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  珈琲豆の誘惑  

 徒然

 元々コーヒーは割と好きでありました。と云っても大したこだわりがある訳ではなく、インスタントで十分満足していたのであります。

 職場の近くにスターバックスが出来て、様相は一変しました。気分転換を目的にスタバに通っているうちに、コーヒーに目覚めてしまったのであります。ドリップしたてのコーヒーとインスタントでは勝負にならないのは明白。かくしてコーヒーサーバとドリッパを購入し、自宅でもペーパードリップするようになったのでありました。

 インスタント時代から比べれば、かなり高尚な領域に踏み込んだとは云え、使う豆はセブンイレブンのオリジナルブレンド。勿論、最初から()いた状態で売っている「粉」のモノであります。本格的にコーヒーを楽しんでいらっしゃる方から見れば笑止でしょうが、セブンイレブンのオリジナルブレンドでも、ドリップした時に部屋中に広がる芳醇な香りに十分満足していたであります。

 ある日、カインズホームで電動のコーヒーミルが安く売られているのを発見しました。コーヒー豆専用のフードプロセッサとでも申しましょうか、5〜6秒でウィ〜ンと豆を挽くアレで御座います。あくまで形式的な欲求ではありましたが、コーヒーを粉で買うよりも、豆で買って飲む度に挽く方が何となく格好良い気がして、これを購入。以降、飲む分だけ豆を挽き、ペーパードリップするという生活が始まりました。朝起きてまずはコーヒーを入れて、ゆっくりと新聞を読む。これだけでも実に豊かな生活であると申せましょう。

 コーヒーを楽しむ習慣は定着してきましたが、私の、コーヒー豆に対する知識は相変わらず皆無であるとともに、豆の銘柄に対するこだわりも全く持っておりませんでした。ただし、酸っぱい味が好きではありませんでしたから、豆を購入する際は、酸味が少ないと表示されているモノを選ぶようにしていましたが。

 URIBOZのともちんさんは(いき)な趣味人でありまして、コーヒーに関しても広範な知識をお持ちでいらっしゃいます。先日、逗子にサイクリングに行った帰り道、行きつけのコーヒー豆屋さんに豆を買いに行くと仰るので、ご一緒させて頂く事にしました。実はこれこそが、私を深遠なる珈琲豆の世界へ(いざな)う第一歩であったのです。

 多摩モノレール松が谷駅からほど近い住宅地にその店はありました。阿知波(あちわ)焙煎珈琲豆店であります。20種類ほどの生豆をストックし、お客と会話しながらその人に最適な豆の銘柄と焙煎度合いを検討し、20分ほど待つ内に、その場で煎ってくれるというスタイル。とても感じの良いお店です。女性店長が一人で切り盛りしています。

 コーヒーの味があまり良く分からない事、ただし、コーヒーの酸味は苦手な事を伝えました。彼女は南米産ペルーティアラの生豆をチョイスし、酸味を消す限界まで煎ってみると云います。同様の豆で入れたコーヒーをその場で入れてくれたのですが、何と!今まで飲んでいたのは何だったのだろうと思えるほど美味しい。私の嫌いな酸味は全く無く、だからといってローストし過ぎて苦くなってしまっているのでもなく、豆の特性が極限まで活かされている感じです。特筆すべきは、少し冷めてきた時の味わい。様々な風味が際だつのです。色々な味が感じられます。こんなコーヒーが有ったなんて!

 家に着いて自分でドリップしてみたところ、再度ビックリ!「焙煎したての新鮮な豆は良く膨らみますよ」と聞いてはいましたが、ドリッパーに挽いた豆を入れて、お湯を細く差して粉を蒸らす間、ムクムクと膨らんで来るではありませんか。スーパーで売ってる豆やスターバックスの豆とはまるで違います。そしてやはり、少し冷えてきた時の芳醇な味ときたら!私のような鈍感な男にも一発で違いが分かります。もう他のコーヒーは飲めません。

 最初に購入した200gは1週間で飲みきってしまいました。すかさず400g買いに再訪しましたが、これもきっと2週間と持たないでしょう。豆の新鮮さを考えるとこれ以上のまとめ買いは避けたいところですし、だとすると、今後も、定期的な松が谷通いが続く事になりそうであります。いやぁ、ともちんさんには、良いお店を教えて頂きました〜。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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