イクのメンテが済んでピカピカになるのは気持ちのいいモンですな。しかも時はゴールデンウィーク、ポカポカ陽気であります。こんな季節にバイクに乗らないなんて・・・ってな訳で出掛ける事に致しましたよ。いひひ。家族4人でツーリングであります。
実は私、仕事の関係で単身赴任しておりまして、いざ家族と離れて暮らしておりますと、今までさほど意識しないで過していた「家族の絆の大切さ」を強く感じるんで御座います。今年は暦の関係で飛び石になってしまったゴールデンウィークではありますが、4月28日(月)に休暇を取りまして、無理やり4連休を作り上げました。このうちの2日間、4月27日、28日に1泊でお出掛けするのであります。もちろん家族の絆を深める為。たった1日の為に出張先に戻るのも現実的ではありませんしネ。言い訳だけどサ。
行き先は山中湖。山梨県にある富士五湖の一つです。西関東以外の方には分かり難いかも知れませんが、我々が済む高幡不動(東京都日野市)から山中湖へは普通に走って片道2時間程。近いんですよ、マジで。もちろん2人乗り2台ですから高速道路は使えないんですけど、もし使えたとしてもそんな無粋なルートは選びません。国道413号線、通称「道志街道」というご機嫌なワインディングで山中湖に行くので御座います。
1泊ツーにしては、ちょっと近すぎるんでないの?というご質問はモットモなんでありますが、子連れだと実際のところ、この位がちょうど良い距離なんですよ。うちの上のガキは小学3年生になったんでいっぱしにタンデムライダーするんですが、いかんせん、下のガキは小学1年生になったばっかり。バイクに乗ると眠くなっちゃうんです。まさか子供を後ろに乗せて目が覚めちゃうような走り方する訳にもいきませんしね。だから通常2時間程度の道のりを4〜5時間掛けて、遊びながら休みながらノンビリ進むのであります。走りを楽しみたい貴兄には物足りないツーリングでしょうけど、今回は目的が違いますからね。そうです、家族の絆。これで良いんですよ。とばしたいなら別の機会に一人で行けば良いんすから。
あれ?気が付きました?父ちゃんは有給休暇取ったし、母ちゃんライダーは専業主婦。だから月曜日でも問題ないわけですが、で、子供たちの学校はどうすんだ、ですって?ふふふ。休みです。休暇です。サボりです。当たり前でしょ。ふぬけた学校でふぬけた授業なんかに出席してるより、家族でツーリングの方がよっぽどタメになるってもんであります。こんな大切な経験をさせようってのに、学校を気にしているようじゃ大物にゃなれませんぜ。連絡帳には堂々と「バイクでツーリングに行く為月曜日は休ませます」と書いてやりましたよ。えぇい、どうだ、参ったか、日野市教育委員会め。
都道20号、通称、野猿街道を西進して、国道16号旧道経由で橋本から国道413号に右折。しばらく進んで、青山の交差点からいよいよ通称、道志街道に入ります。ここまで来るとまわりは既にけっこうな山の中。天気は良いし、朝早く出たから道は空いてるし、絶好のツーリングコンディション。新緑の山々が目に眩しいぜ。ってこういう書き方すると至極スムーズにここまで進んできたように思えるかも知れませんが、実はこの20Kmを進むのに4回も休憩してるんですよ。コンビニでアイス食ったり、自販機でジュース飲んだりね。だって下のガキが眠くなったって言うんですもん。それにしても午前中、しかも早い時間から居眠りするって、お前の体、いったいどんな構造してんだよ?
去年の夏、日帰りツーリングで来た両国橋を過ぎると、道の駅道志まではご機嫌なワインディング。普通だったら邪魔に感じる遅いファミリーカーたちも、今日の我々のペースにはピッタリ。いやぁ、快適なツーリングだなぁ。
道の駅道志で一休みして、いよいよ最終目的地山中湖へ向かいます。といってもココからすぐなんだけどね。なんだかんだで4時間以上掛かりましたぜ。でも朝早く出たお陰でまだお昼前です。予約してあるペンションは3時チェックイン。さ〜て、どうやって時間を潰そうか。
湖畔の無料駐車場にバイクを停めて、サイクリングする事にしました。観光地にありがちなレンタサイクル。二輪車で来て二輪車をレンタルするってのも変な話だけど、子供が乗りたがりましてねぇ。ま、いいか。子供たちも、ず〜と後ろに乗ってたから、自分で運転したいんだろうよ。う〜ん、典型的な湖畔リゾートでの過し方だよなぁ。子供たちはそれぞれマウンテンバイクを借り、私と母ちゃんライダーは2人乗り自転車を借りました。ホラ、フレームが溶接されてる、妙にホイールベースの長い例のアレですよ。いやぁまさに典型的(笑)。いざ、山中湖半周のサイクリングにGO!
え〜と、これをお読みの皆様が同じ過ちを繰り返さない為にも、はっきり言っときます。良いですか?山中湖は見た目よりも大きいです。自転車だと大変です。うちの子供らは野人なんで何でも無いかも知れませんが、大人はクタクタです。何だよあの2人乗り自転車は。重いばかりで全然進まないじゃん。ギア比が合ってないよ。腿パンパンだよ。母ちゃんライダーは真面目にこがないしさ。たっぷり1時間掛かりましたわ。もう、自転車はいいっす。エンジンって有り難いっす。
クタクタになって湖畔のベンチで休む大人を尻目に、ガキ共はまだ不完全燃焼な様子。元気だねぇ。野人だねぇ。もっと上品な過し方が出来ないのかよ、体力バカめ。親の顔が見たいぜ、って俺じゃん。
恐れていた事が起こってしまいました。ガキ共がボートに乗りたいと言い出したのであります。しかも白鳥の形をした馬鹿馬鹿しい足漕ぎボート。もう、ペダルを踏むのはイヤだよぅ。あれに乗るのは高原に愛を語りに来た恋人たちだけに許された特権なのだよ。野人的ガキが面白半分で恋人たちの聖域を侵すなんてもっての外。言って聞かせても親の言う事なんて聞きゃしない。絶対に子供が漕ぐ事、親は乗ってるだけである事を約束させて、ボートをレンタルしました。時間は30分。漕がないでいいんだったらまあ良いか。湖上は微風、舟遊びには絶好です。気持ち良さそう。という訳で、我らがスワン号は桟橋を出発したのであります。
春のうみ ひねもす のたり
のたりかな。良いですなぁ。春風が湖面を優しく吹き、遠くの対岸にはしだれ桜が満開。まわりの愛を語る恋人たちにはちょっと申し訳ない気もしますが、家族4人でおおはしゃぎ。リゾートですなぁ。我らがスワン号はガキ共の活力を受け、湖中央部にしずしずと進んで行ったのであります。
「とも(下のチビすけの名前。彼は自分の事を「とも」と呼びます)、疲れちゃった。もう帰ろうよ」。なに〜!まだ10分しか経ってないぞ。ボートは30分も借りてあるんだぞ。4人乗りだから1500円もしたんだぞ。ふざけんなよな。お前が自力で漕げるって言うからレンタルしたんだぞ。しかも、ここ、湖中央部じゃねぇか。戻るには逆風だし、どうすんだよ。父ちゃんは腿パンパンでもう漕げねぇぞ。
「あそう。じゃ、父ちゃんに漕いでもらえば良いよ。という事で父ちゃん、ヨ・ロ・シ・ク」。え〜っ、そりゃ無いぜ母ちゃんライダー。おいら、もう漕げねぇよ。我が家において母ちゃんライダーの決定は絶対です。ちぇ。結局こうなるんだよな、いつも。それにしても絶望的な距離であります。しかも逆風。私は今や点のように見える桟橋を目指して、スワン号のペダルを漕ぎ出したのでありましたとさ。
【つづく】
【「母ちゃんライダーの愉快な単車生活」の目次に戻る】
【「やすなべ」の目次に戻る】
|
この文章は、ほとんどホントの話ですが、一部、脚色されています(笑)。 |