|
回向柱です。
紐でご本尊と繋がっています。 |
週の土曜日(5月30日)に長野の善光寺に行って参りました。ご存じの方も多いかと思いますけれども、数え年で7年に一度(普通に数えると6年に一度)、善光寺では御開帳が実施されます。本殿の前に立てられた回向柱とご本尊の御分身仏である前立本尊とが紐で結ばれ、回向柱に触る事で、紐を通じてご本尊に直接触れるのと同じ御利益を得られるのだそうであります。
4月の末から始まった御開帳も、5月31日(日)の結願大法要をもってお仕舞いとの事。終了前日に滑り込みで何とか間に合った形です。善光寺の御開帳に訪れるのはこれで2度目。6年前の御開帳と2回連続で参拝しております。思い起こせば前回も今回と同様、かみさんのお袋さんと一緒に来たのでありました。
善光寺の御開帳へ行くのは、お袋さんのかねてからの念願でありました。前回の時とは異なり、今回お袋さんは車椅子に乗っての参拝であります。
それにしましても、5月の長野で気温が30度を越えるとは、異常気象と呼んで差し支えありますまい。車椅子はただでさえ車高が低く、地面の照り返しの影響をもろに受けてしまいます。背もたれや座面にも熱が籠もりがち。日陰を選びつつ、参道を休み々々進みます。途中、お袋さんの好物のチョコのソフトクリームで体を冷やしつつ、ウィダーインゼリーで電解質と水分を補給。ここまでの暑さだと熱中症が怖いですからなぁ。
回向柱に触る為の行列は通常の参拝者の列とは別で、実に2時間以上待ちとの事。この炎天下で2時間も並んだら体調を崩してしまうのは確実でありましょう。そこで回向柱は横から拝むだけにして、本堂にお参りする事にしました。警備の方の案内で、正面の階段からではなく東側に造り付けられた車椅子専用のスロープを使って横から本堂に入ると、暑い外とは全くの別世界。涼しい風が吹き抜けています。
無事お参りを済ませ、お守りを購入して善光寺を後にします。お袋さんもかねてからの念願が叶い、大満足の様子。行きは専用駐車場に車を停め、そこからシャトルバスを使いましたが、帰りは本堂脇で客待ちしていたタクシーで駐車場に戻る事にします。こういう混んでいる時は、タクシーやバスを利用した、いわゆるパーク&ライドが便利ですな。
|
善光寺の本堂は
多くの人で一杯でした。 |
6年前は日帰りの強行軍でしたけれども、今回はお袋さんの体力を考えて、長野からほど近い戸倉上山田温泉に一泊します。更埴ICを降りて車で30分程。予約していた清風園にチェックインしました。老舗の温泉旅館ですけれども、建物は現代風にリニューアルされていて、完全なバリアフリー。トイレもお風呂も食堂も客室も、全て車椅子でスムーズに入れます。特にお風呂は貸し切りの家族風呂がありますから、お袋さんもかみさんと一緒に、気兼ねなくお湯を堪能出来るって寸法です。部屋は和室の他にベッドルームのついた和洋室タイプ。大きな窓からは千曲川が一望出来ます。
夕飯は会席料理を堪能。お袋さんにはちょっと量が多かったかも知れません。私もかみさんも十分満腹になりましたからね。朝食はよくあるバイキング形式でしたが、ご飯や味噌汁や漬け物といった、朝食の基本的なモノが尽く美味しいのが、好印象でした。
朝、出立前にロビーに併設された売店で、お土産を物色します。昨日は暑くて暑くて、お土産どころではありませんでしたからなぁ。こういう涼しいところでゆっくり買い物した方が、落ち着いて選ぶ事が出来るというものであります。
今回一番心配だったのはお袋さんの体調でありましたが、食欲も大いにあり水分もしっかり取れていて、旅行中は特にトラブル無く過ごせてホッと一安心というところ。私も車椅子の扱いにだいぶ慣れる事が出来ました。ま、私は柔道部出身で背筋力は十二分にありますから、車への乗り降り等は、お姫様抱っこで楽々なのですがね。
車椅子という事でちょっと心配していた部分もありましたけれども、もう大丈夫。かなり自信がつきましたよ。これからもかみさんと一緒に、ちょくちょくお袋さんを連れ出そうと考えているのでありました。
【つづく】
「あれこれ」の目次に戻る