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  加水分解との戦い  

 

PMC製タックロールシート
for KAWASAKI ZRX1100

 の所有するKAWASAKI製のオートバイZRX1100号は、購入から約20年経過しておりますが、定期的なメンテナンスのお陰で、現在でもバッチリ現役であります。

 オートバイには意外に多くのゴムやプラスティックの部品が使われています。例えばフロントフォーク。こうしたオイルダンパーを備えた稼働部には、シール用のゴム製パッキンが用いられていて、定期的に新品に交換しないと、劣化によるオイル漏れが発生する事になってしまいます。

 20年の内に何度となくこうした消耗部品を交換して参りました。ところが一度もリプレースする事無く、現在に至る大物部品が存在します。それはシートであります。

 シートは、ABS樹脂製のベースにウレタンフォームを接着固定し、それに合成皮革製のスキンが張られている構造。今回、洗車をしている時に、シート後部に小さなほつれを発見してしまったのでありました。引っ掻き傷などの外力に依るものではなく、合成皮革の縫い目が経年変化で(もろ)くなってきた感じ。当面、これ以上(ほころ)びが広がらないように、ゼリー状瞬間接着剤で固めておいたのであります。

 接着剤を盛って、裂け目がくっつくように30分間ほど固定しておいたら、なんと!この固定の張力に耐えられずに別のところが(ほころ)び始めているではありませんか!!シートの加水分解が、思いの外進んでしまっているようであります。

 今回のトラブルは合成皮革性のスキンの縫い目ですが、購入から20年経過している事を(かんが)みますと、中のウレタンフォームの劣化やABS樹脂製のシートベースの劣化も、深刻な状態である事は想像に難くありません。スキンだけを新しいモノに代えるいう選択もある事はあるのですけれど、立体裁断されていない汎用の合成皮革を張るのは、技術的に至難。私は以前にリビングの椅子の皮を張り替えた事がありますが、オートバイのシートはこうした普通の椅子に比べて形状が複雑ですから、(しわ)は避けられないでしょう。かと云って、型紙を起こしてミシンで立体的に縫い合わせる技術なんてありませんし・・・。

 結局は新品を購入した方が早くて確実そうです。ところが既にZRX1100のシートは、メーカー在庫切れの状態。純正品を購入しようとしても、後継機種であるZRX1200DAEGの純正品を流用するしかありません。KAWASAKIの説明では、一応互換性はあるそうなのですが、表皮等は多少の仕様変更が入っているようです。色々考えて今回はPMCのタックロールタイプのシートを購入する事にしました。純正品の約半額、税込18,500円というリーズナブルな価格も魅力です。座面形状が変更されていて、25mm程ローダウン仕様になっているようであります。どうせ買うなら、乗り味の変わらない純正品でなく、テイストの異なる社外品を試してみたいというモノ。

 社外品の新品シートを得て、我がZRX1100号の寿命も延びました。生産から20年が経過し、純正部品の確保が難しくなりつつある状態の今、社外品が購入出来る期間だって限られているでしょう。早め早めに部品を確保したり、汎用品に交換したりして、自衛していくしかなさそうでありますが、こうした行動も、オートバイを所有する楽しみの一つであったり致します。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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