ところで私の仕事場で使用しているPCには4Kのモニターが4台接続されていて、これはこれで非常に便利なのですけれども、私の目の位置から70cm〜80cm離れている事もあって、老眼鏡を掛けていると、モニター上の文字は全く読めなくなってしまいます。しかし手元のドキュメントを読もうとすると、老眼鏡は必須。つまりPCでの作業中に、頻繁に眼鏡を掛けたり外したりの繰り返しを強いられている訳であります。 先日ひょんな事から、累進多焦点レンズの存在を知るに至りました。レンズの下から上に向かって、ほぼ無段階に焦点距離が異なるように設計されたレンズの事で、昔からある遠近両用眼鏡と似たような構造ながら、レンズの下半分は30cm〜40cmの距離に焦点が合うように、上半分は70cm〜80cmの距離に焦点が合うようにしたレンズ、いわゆる「近近両用レンズ」を実現出来るのだそうです。レンズの両端の部分で見ると視界が安定しないというデメリットがあるそうですが、対象物を正面から見るように首を動かせば良いだけ。 これだ!!PC作業用眼鏡として、私にとってこれ以上の仕様のモノは存在しないでしょう。早速、近所の眼鏡市場に出掛けてみる事にしました。 スタッフの方の説明によると、いわゆる「老眼鏡的な役割の眼鏡」と呼ばれるモノには、1.昔ながらの単焦点の老眼鏡、2.ハズキルーペに代表される眼鏡型ルーペ、3.累進多焦点レンズを使った近近両用眼鏡(眼鏡市場では商品名「ストレスフリーレンズ」と呼んでいるようです)の3つがあるといいます。1.単焦点の老眼鏡は現在私が使っているモノで、30cm〜40cmの距離のモノにはバッチリとフォーカスが合いますが、それ以遠のモノはボケてしまいます。2.眼鏡型ルーペは、まさにルーペを眼鏡型にしただけのモノで、老眼鏡的な機能は一切ありませんから、これを掛けても焦点が合う訳ではありません。ルーペの機能として単に像を拡大しているに過ぎないのです。例えば新聞の活字が拡大されると、焦点が合っていなくても判読はしやすくなりますから、老眼鏡の代わりに使う人が居るというだけで、本来は老眼鏡としてではなく、持ち手不要の拡大鏡として使うべきモノだそう。 さて、対して、3.累進多焦点レンズを用いた近近両用ストレスフリーレンズは、旧来の遠近両用眼鏡のテクノロジを応用した、30cm〜40cm 及び 70cm〜80cmの距離をカバーする眼鏡で、手元の資料を見ながら、デスク奥のデスクトップPCのモニタを見る為に特化した老眼鏡。まさに私が待ち望んでいた機能そのものであります。遠近両用眼鏡の存在は知ってはいましたけれども、あくまで近視を眼鏡で矯正するユーザの為のモノだと認識してしまっておりました。私は学生時代からコンタクトレンズを使っておりましたので、遠近両用眼鏡は自分には関係のない器具であると信じていたのであります。そうか、手元用と70cm〜80cmの距離用の両用眼鏡という訳ですなぁ。 今回はフレーム、レンズ込み込みで16,500円でした。少なくともこれで職場でのPC作業は格段に楽になる筈です。 派生商品で、累進多焦点レンズを使用した中近両用眼鏡もあるそうで、手元(30cm〜40cm)に焦点を合わせつつも、レンズの上側では1m〜2mに焦点が合うように設計されていて、主にミーティングや会食等で相手の方をはっきりと見ながら、手元の資料にも焦点が合う事を目的とした眼鏡なのだそうです。例えば外来のお医者さんなどがターゲットなそうなのですが、なるほど、最近の眼鏡は用途ごとに機能を絞り込んで、使いやすくなっているのですなぁ。 さて、メガネが到着しましたよ。結論から申しますと「もっと早く作っておけば良かった」の一言。デスクトップPCに接続された4枚のモニタまでの距離は70cm〜80cm、これらのモニタと手元を同時に見る事の出来る、近近ストレスフリーレンズは非常に快適であります。対象に対して距離に左右差がある場合、見え方にムラがありますが、真正面を向けば解決しますので、これは運用の問題でしょう。近近ストレスフリーレンズ、マジお勧めですぜ。
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