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  二段階右折の意味  

 徒然

二段階右折の仕方

 程久保基地(自宅)と万願寺基地(仕事場)の往復には(もっぱ)らスクータを使っております。まさに下駄代わり。近所のちょっとした外出など、大層便利なのでありますよ。あまりスピードは出ませんし高速道路にも入れませんから、長距離ツーリングには当然ですがあまり向きません。ま、その点については、うちにはZRX1100号がありますからね。小型オートバイと大型オートバイで、きちんと機能の棲み分けがなされている訳であります。

 R20甲州街道日野バイパスを東に向かい、スーパーいなげやの交差点を多摩モノレール沿いに右折しようと信号待ちをしていた時の事であります。この交差点、右折専用の矢印信号が設置されておりまして、いわゆる普通の青信号は存在致しません。左折・直進の矢印信号点灯中は右折禁止です。片側3車線以上の大きな交差点によくある、左折・直進と、右折とを分離した形式なのであります。

 正面の信号は左折・直進の矢印表示。勿論、対向車線も同じです。右折する心算(つもり)の私は、中央車線(右折専用レーン)の停止線で右にウィンカーを出しながら停まっておりました。すると前方から真ん中の車線を走ってきたパトカーが、慌てて無理な車線変更をし左折しようとしているではありませんか。不自然な動きであります。しかも左折してすぐに停車したかと思うと、助手席から降りたお巡りさんがパトカーの影に立ち、赤色点滅バーを手に私をじっと見ています。はは〜ん。スクータに乗っている私を、二段階右折違反で捕まえる気なのですな。

 ご存じの通り、片側3車線以上の交差点での右折時、原付は中央車線に出ての右折は禁止されています。最左車線を「右」ウィンカーを出しながら進んで「左」に寄り、交差する道路の信号待ちの列の先頭につく、いわゆる二段階右折しなければならないのであります。

 ところがどっこい、私のスクータは小さく見えてコレでも排気量は100cc。原付ではなく自動二輪車なのでありますよ。ナンバープレートも原付用の白色ではなく、ピンク色であります。車体の大きさは原付と変わらない癖に、運転には普通自動二輪免許が必要です。原付免許だけでは無免許運転になってしまうのです。運転方法も車格も同じなのに変な話ではありますが、法律なんてそんなものでしょう。ま、私の場合、大型自動二輪免許を持っておりますので、二輪車については排気量に関係無く何でも運転出来るのですが。

 自動二輪車は、原付と違って二段階右折の必要はありません。同様に法定速度30Km/hの縛りもありませんので、道路における両者の振る舞いは大きく異なります。ところが二輪車のナンバープレートは車体後方にしか付いていないので、対向を走ってきた(くだん)のパトカーは、私のスクータがピンク色のナンバーを持つ自動二輪車である事を確認出来ず、車格だけを見て原付を運転していると判断したのでしょう。

 信号が変わり、右折の矢印信号に従い交差点を右折しますと、案の定、先ほどのお巡りさんが赤色点滅バーを嬉しそうに振り回しながら、ピピピ〜ッと笛を吹いて私を停めました。

「は〜い、何で停められたか分かりますか〜?」
「もしかして二段階右折ですか?」
「そうで〜す。違反で〜す。はい、免許証出して」
「あの〜、これ原付じゃなくて自動二輪なんですけど」
「ありゃ。ちっちゃいねコレ。原付と間違えました〜。停めちゃってゴメンなさ〜い」
「いえいえ、それでは〜」

 私のスクータには、ラインナップとして50ccバージョンと100ccバージョンが存在していて、どちらも共通のフレームが用いられています。違いはエンジンだけ。エンジンはFRP製のカバーの内側に隠れていて直接は見えませんから、流石(さすが)のお巡りさんも前から見ただけでは原付か自動二輪かの判別は難しいでしょう。故にこうした停められ方をするのは、割といつもの事。違反ではありませんからすぐに放免されますし、停止を命ずる事自体を責める心算はありません。

 本当の問題は、二段階右折という制度そのものにあると思うのです。先にもお話しした通り、最左車線を「右」ウィンカーを出しながら「左」に寄るのが二段階右折の流儀。つまり、ウィンカーとは逆方向に動く事になる訳でありまして、これが滅茶苦茶危ないのですな。考えてもみて下さい。前走車が右にウィンカーを出したら、当然右に車線変更すると考えるでしょう。特にそれが遅いスクータであった場合、そのまま加速して左側を抜こうとするのは普通の行為であります。にもかかわらず突然「左」に寄ってくるのですよ!私自身、何度ドキッとさせられた事か!!

 百歩譲って、全ての二輪車に二段階右折が義務付けられているのであれば、慣れる事も可能かも知れません。しかし自動二輪車と原付では振る舞いが変わるのです。自動二輪車は「右」にウィンカーを出した場合、必ず「右」に車線変更します。原付と小型自動二輪の違いは、車格だけでは判断が難しい事もしばしばで、ナンバープレートの確認が必要。現にプロフェッショナルであるお巡りさんにしても、見間違える位ですからネ。

 更に、原付が最左車線で「右」ウィンカーを出したからと云って、必ず二段階右折する訳では無い事にも注意が必要です。片側三車線の道路で最左車線が左折専用レーンとなっている場合、原付が交差点を直進する為には、最左車線から「右」にウィンカーを出し、「右」に車線変更して直進レーンに入らねばならないのですから。

 つまり、原付が最左レーンを走行中に出す「右」ウィンカーは、左に動く場合も右に動く場合も両方のパターンがあり、結局どちらに動くか分からないという事になります。こりゃ、はっきり云って危険以外の何者でもありません。

 そもそも二段階右折は、非力な原付が中央車線に出るのは危険が伴うから、というのが導入の理由だそう。あのですね、普通考えて「右」ウィンカーを出しながら「左」に寄るなんて変なルールを作る前に、原付の性能を上げ30Km/hの縛りを外す事で、安全に中央車線に寄れるようにする方が自然であるのは自明の理でありましょう。そもそも、原付の30Km/h制限が決められた当時に比べ、内燃機関のテクノロジは格段に向上している訳でありまして、原付を30Km/hに縛る理由はもはや存在しないと思うのです。

 「右」にウィンカーを出して「左」に寄る原付がいる中これを左から抜かそうと考えヒヤリとする車が存在する一方、車道を逆走してくる自転車が無くならないとすれば、これはもう事故は必然と申せましょう。

 原付の二段階右折及び30Km/h縛りの撤廃と、自転車による車道逆走の厳罰化を同時に推進すべきであると考える次第。おそらく、現場のお巡りさんが一番この二段階右折のヤバさに気付いていると思うのですがね。も〜、早く何とかしてよ、偉いヒト!Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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