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  バイクは家族の絆となり得るか?(第5話:いよいよ家族でツーリング篇) 

いよいよ全ての準備が整い、我が家のバイク熱も最高潮に達して参りました。機は熟したのであります。そうなると家族全員、もう我慢が出来ない。早くツーリングに行きたい一心で計画を立てるのであります。

「暑いからさ〜、近くじゃないと子供がもたないんじゃない?」
「そだな。あんまり遠いと子供飽きるしな」
「近場でさ、渋滞なくてさ、市街地通らないでさ、楽しく遊べてさ、適度にワインディングが有ってさ、お金がかからないとこってないの?」
「ある訳ねぇだろ、そんな都合の良いとこ。ここ仮にも東京都内なんだからさ、渋滞は必ず覚悟しなきゃ」
「じゃすごく朝早くに出て、午前中で帰ってこようよ。それの方が涼しいし」
「そだな。フルに遊ぶと子供、帰りに居眠りするしな」
「寝たらどうしようか」
「そりゃ休み休み進んで、目ぇ覚まさせるしかねだろ」
「走りながらスラロームすれば起きるかな?」
「っていうか、お前さ、スラローム出来るのかよ」

「・・・・・出来ない
「そもそも片手運転すら不安だろ?」
「・・・・・うん
「ところでさ、お前らどっちがどっちのバイクに乗ってくんだよ」
「父ちゃんの」
「俺も父ちゃんの」
「母ちゃんのバイクにはどっちが乗るんだよ。3人乗りになっちゃうじゃんかよ」
「・・・・怖い」
「・・・・不安」

途中、津久井湖 花の園地で小休止

途中、津久井湖 花の園地で小休止

 という訳で、慎重な議論の末、上の子は父ちゃんのZRX1100号、下の子は母ちゃんライダーのゼファー750号に乗って出掛ける事になりました。これまた侃侃諤諤の討論の結果行き先は、山梨県道志村に決定。奥道志(山中湖の手前)まで行くと帰りが不安なので、両国橋キャンプ場で川遊びをしようという事に決定。高幡不動→橋本までは野猿街道で、そこからR413、通称道志街道で両国橋キャンプ場を目指します。

 朝6時に出た事も有って、普段は慢性的に渋滞しているR16もガラガラ、4人を乗せた2台のバイクは快調に距離を稼ぎます。

 R16からR413に向かって右折、橋本の街は寝静まっている様子で、いつもの渋滞が嘘のよう。程なく津久井湖に到着しました。ここってもう神奈川県なんだよね。津久井湖ダムのすぐ上の公園、通称「花の園地」で小休止であります。ココまでは完璧。子供たちも疲れた様子も無く元気いっぱいです。

道志川両国橋付近で遊ぶ子供たち

道志川両国橋付近で遊ぶ子供たち

 花の園地でジュースを飲んで、さ、出発です。R413を相模湖方面に進んで、途中、青山交差点を右折。ここからは通称道志街道です。いよいよワインディングの始まり始まり〜。

 道志街道に入ってしばらく走ると、丹沢経由で伊勢原方面に行く道との三叉路が御座いまして、ここに知る人ぞ知るヤマザキデイリーストアがあるんですが、このコンビニ、地元のバイク乗りには結構有名なんですよね。山中湖へのワインディング入口に位置する事もあって、しかも東京方面から来る道と、伊勢原方面から来る道のぶつかった地点にあるモンですから、富士五湖方面へのツーリングの待ち合わせ場所として、みんなが良く利用するんです。朝、早い事もあり、まだファミリーカーは出ていない時間。そんなに広くない駐車場は折からの快晴もあって、まるで見本市のようなバイクバイクまたバイク。バイクに乗らない人が見たら暴走族の集会かと思うような賑わいなのであります。

 たくさんのバイクが溢れ返っている中でも、我々4人は奇異な組み合わせ。そうでしょうそうでしょう。流石に親子4人2台のバイクに分乗してツーリングに行こうっていうヤツなどそうそう居るもんじゃ御座いません。しかもバイク乗りには不思議な連帯感みたいなものがあって、ドカティを駆るおじさんが、早速下の子に話し掛けて参りました。

「お、坊主、良いなぁ。父ちゃん母ちゃんとツーリングかぁ」
「うん。ヘルメット買ったばかりなんだよ」
「そーかー。どこから来たの?」
「うち」
「むむ。まいいや。で、どこ行くの?」
「川」
「ふーん。全然ワカンネェや。ところで坊主、バイク好きか?」
「うん。とも(下の子の名前)ねぇ、高校生になったら免許取るの」
「いーなー。頑張れよ」
「うん。おじさんもな」

川面を抜ける風が気持ちE〜

川面を抜ける風が気持ちE〜
母ちゃんライダーもご満悦

 和やかに他のライダーとの会話を楽しんでおります。生意気にいっぱしのライダー気取りじゃねぇか。会話の内容は滅茶苦茶だけどさ。

 コンビニでの一休みの後、R413を更に山中湖方面に進みます。R413、通称道志街道は道志川という川に沿って走っています。我々はこの川を上流に向かって遡上していくという訳。

 山梨県境を越えてしばらくすると、目的の両国橋キャンプ場に到着。ここ、その名の通りキャンプも出来るんですが、川遊びにはうってつけなんですよね。子供たちは海水パンツに着替えておおはしゃぎ。結構標高がある上に川面を流れる風が涼しくて、いやぁ快適快適。楽しいねぇ。やっぱツーリングだねぇ。最高だねぇ。

 帰りは同じ道を帰ったんですけど、ここでこれから家族でツーリングをご計画の皆様にちょいと一言。子供と一緒にツーリングに行くとあんまり飛ばせないけど滅茶苦茶楽しいです。子供も大喜びです。最高です。でもね、行き先にはご注意。川遊びはいけません。子供は大いに喜びますが、帰りは必ず寝ます。100%居眠りです。バイクから落ちそうになります。500m毎に停車して起こす必要があります。気をつけて下さいね(笑)。

 一般的に見て不可能かと思えた家族でのツーリング。やってみりゃ楽しいじゃん。別に難しい事は何にも考えてないけど、親が面白いと思う事は子供にも教えてあげようと思ってさ。今後も徐々に距離を伸ばしながらいろんなとこへ行こうと思います。そして、バイクに乗るときは長袖長ズボン皮手袋にフルフェイスヘルメットじゃなきゃいけないんだよ、とか、バイクに乗る事自体も楽しいけど、他のライダーとの会話もわくわくするんだよ、とか、いろんな事を伝えていこうと思っています。早くガキどもが免許を取って欲しいなぁ。そしたら今度は4台で北海道にツーリングに行く事が、おいらと母ちゃんライダー、そしてガキどもの共通の夢なので御座います。ね、ちょっと羨ましいでしょ?(笑)Copyright (C) by Yas / YAS Zone

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