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  八王子祭りは荘厳でした  

 お出掛け

居囃子(いばやし)の様子

 実は私、八王子の隣の日野に住んでいながら、今まで八王子祭りの事などよく知らずに過ごしておりました。ま、いわゆる「地元のお祭り」ってヤツだろうな位に、軽く見ていたのであります。ネットで調べてみますと、夕方から夜がメインのよう。夕涼みをかねて、午後3時半過ぎから、かみさんと二人で出掛けてみる事にしましたよ。

 京王八王子駅の改札を出るとビックリ。市内の到るところに山車(だし)が出ているではありませんか。山車の上ではお囃子(はやし)が演奏され、それに合わせてお神楽(かぐら)が舞われています。居囃子(いばやし)と云うのだそう。お神楽は、おかめとひょっとこ、狐、天狗、獅子舞など様々です。八王子駅前から陣馬街道分岐までの国道20号甲州街道が、約2Kmに渡ってど〜んと通行止めに。こちらにもたくさんの山車が出ています。凄い規模。八王子祭りって、こんなに大きなお祭りだったのですね。

八幡八雲神社に向かう神輿行列

 祭りの中心は八日町の辺りでしょうか。八王子夢美術館の前におりましたら、程なく西から東に向かって、八幡八雲神社に奉納する神輿(みこし)の列がやって参りました。神主さんを先頭に巫女(みこ)さんたちが続き、各町内代表の持つ「奉納八幡八雲神社」と掛かれた(のぼり)(ひるがえ)ります。その後に続くのは白木の三方(さんぽう)を捧げ持っている人たち。神様へのお供物(くもつ)を運んでいるのでしょう。一番しんがりを、勇壮な掛け声にのって神輿がやって参りました。いやぁ、それにしても立派な神輿(みこし)行列であります。

横山辻での「ぶっつけ」

 歩行者天国となった甲州街道をかみさんとブラブラ歩きながら、それぞれの山車で()らている居囃子(いばやし)を見物しておりますと、ポツポツと雨が降り出しました。ウェザーニュースによると、この雨は相模湖から八王子に限定された局地的なモノのよう。30分程で上がる見込み、と表示されています。時刻は午後5時。お腹も空いてきましたし、雨宿りも兼ねて駅前の居酒屋に避難です。いやぁ、まだ明るいうちから呑むのって格別ですなぁ。私はハイボール、かみさんは梅酒のソーダ割りで乾杯したのでありました。

 焼き鳥を中心にお腹一杯食べて呑んで、居酒屋を出たのが午後7時前。辺りもすっかり暗くなり、上手い事、雨も上がっています。甲州街道の横山辻に向かいますと、おお、絢爛(けんらん)たる照明を()けた5台の山車(だし)が一同に会し、お囃子(はやし)合戦の真っ最中ではありませんか。「ぶっつけ」と呼ばれるこの戦いは、他の山車のお囃子に演奏がひきずられたら負けなのだそうで、隣接する山車同士、これでもかという勢いでお囃子が奏でられています。お神楽(かぐら)の舞い手も、この熱狂につられて山車から身を乗り出すようにして踊りを披露。提灯(ちょうちん)でライトアップされた山車が闇にぼうっと浮かび上がり、引き綱に引かれて目の前をゆっくり移動していきます。なま暖かい風がゆるりと流れる中、全ての音が遠くで鳴っているかのような妙な感覚。宮崎駿監督作品「千と千尋の神隠し」の物語世界を彷彿とさせる(あか)りのページェントは、我々見物人をも巻き込みながら、続くのでありました。

 こりゃすごい。来年も絶対見物に来ようねと、かみさんと約束したのは云うまでもありません。八王子祭り、特に最終日の夜の山車(だし)同士の「ぶっつけ」は、必見でありますぞ。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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