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  ワイヤレスヘッドセットの仕様について整理してみた  

 物欲

だんだん調子が悪くなってきた
CVC8.0規格の廉価ヘッドセット

 は普段、あまり音楽を聴きません。その代わり、ポッドキャスト等のトーク番組は日常的に聴いております。、高音質を求めている訳ではなく、話が聞き取れれば良いので、必ずしも両耳で聴く必要はなく、電車に乗っている時や犬の散歩の際は、片耳用のワイヤレスヘッドセットを使用しております。

 両耳のノイズキャンセリング・イヤホンも所有しておりますが、これは(もっぱ)らトレーニングジムでトレッドミルを回しながら映画を見る際に使っております。こいつにはいわゆるアクティブ・ノイズキャンセリング機構が搭載されています。外部マイクが拾った周囲の騒音を逆位相に変換し音源からの音とミキシングする事で、強制的に環境音を打ち消す仕掛け。周りの音が聞こえないので映画に没入する事が出来る反面、ここまでノイズキャンセリングの機能が高いと、散歩等での使用は危険ですらあります。何しろ後ろから自転車が近づいてきたりしても、全くその存在に気付かない位なのですからね。

 さて、最近まで使っていたThree-T製BlueTooth片耳ヘッドセットの調子が悪くなってきてしまいました。BrueToothでスマホと無線接続してする際、頻繁にコネクトに失敗するようになってしまったのであります。毎回毎回ペアリングからやり直さなければならず、かなり面倒。購入価格1,500円でしたので十分に元は取れたと思います。メーカー保証期間を過ぎておりますし、そもそもこのお値段ですから修理などせずに、思い切って買い換える事に致しました。

Plantronics製Voyager5200
高性能ですが、1万8,000円もいたします。

 アマゾンで見てみますと、片耳用のBlueToothヘッドセットのほとんどの機種が1,500円〜3,000円というところ。その中で、Plantronics製のVoyager5200という機種が1万8,000円という突出した価格で扱われていて、目立っておりました。何と相場の6倍から12倍という高価な設定。にも関わらず口コミ評価は非常に高く、これは何かあるぞという感じであります。調べてみる価値がありそうです。

 そもそも廉価な片耳用のBlueToothヘッドセットには、CVC8.0ノイズキャンセリングとか、CVC6.0ノイズキャンセリングといった表示が踊っています。はて、ここで云うノイズキャンセリングとは何を指すのでありましょうか。

 一般的にヘッドフォンのノイズキャンセリングにはアクティブ型とパッシブ型が存在します。アクティブ型は前述のように外部マイクが拾った周囲の騒音を逆位相に変換し音源からの音とミキシングする事で、強制的に環境音を低減させる仕掛け。パッシブ型とは、耳との密閉性を上げるなどして環境音自体が耳に入りにくいようにする仕掛け。いずれにしても「聴く」際のノイズキャンセリングの規格であります。

 これらに対してCVC6.0とかCVC8.0という規格は、マイクから拾った音の中から環境音と喋った音を分けて、環境音だけを低減させようという仕掛けの事のようであります。ノイズキャンセリングというと「聴く」音質の向上を想像しがちでありますが、CVC規格は、マイクで拾った音を通話相手が聴きやすくなるよう変換する規格の事だったんですね。中国製の製品に多いのですが、「CVC8.0ノイズキャンセリング搭載で圧倒的高音質で音楽が楽しめる」なんて書かれている商品もあります。消費者の誤解を、敢えて誘発するような書き方は、どうかと思いますな。

 CVC規格について更に調べてみますと、マイクロフォン1つで拾った音声を、純粋にソフトウエア的な処理だけで加工する規格である事が判明しました。こりゃただのイコライザに過ぎないではありませんか。今までヘッドセットを使った通話で「ちょっと聞き取りにくいんですが」と云われる事もしばしばだったのですが、これで合点がいきましたよ。特定の周波数の音を低減したり、逆に特定の周波数の音を増幅したりしているだけでしょうから、例えば人間が喋る音程に近い音で風が吹いているような環境では、風切り音が逆に増幅されてしまうなんて事が起こるのも、容易に想像出来ましょう。

 ほとんどのスマートフォンには複数のマイクが実装されています。人間の口に一番近いメインマイクから拾った音に対し、一番離れたマイクで拾った音から位相を半波長ずらした音を作った上でミキシングし、環境音を消しているのです。こうした仕掛けは、物理的にマイクが複数個存在するから実装可能な訳で、マイクが1つしかないCVC規格に完璧なノイズキャンセリングの実現など望むべくもありません。

 Plantronics製Voyager5200には、メインマイクの他に3つものマイクが搭載されており、これらを使って逆位相音を構成し、送信データ(話す音データ)にアクティブ・ノイズリダクションを掛けています。小手先のソフトウエア処理に過ぎないCVC規格とは比べものになりません。道理で高価な割にユーザの評価が高い筈であります。

 という訳で、Plantronics製Voyager5200を、誕生日プレゼントとしてかみさんが買ってくれる事になりました。NFC:Near Field Communication(近距離非接触通信規格)を使った、かざすだけのペアリング機能を有し、専用のアプリを用いて各種設定を変更する事も出来ます。さすが、最上位機種!有り難う Kaz ちゃん。大切に使いま〜す。

 って、あれ?先週まで「物欲がなくなってきたんじゃね」的なお話をさせて頂いていた筈なのに、いつの間にか物欲が復活してるじゃん!Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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