日、ロシアに落ちた隕石についてのテレビ番組を観ていたところ、かなりたくさんの投稿動画が寄せられていて、そのほとんどが、防犯用の定点カメラ画像か、車に搭載されたドライブレコーダの画像との事でした。私は常にスマートフォンを携帯しておりますから、理論的にはいつでも動画撮影が可能な訳ですけれども、実際にこうしたアクシデントに遭遇した際に落ち着いてきっちり撮影出来るかと問われれば、かなり難しいと云わざるを得ません。こうした突発的な事件・事故の撮影において、常時撮影に勝る方法は存在しないでしょう。
それにしてもロシアでは、何故かくも多くの車にドライブレコーダが搭載されているのでしょうか。少なくとも私の周りでは、自分の車にドライブレコーダを導入している方は皆無であります。番組のナレーションによりますと、ロシア国内では降雪時の交通事故が非常に多く、こうした事故の際の身の潔白を証明する為に、ドライブレコーダの導入は一般的な事なのだそう。自動車保険も、ドライブレコーダが搭載されていると保険料を割引するものもあるとの事で、彼の国でのドライブレコーダの普及度は、意外な程高いようなのであります。
ドライブレコーダが出たばかりの頃、機械本体も非常に高価でしたし、画質も悪く、しかも搭載されているメモリが少なくて録画時間は15秒程度しかありませんでした。かつてのドライブレコーダは直近15秒間の録画を残しつつ上書きを続ける方式で、搭載されている加速度センサが大きな加速度すなわち衝突を関知すると、録画を停止するという仕組みでありました。つまり、ぶつかる直前の15秒間を残す事しか出来なかったのであります。
運が良ければ決定的な場面を撮影する事が出来るでしょうけれども、何しろバッファはたったの15秒しか無いのですから、衝撃を関知出来なければ、件の場面は簡単に上書きされてしまいます。接触程度の軽い事故の際は、ドライブレコーダ本体を手で叩いて衝撃を与える事で録画を停止させねばならない旨、説明書に明記されていたといいます。とっさの際にそんな事が出来よう筈もなく、やはり当初の基本設計は、あくまでも大事故だけをターゲットにしていたに相違ありません。
ロシアの隕石の番組を観たのをきっかけに、ドライブレコーダについてちょっと調べてみました。最新の機種ではGPS機能を搭載していて、事故の瞬間、何時何分にどの道をどの位の速度で走行していたかまで記録する機能を備えているではありませんか。録画時間も昔とは比較にならないほど長時間化しています。勿論、こうした高機能機種のお値段はそれなりで、安くても3万円以上。う〜む、自己保全の為にドライブレコーダの導入は考えたいが、3万円はチトお高価い。
そこで一世代前の機種を探してみる事にしました。エンジンスタートで自動で立ち上がり、エンジン停止で自動停止する、GPSも加速度センサも搭載していない、動画を録画するだけの最低限の機能のみを備える機種だと、国産のメーカ品でも10,000円以内で購入出来る事が判明。早速、ユピテル製ドライブレコーダ
DRY-mini1 をネットで注文致しましたよ。カタログには、DVD画質と同等の720P(1,280×720)で録画しても付属の4GBのマイクロSDカードに約30分間もの録画が可能と謳われています。
電源はシガーライタソケットから取る仕様となっておりました。折角の電源ソケットを潰してしまうのも勿体無いですし、そもそも配線が見えてしまうのでは私の美学に反します。そこでACC電源にヒューズを介して直接接続する事にしました。配線は、VOXY号のインパネを外してインパネ裏から運転席側のピラー裏を通すように工事。本体カメラの設置は、セオリー通りルームミラー裏の助手席側としました。ここなら運転席からは死角になりますから、視界を妨げる心配が全くありません。しかも比較的高い位置からの撮影となりますので、視野角も広く取れます。エアバッグの動作も妨げませんしね。
実はこうした電子機器は、ある程度の漏れ電波があるのは仕方がない事なのですが、少なくともカーナビのGPS受信やETCの交信に影響がないように、これらの機器のアンテナから離れた場所に設置しないといけないのであります。こうした条件をすべてクリアする場所が、ルームミラー裏の助手席側だったという訳です。
設置工事後に中央道を試験走行して、ETCやGPSやAM/FMラジオやワンセグTVとの干渉も無く、きちんと動画も録画出来ている事を確認しました。あ、そうそう、付属の4GBのメモリでも十分な容量かと思いましたけれども、ちょうど32GBのマイクロSDカードが余っていましたので、これに換装。これで高画質モードで4時間もの録画が可能になりました。直近の4時間分を残して、データを順次上書きしていく方式です。事故の記録用としては、十分過ぎるスペックでありましょう。
ドライブレコーダを導入したからと云って、特に何が変わる訳でもありません。しかし保険的な考えに基づけば、1万円足らずの出費で事故の際の証拠保全が出来るというのは、大いなるメリットである事に間違いありますまい。いや、それだけではなく、もっと能動的な効果も期待出来ようというもの。自分の運転が四六時中録画されていると考えるだけで、自然と無理な運転をしなくなるものでありますからな。心理的ブレーキ効果も期待出来るという訳であります。今回は、コストパフォーマンスの高い設備導入が出来て、中々満足なのでありました。
【つづく】
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