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  くじ引きって本当に公平な方法だろうか  

 徒然

 内会の役員やPTAの役員を決める際、積極的な立候補等があれば別ですけれども、ほとんどの場合なり手がなくて、結局くじ引きで負けた人が役員になる、というパターンが多いようであります。

 確かにくじ引きは、当たる確率自体は公平。しかし公平なのはくじ引きをする瞬間だけでありまして、決まった結果は明らかに不平等でしょう。だって役員として労働力を提供しなければならない人と、何の仕事もしなくて良い人に分かれる訳ですから。これでは生け贄(いけにえ)をくじ引きで決めるのと同じではありませんか。よもや、生け贄に選ばれた人と生け贄から逃れた人が、結果的に平等であるなどとは考えますまい。まさに天国と地獄くらいの差がある訳です。宝くじしかりでありますけれども、くじ引きは敢えて不平等な結果を生み出す事で射倖心(しゃこうしん)(あお)る機構に他なりませんからね。

 かつて地域の消防団員を選ぶ際に、何らかの理由で消防団の活動が出来ない人は、毎月一定額の「出不足料(でぶそくりょう)」を支払うという制度が御座いました。今は廃れてしまったとは思うのですがね。いや案外まだ田舎の地域には残っているのかも知れませんな。どうなんだろ。

 消防団は仕事の最中だろうが家族で団欒(だんらん)中だろうが、強制的に召集されたり、毎晩練習に駆り出されたりといった一定の労苦を覚悟しなければなりません。消防団に入っていない人とは明らかな差がある訳ですから、この活動に参加出来ない人はこの労役を免除してもらう代わりに消防団に一定のお金を支払い、消防団に参加している人は対価としてこの出不足料から分配金を得るという仕組みで、バランスを取っていたのであります。

 出不足料を値上げすれば、その支出を嫌って手をあげる人は増えるでしょうし、出不足料を値下げすれば、お金を払う事で労苦を逃れようとする人が増えるでしょう。要は、町内会の役員やPTAの役員を決める際、この出不足料方式を採用すれば、分配金を得て役員になる人も、出不足料を払って役員を逃れる人も、それぞれが納得の上な訳ですから、ある意味最も公平な選定方法ではないかと思うのです。勿論、出不足料の相場が分かるまでは、入札方式を用いるなどの値段の調整は必須でしょうがね。

 国会議員や地方議員はしっかり給与を得ていて、その上で国民や市民の為に働きます。勿論、議員給与のその原資は住民から徴収された税金な訳ですから、いわば出不足料方式の一種とも云える筈で、町内会の役員やPTAの役員決定のプロセスにだけくじ引き方式を用いるのは、ちょっとナンセンスで非効率で不公平のような気が致します。出不足料(でぶそくりょう)方式って、中々良い方法じゃね?どこかのPTAで試してみませんか?Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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