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  鉛筆への回帰  

 物欲

北星鉛筆製「大人の鉛筆」

 昔から、シャープペンシルはどうしても好きになれませんでした。筆圧が高いせいでしょう、書いていて頻繁に芯が折れてしまうのであります。折れにくい堅めの芯を用いると、今度は嫌なキシキシ音が気になってしまいます。そんな事もあり、学生時代はほとんどシャープペンシルは用いず、一貫して鉛筆派で御座いました。

 鉛筆はシャープペンシルよりも丈夫なのは良い反面、削るのが面倒です。更に、キャップをしないと、筆箱の中で極端に折れやすくなると同時に、筆箱が汚れてしまうという難点を持っています。

 ちょうど私が社会人になった頃、ワープロやパソコンの普及に伴い手書きで清書する機会が激減し、手書きはメモを取る程度の事に限定されてきました。あくまでもメモですから二重線で消せば十分で、消しゴムで消せる必要はありません。こうして鉛筆はその存在価値を急速に失っていきました。思い返してみますと、社会人になってからほとんどボールペンしか使わなくなったのも、いわば必然と云えるかも知れません。

 気付けば、鉛筆を使わなくなって20年以上が経過しておりました。もう積極的に鉛筆を使う事などあるまいと思っていたのですが、ふとしたきっかけで、北星(きたぼし)鉛筆株式会社製「大人の鉛筆」に出会ったのは、ごく最近の事であります。鉛筆と同じ太さの丈夫な芯を用いていながらノック式である点、キャップを使わなくても芯を引っ込める事で筆箱内での芯折れや汚れを防止出来る点、鉛筆と違って削ってもペン自身は短くならず重量バランスが崩れない点など、良い事ずくめの筆記用具であります。

 こうした筆記具は、製図用品としては昔から存在しておりました。確かステッドラー辺りが出していたんじゃないかなぁ。「製図用芯フォルダー」と呼ばれていたと記憶しています。本体が金属で出来ていて重く、鉛筆とはかなりバランスが異なる点に、文字を書く際の違和感を感じざるを得ませんでした。おそらくは文字を書く事を想定しておらず、線を引く機能だけに特化していたのが原因でしょう。その点「大人の鉛筆」は木製ですから、持った感じはまさしく鉛筆のそれなのであります。

 板バネを4枚利用した芯削り機も中々良く出来ています。クルクルするだけで簡単に芯を尖らせる事が可能。いやはや流石、2011年の日本文具大賞受賞製品なだけありますなぁ。

 鉛筆のような基本的な筆記用具に、この様な劇的な進化・改良の余地が残っていたとは、ちょっとした驚きです。みなさまも是非一度、お試し下さ〜い。目から鱗とはこの事で御座いますぞ。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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