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  安全の為にホイッスルを持とう  

 徒然

モンベルのアルミホイッスルを
鍵とともに常に携帯しております。

 和59年(1984年)高校を卒業後、長野県松本市に下宿をし、私の大学生活が始まりました。私自身は山岳部やワンダーフォーゲル部に所属した事はありませんでしたけれども、山に近い場所の大学だけあって山関連の部や同好会に属している同級生や先輩も多く、彼らから多大な影響を受けたのでありました。

 山の装備は総じて高価です。軽くコンパクトでありながら強靱でなければなりませんからね。近年のキャンプブームでもその傾向は基本的に変わりはありません。山岳地とキャンプ場内は根本的に異なるとは云え、同じアウトドアという(くく)りからか、人々はよりヘビィデューティーなモノを求めるようであります。

買った時は
こんなに綺麗な緑色だったのですね

 私は、キャンプに出掛ける際に必要最低限のモノしか持って行きません。そもそも車でキャンプに行く事はほとんどなく、小さなスクータに積めるだけの荷物を持って行くのみ。最近、ナイフや鉈では飽きたらず、大きな斧や、薪割り台として直径30cm厚さ20cm程の丸太(切り株)まで持ってきている方をお見掛けします。ワイルドだなぁとは思いますが、あそこまでの荷物を持ち込むためには、自動車は必須でありますし、荷物が多くなり過ぎちゃうんじゃないかなぁ。

 キャンプ道具は黙っていても増える傾向にあります。既に持っているにもかかわらず、新型のモノはより軽くより便利に、そしてよりコンパクトに出来ていますからなぁ。このようにして、自室の棚にランタンやバーナーがいくつも存在する事になるのでありました。ところが意外にも、命を守るちょっとした装備が、実は忘れられがちだったりするのであります。

 大学時代に山屋(山岳部の人は「山屋」と呼ばれておりました)の先輩に(げん)に繰り返されたのは、いかなる場面においても笛を携帯せよ、という御託宣(ごたくせん)でありました。熊やイノシシが出た場合、仲間とはぐれた場合、登山道から滑落してしまった場合、濃霧で視界が効かない場合、怪我等で動けなくなった場合、大声を張り上げたとしてもその到達距離はたかが知れています。笛には絶対にかないませんからね。

 笛が必要となるような危険な状況は、山などのアウトドアフィールド以外にも潜んでおりましょう。地震で建物が倒壊した時などにも役に立つに違いありません。

 私は先輩の言葉をいまだに守り続け、外出時には常にモンベル製のアルミ・ホイッスルを携帯しています。元々はきれいなグリーンでありましたが、長年の摩擦で色が剥げ、今ではほとんど銀色になってしまいました。しかし、音を出す機能は健在であります。

 幸いこの笛に命を救われた事は今まで一度もありませんけれども、今後もずっと携帯し続けようと思います。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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