアメリカン・バイクを見てみました。その構造上、車高は低く足着き性は抜群に良い反面、全体的に大きく重く、女性の力では取り回しが大変そうです。特に程久保基地の駐車場には、既にミニバンのトヨタVOXY号の他、ZRX1100号と100ccのスクータ数学力号が停まっており、更にもう一台追加となりますと駐車には工夫が必要で、取り回しの良さは重要なファクタとなります。しかも程久保基地の駐車場は水捌(みずは)けの為に微妙に傾斜していますから、重量のあるアメリカンはきついでしょう。そもそもかみさんは、アメリカンスタイルのオートバイには興味がないようでありますしね。

 アメリカンと同様に、フルカウルのレーサーやツアラーにも食指が動かない様子。かみさんは、カウルの無い、いわゆるネイキッドバイクが好きなのであります。そうだ、それならビンテージテイストのオートバイはどうでしょうか。かつてKAWASAKIからW650というバーチカルツインエンジンのビンテージテイストのバイクが出ておりました。往年の名車W1のレプリカとして誕生したオートバイであります。

 W650に跨がってみると、おお、足着きが格段に良さそう。排気量は650ccですから立派な大型自動二輪車なのですが、バーチカル・ツイン・エンジンのコンパクトさと相まってシート幅が狭く、かみさんでもベッタリ足が着くのであります。これは乗りやすそうだ・・・。しかし難点を挙げるとすれば、2008年でW650が廃版となっている点でしょう。生産終了から10年以上が経過していますので、故障時などの部品の供給に不安がつきまとってしまいます。

 かみさんとしてはスタイルも気に入り、懸念事項だった足着きや取り回しの問題も解決出来るKawasaki W650は、一見最適な選択のように思えたのですが、生産終了車だったとは・・・。中々うまく行かないものでありますなぁ。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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