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  今週のお言葉  

 幼少の頃、「横断歩道の白い部分を踏むと落ちて死ぬ」と勝手に決めて、それを避けながら登校したものであります。今考えますと、結構真剣にやっとりました。今でもああいう遊びって残っているんですかねぇ。現代の子供らはゲームばかりで、こんな事などしないのかも知れませんな。

 いいオサ〜ンになったというのに、こうして勝手に自分にノルマを課す遊びから抜けきれない自分が居たりします。否、私のみならず、私と同年代の方はそういう傾向が強いんじゃないかしらん。家から川崎大師までのサイクリングで、途中足を着かないで行くとか、やっている事はガキの頃のまま。40年間全く進歩が無いのでありました。

 先日、大垂水峠を越えて宮ヶ瀬にサイクリングに出掛けました。日頃の運動不足もあり、高尾からの登りで既にやられ気味。大垂水峠手前の東寒葉橋(ひがしかんばばし)付近をヨタヨタと時速一桁Kmで登っていきます。滝のような汗。暑い暑い。でもこの日、私は密かに心に決めていたのでありました。「宮ヶ瀬までは絶対に足を着かない」と。

 それにしても暑い。相模湖から三ケ木まではかなりアップダウンがあります。暑いよぅ。アイス食べたいよぅ。でも我慢々々。宮ヶ瀬まで行って、美味しいかき氷を食べるのです。それまではコンビニにも自販機にも寄らない。何しろ今日は、足を着かないと決めたのですから。

 三ケ木のサークルKに寄りたくなるのを何とか我慢し、青山交差点から道志街道に入ります。それにしても暑い。ジリジリと直射日光が照りつけます。ヤマザキデイリー横からR413を離れ、県道64号で鳥屋を目指します。ローリング族除けのセンターポールの敷設されたつづら折りの道をトコトコと登っていきます。心拍180。こんなところで180なんて、運動不足極まれりとはこの事でありましょう。ああ、足を着いちゃおうかな。弱気が頭をもたげます。

 あ。メールの着信音です。きつい登りの左ヘアピンを登っているというのにメールが来てしまいました。目的地の宮ヶ瀬まではあと数Km。メールなんか宮ヶ瀬に着いてから確認すれば良いのです。足を着いたら負けなのです。いやいや重要な急ぎの仕事関連のメールだったらどうするんだ。足を着いたら負けなんてチャイルディッシュな遊びはいい加減にして、メールを確認しなきゃ。

 葛藤です。オサ〜ンの葛藤です。足を着かないと決めたのに、自分で決めた決まりを反故(ほご)にするとは何事ぞ。いやいや冗談じゃない。仕事のメールだったらどうするんだよ。ちょっと待てよ、今日は休日だぜ。急ぎの仕事のメールなんて来ないだろ。男の意地を賭けて、グルグルと様々な思いが駆け巡ります。

 ああメータを見れば心拍はいよいよ188bpmではありませんか。これはマズい。ここまでの負荷は体に悪いよ。仕方がないよ。負けたんじゃないよ。気温も36度を越えてるし。最近寝不足気味だし。そもそも心拍ヤバいよ。それにメールが届いているじゃないか。やっぱり仕事が第一だよ。ね。ねね。ねねねねね。足着いちゃおうぜ。負けじゃないって。緊急避難だ。そう。これは緊急避難であって、断じて負けた訳じゃないんだ。

 足を着きたい欲求を何とか我慢し、一番斜度がきつい部分を抜けました。鳥屋の部落を過ぎ、トコトコヨタヨタと宮ヶ瀬に向かいます。凄いぞ俺。よく頑張った!よく諦めなかった!危うく負け犬になるところだったぜ。

 負け犬じゃないよ、ちゃんと勝ち犬だよ。
 ・・・・どっちにしろ犬かよ。

 超平和バスターズ原作 長井龍雪監督アニメーション作品「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」からのお言葉です。確かに足は着きませんでした。しかしそれが何だというのでしょう。単に宮ヶ瀬にサイクリングに来ただけで、激坂でも何でもない区間なのです。そもそもこんなところで心拍が188bpmになってしまうこと事態が情けないのであります。嗚呼9月はたくさんサイクリングに出掛けて、ダイエットに励まなければ・・・。10月頭に出場予定のグランフォンド八ヶ岳がとても心配でありま〜す。大丈夫かな、俺。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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