当初はピンクちゃんで出掛ける
浅川サイクリングロードで高尾まで行き、ここからは淡々とR20甲州街道を西進します。大垂水峠を越えて相模湖に下りますが、何故か今朝に限って1台も自転車を見掛けません。本日の予報は晴れ。甲府の予想最高気温は39度であります。こんな暑い日に自転車で出掛けようって物好きは、きっと少ないのでありましょうなぁ。
さて、ピンクちゃんであれば迷わず笹子トンネルに入る場面でありましょう。このトンネル、甲府盆地に向けてやや下り勾配となっておりまして、中は勿論無風ですから、ロードバイクならば私のような貧脚な者でも何とか40Km/hで巡航する事が出来ます。逆に申しますと路肩の狭いこのトンネルを40Km/h未満で走行する事は、一般の車に対して相当な迷惑を振りまく事になってしまいます。小径車のチビ号での高速巡航は物理的にかなり厳しい・・・。距離は長いし登りはキツいが旧道の峠の方が安全な事は確実です。ところが旧道笹子峠方面・工事中全面通行止との表示が出ているではありませんか。う〜ん、やっぱり命懸けでトンネルに入るしかないか、と旧道との分岐で迷っておりますと工事のおじさんが「旧道は全面通行止だけど自転車なら楽勝でイケルよ」と教えてくれました。ま、急ぐ旅でもなし、登りはキツいですけれども安全な旧道を進む事に致しましたよ。通行止とは云え、工事関係者本人が大丈夫というのですから、きっと大丈夫なのでしょう。
やはり旧道を選んで正解でした〜。林の中を 矢立ての杉を過ぎて程なく、笹子峠頂上の旧笹子隧道に到着しました。標高は約1000m。ここまで登るとかなりの涼しさです。照明の全く無い狭いトンネルを恐る々々進み、向こう側に抜けたところで道路は全面通行止となっていますが、麓の工事のおじさんにお墨付きを頂いておりますので、柵を越えて甲斐大和に向かって下っていきます。
快適に下っておりますと、何と!!道が谷側に崩落しており、完全に途切れているではありませんか!!。何だよ〜、自転車なら楽勝って云ってたのに〜。現場には3名程の人が居て作業中の様子。一見渡れそうもありませんでしたが、声を掛けてみると、山側なら何とか通れるだろうとの事であります。そう云えばよく見ると、30cm程の幅で辛うじてコンクリートが残っており、そこにブルーシートが掛けられています。皆様にお知らせ致します。現在、旧道笹子峠は全面通行止であります。麓の工事のおじさんが自転車なら楽勝と
ヒヤヒヤモノで何とか工事区間をクリア。危ないところでした〜。それにしても下るにつれてドンドン気温が上がって参ります。ちょっと異常な位。 甲府バイパスは照り返しが強過ぎるので、笛吹川の北側の道を進みます。山梨学院大学を過ぎたところを右折。甲斐善光寺に寄り道です。ここ甲斐善光寺は、戦国時代に長野の善光寺が焼け落ちた場合に備えて建立されたお寺であります。いわば、プライマリに対してのセカンダリ。長野の善光寺に比べてこぢんまりとしておりますが、割と立派な風格であります。長野の様に参道に店が建ち並ぶ、いわゆる門前市がありませんから、ちょっと寂しい感じはしますがね。 さ〜て、お参りも済ませましたし、後は宿へ移動するだけです。夕方というのに一向に涼しくならない甲府盆地の底を這いつくばるように、R52を南下。南アルプス市に向かいます。昔の
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身延山 総門。 ここからが久遠寺の境内となります。 |
旅先で頂く朝飯って、なんであんなに美味しいんでしょうねぇ。朝6時半から朝食バイキングをバリバリ頂いて、元気良く出発であります。
R52を南下していきます。この道路、車で通る分には走りやすいんでしょうけれども、はっきり申し上げまして自転車ではあまり面白い道ではありません。富士川沿いと云いながら、河岸段丘の上の段に出たり下の段に降りたりと、結構なアップダウンが有る上に、慢性的な向かい風。遮蔽物の無い、だだっ広いアスファルトの照り返しは強烈で、まるで苦行であります。特に今回はロードバイクではなく小径車のチビ号で来ている事もあって、ちっとも進みません。
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久遠寺 三門。 「空」「無相」「無願」の三解脱を表しています。 |
総門をくぐるとそこは久遠寺の境内。ダラダラとした登りは意外に脚に来ます。参道両側にお店が並んでいるのを眺めながらトコトコと登って行きます。ここは
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身久遠寺 本堂。 荘厳な建物です。中に上がる事が出来ます。 |
しばらく登ると三門に着きました。何て立派な門でしょう!圧倒されるような迫力。「空」「無相」「無願」の三つの
宿坊群を左手に見ながら、急坂をヨタヨタと登ります。立ち漕ぎの出来ないチビ号は、急坂が苦手なのであります。何とか足を着かずに上の駐車場に到着。チビ号をここに停め、本堂までの100m程を歩いて登ります。日蓮宗の総本山だけあって、本堂はそりゃもう立派の一言。靴を脱いで上にあがると、風が吹き抜けて、エアコンも無いのにス〜っと汗が引いていきます。
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287段の石段、菩提梯 |
三門から見た菩提梯を、今度は上から見下ろしてみます。ひぇ〜。スゴい急角度の階段です。この菩提梯は南無妙法蓮華経の7文字に合わせて7つの部分に分割されているそう。鎌倉時代に日連上人が開いた身延山は、信仰の地。特定の宗教・信仰を持たない私のような者でも、その荘厳さと
門前まで戻り、仏具屋さんでお線香を購入します。今日は沼津の
車通りの多いR52に嫌気がさし、富士川の対岸に出て、県道10号で川沿いを南下します。R52に比べ格段に交通量が少なく、自転車にとっては快適な道であります。当初予定していた東海道
沼津の妙覚寺は井上靖のあすなろ物語の舞台となったお寺。作家の井上靖先生は、私の高校の柔道部の大先輩に当たる方でありまして、実際に旧制中学時代、妙覚寺に下宿していたそう。そこが私の実家の菩提寺とは、縁とは何とも不思議なものであります。
三島駅前のホテルアルファワンに到着する寸前、雨が降り出しました。ふ〜、ギリギリ濡れないで済みましたよ。走行距離は125Km。この日もビール1本で失神したのでありました〜。我ながら安上がりですなぁ。
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夏の真昼間だと云うのに 大観山の気温は25度! エアコンの効いた部屋みたい。快適です。 |
前夜は9時前に寝た事もあって、爽快な目覚め。相変わらず朝食バイキングをモリモリ頂き、いざ出発であります。それにしてもダイエットはどこへ行ったのやら。
三嶋大社の前はお祭りの準備の為に人がたくさん出ています。そう云えば三島のお祭りは毎年お盆に合わせてするのでしたね。準備を始めている人々を横目に見ながら、トコトコと箱根を目指します。国道1号は傾斜はさほどではないものの、約17Kmダラダラと登り続ける道。日陰の無いかんかん照りの道は、結構、過酷であります。小径車のチビ号はバランスが悪く立ち漕ぎがほとんど出来ませんので、時速10Kmちょっとでシッティングのままトコトコと登っていきます。
キヤノンデールの3人組に3度抜かされ3度抜き返しました。勢いは良いのですが結構頻繁に休むこの3人組に対し、私はトコトコと、しかし休み無く登る作戦で臨みました。ウサギとカメの話じゃありませんが、結局トコトコ走法の勝ちであります。
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大観山ビューラウンジにて |
県境の箱根峠からは、一旦、芦ノ湖畔まで下ります。箱根駅伝のゴール地点で一休みしようとすると、以前あったシュミットハウスという名のレストランが、駅伝カフェに代わっていました。自動販売機で買ったアクエリアスでボトルを満たし、ここから箱根大観山に登ります。車ならば箱根峠からターンパイクでトラバースする事が出来るのですが、ターンパイクは自動車専用道路。自転車は通る事が禁止されていて、一旦湖畔まで下ってから登り返すしかありません。
大観山はオートバイツーリングのメッカです。この日もたくさんのオートバイを見ました。ビュンビュン
大観山ビューラウンジで一休みした後、県道75号、通称、椿ラインを下ります。
奥湯河原の温泉街から更に下り、湯河原の日帰り温泉施設、こごめの湯に立ち寄ります。熱くもなくヌルくもない適温の湯に浸かり、汗を流します。何しろ今日は朝から登りっぱなしでしたからねぇ。湯の中で脚をマッサージすると、凝り固まった筋肉がほぐれていくのが分かります。
湯河原からJR東海道線で小田原に出て、小田原からは小田急ロマンスカーで帰ります。ロマンスカーの中で飲んだビールの美味さと云ったら!!まさに至福の味!!こいつがあるからサイクリングはヤメられないんだなぁ。
2泊3日300Kmのサイクリング。お陰様で無事完走する事が出来ました。チビ号は足が遅く登りも苦手ですから、結構苦労した区間もありましたけれども、最後は伝家の宝刀、輪行も使えましたし、たっぷり楽しめました。比較的こまめに休憩を取りつつ、積極的に水分と電解質の補給をする事で、酷暑にも体調を崩す事無く走り切れました。あ、そうそう、この3日間でガリガリ君を10個以上も食べましたよ。夏のガリガリ君は、まさに命の水ですからなぁ。
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8月15日(木) 鎌倉 由比ガ浜にて |
8月17日(土) 羽田 大師橋にて |
実はこの2泊3日サイクリングの後に、チビ号で鎌倉へ日帰りサイクリング、同様に川崎大師にも出掛けましたので、お盆休みはチビ号だけで550Kmも走った事になります。あ〜、楽しかった〜!今年はチビ号
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