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  お遍路へ行こう!(第7話:修行の道場(土佐高知)篇) 


局、このシリーズ、日記調で押し通す事にしました。お遍路の途中で起こった事を手帳にメモしてるんだけど、それとマッチしやすいんだよね、箇条書きの方が。その時の感覚とか、その瞬間の感動とかを伝えやすいかな、と思ってさ。写真ともシンクロしやすいしね。


 2001-11-05(月)

  • お遍路を休んで2泊していた、ライダーズイン室戸ともお別れ。屋根がある施設って、快適だったんだけどなぁ。今日からいよいよ修業の道場、土佐高知。比較的、お寺間の距離があるんだよね高知県は。出掛けに管理人さんから、ミカンを2個頂きました。いつでも食べられるように、荷物の一番上のネットに入れる。途中で食べよ。
ライダーズイン室戸にて。
ライダー専用の施設で、
バイク乗りにとっては快適な環境でした。
屋根あるしね(爆)。
  • ライダーズイン室戸に2泊して、ぼさっとしていた訳じゃないよ。「第6話:発心の道場(阿波徳島)篇」を書き上げたり、濡れた装備を乾かしたり、溜まった洗濯物を片付けたり、バイクのプラグを交換して、チェーンを張りなおしてグリスアップしたり、しかも車体をピカピカに洗車したり、懸案だった、荷積み用のストッパーをラワン材とステンの変形T字金具で自作したりしてたんだ。いわば、「修業の道場土佐高知」への準備をしてた訳ね。
自作の荷物ストッパ。
これで、荷物がずれてこなくて快適に。
  • さて、土佐高知のスタートは、24番最御崎寺(ほつみさきじ)から。土佐高知のスタートを記念して、まず鐘楼へ上がり、思い切り鐘を撞く。さあ、土佐の國も頑張って制覇するぞ。
      
  • 24番最御崎寺(ほつみさきじ)って、名前から想像される通り、室戸岬のごく近くににあるんだよね。という訳で、ついでに室戸岬にも行って来ました。
室戸岬にて。
写真じゃ分かんないけどさ、
視界270度が海っての、結構新鮮。
地球って丸いんだなぁって実感出来たよ。
  • 25番津照寺(しんしょうじ)で、今井君にまた会いました。ほら、道の駅宍喰温泉で会ったって言ったでしょ。歩き遍路の人(お遍路へ行こう!(第6話:発心の道場(阿波徳島)篇)を参照の事)。ライダーズイン室戸で2泊してたら追いつかれちゃったって訳。歩きって意外と早いねぇ。朝、ライダーズイン室戸の管理人さんから貰ったミカンを2人で山分け。
      
  • ミカンを食い終わって、さあ行くか、と思った途端に雨。来ましたよ。天気予報では夕方から雨って言ってたのに。まだ午前中だぜ。急いでカッパを着用。
      
  • 走り出したら雨はすぐにあがっちゃった。でも降水確率は50%なので、用心して、今日はカッパを脱がない事にする。
      
  • 27番神峯寺(こうのみねじ)でのどが渇いたなぁと思ってたら、清水を発見。その名も「神峯の水」。結構有名みたい。冷たくて、ヘタなジュースよりも美味い。ごくごく飲む。
神峯の水。
神峯寺の境内にあります。
  • 今日は、31番竹林寺まで行こうと思ってたんだけど、30番善楽寺でタイムアップ。とりあえず、高知市内へ向かう。南海部品に行くんだ。シールドの留め金が壊れてガクガクになっちゃったんだよ。高速走行すると、自然にシールドが開いちゃうの。危ないからさ。南海部品は、高知駅前通りにありました。
      
  • 高知の南海部品で物欲番長化(笑)。シールドの留め金(700円)を買いに行ったら、ついでにミラーシールド(7800円)買っちゃった。虹色に輝くやつ。だってさ、シールド傷だらけだったんだもん。しょうがないんだもん。危険回避なんだもん。ごめんね、母ちゃんライダー(笑)。ホントは前から欲しかったんだコレ。ごく薄いミラースモークで、夜でも使えるヤツ。
買っちゃいましたよ、
念願のミラーシールド。
母ちゃんライダー、ゴメンナサイ。
  • 高かったけどまあいいや、今夜は雨だし、高知市内のど真ん中で野宿出来そうなとこ無いし、ビジホに泊まろって考えてたから、一泊8000円は覚悟してたしね。
      
  • 南海部品のおねぇさんがノタマウには、高知市の高知県立種崎千松公園がキャンプ可能との事。やったね。幸い天気予報は外れたみたいで、午前中25番津照寺で降られただけだし、勢いで買っちゃったミラーシールドもこれで浮いたビジホ代とチャラさ。
      
  • ルンルン気分で高知県立種崎千松公園を目指していたら、来ましたよ、突然の雨。しかも土砂降り。既に海沿いまで移動しちゃってて、市内のビジホまでは戻る気しないし。仕方なく土砂降りの中を高知県立種崎千松公園まで移動。なんで、こんな時ばっか天気予報が当たるんだよ〜。
      
  • 到着するや否や雨の中のテント設営。ちぇっ。土日に折角テント乾かしたってのにさ。でもしょうがない。テントの中でネットに接続。ここ高知市内だからPHSが通じるのさ。事前にドコモのサービスエリアマップで調べてあったんだもんね。
      
  • BBS(注:現在は閉鎖してしまいました)に重要な書込み発見。36番青龍寺近くで国民宿舎土佐を経営する池上さんという方から。泊まりにおいでとのラブコール。お遍路ライブ、見ていてくれたのねん。ネットってこういう出会いが有るから辞められない。ね、エロオヤジ化したお父さんたち、「出会い系」だけが出会いの場じゃないのよ(笑)。明日の目標が決定。36番青龍寺まで行って、国民宿舎土佐に宿泊だ。9日ぶりの布団だよ。楽しみだな〜。
      
  • 知らない人からメールも来ている。高知県幡多郡大月町でこの10月から幡多郷(はたご)という名の宿屋を始めた二村(ふたむら)さんという方から。これも宿屋ラブコール。地図で確認すると、38番金剛副寺と39番延光寺の中間地点。39番延光寺って、土佐高知の最後のお寺じゃん。コレは好都合。距離的にもちょうど良いし、39番延光寺までいって土佐高知が完結したら、すぐ大月町に引き換えして、「第7話:修行の道場(土佐高知)篇」を書き上げる事にしよう。二村さんには「予定は分からないけど顔出すようにします」と返信。
      
  • 「お遍路ライブ」見てくれてる人って居るんだなぁ。ちょっと嬉しい。
      
  • PCのバッテリーが心もとなくなってきたんで、ネットはお仕舞いにして、寝袋に入る。でも雨の音が気になって寝られない。
      
  • やっとウトウトしたと思ったら、突然の電話に起こされる。母ちゃんライダーから。 「元気?」 「今寝てたとこ。どした?」 「別に。雨降ってるからどしてるかなって思って」 「今寝てたよ。電話で起きた」 「ふ〜ん。今日は冷え込むみたいだから早く寝なよ」 「だから今寝てたんだってば」 「そう。じゃおやすみ」ってコレが遠く離れた妻との会話だろうか(笑)。でも、電話嬉しかったヨ。
      
  • さっきよりも小ぶりになったけど、相変わらず雨だし、おしっこしたかったけど、雨に濡れるの嫌だからそのまま寝る。テントから出たくない。
      
  • 深夜1時頃、おしっこ満杯で目が覚める。こういうときに限って土砂降り。我慢が限界に達していたので、仕方がなくおしっこへ。当然ずぶぬれ。あ〜あ、さっき行っとけばよかった。

 2001-11-06(火)

  • 5時半起床。雨の音がしない。フライシートの隙間から外を眺めると雨がやんでいる。良かった。すぐにでも撤収準備がしたいが、まだ真っ暗な為、寝袋の中でウダウダして時間をつぶす。こんな真っ暗な中、しかも公園内で撤収準備を始めたら、110番通報されちゃうよ。俺、人相悪いし(笑)。
      
  • 外が明るくなり始めたので、テントから出る。すがすがしい朝。この公園、海岸端なんだ。濡れたテントはそのままにして、浜に出てみる。朝焼け。まだちょっと雲は残っているけど、好天の予感。
早朝の種崎海岸。
すがすがしい朝です。
  • テントに戻って撤収準備。明るくなってみてみると、もろに公園。キャンプしてると叱られそうだね。早いとこ退散しなきゃ(笑)。
高知県立種崎千松公園にて。
もろに公園だよ。
ブランコまであるじゃん(笑)。
  • 海岸端の遊歩道まで荷物とバイクを移動して、テントを乾かす。うまい具合に風も出てきて、みるみる乾くじゃあないっすか。9時には完全に撤収を完了。さあ、31番竹林寺に向かって出発だ。
装備も乾いて、準備完了。
いざ、竹林寺へ。
  • 31番竹林寺、32番禅師峰寺(ぜんじぶじ)を無事クリア。すると24番最御崎寺(ほつみさきじ)から抜きつ抜かれつしてきた姫路ナンバーのご夫婦に話し掛けられる。加古川から来てるんだって。おいらはすぐに33番雪蹊寺(せっけいじ)には行かず、のんびりと桂浜を見物するつもりだったけど、当のご夫婦は先を急ぐ様子。ここでお別れですねって言ったらバナナとミカンをくれた。お返しに納札を渡す。一応、YAS Zoneのアドレス書いてあったんだけど、見てくれてるかなぁ。有難う御座いました。ミカンとバナナは貰ってすぐ美味しく頂きましたよ。(注:このご夫婦とは、2010年現在も年賀状のやり取りが続いています)
      
  • 桂浜に行く。スゲー海がきれい。でもここは観光地なんで、お遍路さんが一人も居ず、白装束に、白い「同行二人・南無大師返照金剛」頭陀袋を下げたおいらは好機の目にさらされる。でも、慣れちゃったから、へっちゃら。名物アイスクリンを食す。昔風の味だけど、美味しかった。
桂浜にて。
海の向こうはアメリカぜよ(笑)。
あ、坂本竜馬像も見物しましたよ。
  • 34番種間寺から国民宿舎土佐へ今夜の宿の予約の電話をする。「あの〜バイクなんですけど停めるとこありますか」って聞くと、「もしかして、Yasさん?」との返事。池上さんご本人でした。うれしいねぇ。行きますよ〜。待ってて下さいねぇ。
      
  • 午後4時に36番青龍寺をクリアして、今日は早上がり。国民宿舎土佐は36番青龍寺からバイクで5分ほど峠道を登ったところにありました。スゲー眺めの良いところ。12月17日に内装変えてリニューアルオープンするっていうし、同時に展望露天風呂も作るっていうし、しかも、高知市内から一時間以内で夜景がキレイという好立地。こりゃデートスポットにうってつけじゃん。きっと繁盛しまっせ、ここ。
夕方、国民宿舎土佐から海を望む。
向こうにかすんで見えるのは室戸岬。
最高の景色だねぇ。
  • 9日ぶりのまともな生活(笑)。布団と食事と風呂が何にもしないでワンセットになってるって、こんなにも快適なものだと再認識致しました。それにしても、ここ、食事美味しいよ。マジ。国民宿舎っていうとまずい飯と、汚い部屋と、投げやりなサービスって相場が決まってるじゃん。いわゆるお役所仕事ってやつ。やっぱここみたいに民営化しなくちゃ駄目だね。
      
  • ロビーで、他のお遍路さんと話をする。みんな歩き遍路で、おいらだけバイク遍路だから、ちょっと肩身が狭い。でも、色んな、為になる話を聞く。もし、次にお遍路さんをする機会に恵まれたら歩きに挑戦してみようかなという気になる。でも、実際にはスゲー辛いんだろうな。
      
  • 布団って暖かいねぇ。やっぱり布団だねぇ。おやすみなさ〜い。ぐっすり安眠出来ましたとさ。

 2001-11-07(水)

  • 昨夜は久しぶりの布団で熟睡。気分よく起床。出発の際に国民宿舎土佐のスタッフの方と記念撮影。どうも有り難う御座いました。宿泊代までまけて貰っちゃったよ。
国民宿舎土佐の皆さん。
両側は、元歩き遍路さん。
中央は経営者の池上さんと娘さん。
  • 今日は割と距離があるんだよね。37番岩本寺を回って、38番金剛福寺へ。途中、国道321号線が四万十川添いに。有名な「最後の清流」と言われるだけあって、河口付近にもかかわらず、水がキレイでした。
国道321号線高知県中村市付近。
最後の清流、四万十川。
  • 足摺スカイラインを通って、38番金剛福寺へ。ここ、足摺岬の隣なんだよね。お参りを済ませた後、足摺岬も見物。四国最南端。
四国最南端 足摺岬にて。
ここは観光地なので、
スズメ先生は好奇の目にさらさてれました(笑)。
  •  寄り道してたら遅くなっちゃった。今日は38番金剛福寺でタイムアップ。39番延光寺は、明日にしよう。足摺スカイラインを疾走す。良い道。適度にクネクネで。調子こいて、コーナー立ち上がりでアクセル開け過ぎて派手なパワーリフト。白衣着て頭陀袋下げて鈴鳴らしながらの大ウィリーに、対向車のバスの乗客から拍手喝采を浴びました(笑)。今度は荷物無しで走りに来たいなぁ。
足摺スカイラインから海を望む。
  • 国道321号線を高知県幡多郡大月町の宿屋兼居酒屋、幡多郷(はたご)を目指してひた走る。もうすぐ日が暮れる。急がなくちゃ。寒くなって来たしね。
国道321号土佐清水市付近の夕日。
  • ようやく今夜の宿、幡多郷(はたご)に到着。インターネットって有り難いねぇ。ネットがなかったら知らなかったよ。メール有難う御座いました、幡多郷(はたご)の皆さん。
幡多郷(はたご)のご主人二村(ふたむら)さん。
奥さんは、ちょっと恥ずかしがってます(笑)。
  • ここ幡多郷(はたご)は、2Fが宿屋で1Fが居酒屋。なんと素泊まり2500円。歩きお遍路さんには格好の宿です。2Fに荷物を置くや否や、おいらも居酒屋モードに突入。魚が美味しい店です。
幡多郷(はたご)1Fにて。
まわりの3人は居酒屋のお客さんで地元の人たち。
知らない人にビールご馳走して貰っちゃいました(笑)。
  • 2晩連続の布団。いいねぇ。やっぱり布団だねぇ。おやすみなさい。 

 2001-11-08(木)

  • 気持ち良く起床。身支度を整えて、39番延光寺へ出発。幡多郷(はたご)は朝は無人です。写真だけ撮って、いざ延光寺へ。
幡多郷(はたご)の外観。
高知県幡多郡大月町の中心街にあります。
ご予約は、0880-73-1324へ。
HPは、 http://www1.ocn.ne.jp/~cyan
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  • 39番延光寺で、土佐高知を完結。やったー!すぐに伊予愛媛を攻めようかと思ったけど、今日と明日はお遍路をお休みして、四万十川を見物に行きます。
39番延光寺にて。

 やっとの思いで、土佐高知を制覇。この区間は寺間の距離が長くて大変でした。バイクでも大変なんだから、歩きお遍路さんの苦労は想像を絶します。四万十川をゆっくり見物して、次なる伊予愛媛に向けて充電します。

【つづく】

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