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  オリンピックの精神  

 徒然

 1ヶ月後に迫った平昌(ピョンチャン)オリンピックでありますが、北朝鮮に非常に近い場所での開催に、セキュリティ的な懸念を抱いている国も多いと聞きます。

 五輪開催中の北朝鮮からの軍事攻撃の可能性を下げる為にも、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は、北朝鮮選手団の平昌オリンピックへの出場をすすめたい意向のようですが、北朝鮮側から折れてくるのならともかく、韓国側が態度を軟化するのは、世界の国々が協力して制裁を加えようという国連決議にも反しましょう。北朝鮮の五輪参加について板門店(パンムンジョム)で打ち合わせするとの事ですけれども、この会議自体が、そもそも一切の政治的利用を認めないとするオリンピックの精神に抵触する行為であります。

 折角のお祭りに水をさされたような気持ちです。組織的なドーピング問題で、ロシアが国としての参加を拒否され、ドーピングに荷担していない選手が「ロシア出身の選手団」としてあくまでも個人参加するのに対し、北朝鮮の国としての参加を認めるのもおかしな話でしょう。北朝鮮という国に対しては国連決議に従って強硬姿勢を貫きつつも、「北朝鮮出身の選手団」を受け入れれば、十分に人道的な対応であると思うのです。

 北朝鮮は不法で暴力的な威嚇・恫喝を繰り返し、近隣諸国の安全を脅かそうとしているのです。そういった理由を受けて、国連決議もされた筈。きちんと拒否の姿勢を貫くべきですし、もしその事が軍事的な緊張を高めるのであれば、セキュリティの観点から平昌オリンピック自体を中止すべきでしょう。

 YasZoneでは、今まで敢えて政治的な話題を取り上げないようにして参りました。元々が、私の個人的な遊びの話題を取り扱う事を目的としたサイトだからです。しかしいわば究極の「遊び」である筈のオリンピックを政治利用しようとする行為は、どうしても許す事が出来ません。

 私には韓国人の友人が何人も居ます。彼ら一人一人はジェントルマンであるのに、全体の民意となると何故このような方向に向いてしまうのか不思議でなりません。国のリーダーが、国家間の合意事項を簡単に反故(ほご)にしたりすれば、その姿は「国際的な恥ずかしい行為」として国民から糾弾されるのが普通でありましょう。

 予算とか威信とか、様々な要因があるにしても、ケチの付いてしまったお祭りを、思い切って中止にする勇気を持ちたいものであります。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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