近、自転車のモラルの低下を嘆く声を聞く機会が多く、実際私が自転車で走っていましても、不埒な運転をするロードバイクを見掛ける事もしばしばであります。こうした不法行為の絶対数は、増加の一途を辿っている事は想像に難くありません。
先日、甲州街道を西進していた時のお話であります。JR高尾駅手前の町田街道入口交差点を直進すべく、停止線のところで信号が青に変わるのを待っておりました。あ、この時私はロードバイクに乗っておりまして、車道左側で信号待ちをしていたのであります。
後ろから来たロードバイクが、いきなり停止中の私の右側で同じく信号待ちをしていた車を、更に右側から抜いたかと思うと、その車の進路に被さる形で横断歩道のところから左側の歩道に乗り上げました。その自転車はそのまま町田街道側の車道に降り、何食わぬ顔で町田街道を南に向かって走っていこうとするではありませんか。ようは、道路を左折するに当たり、歩道を使って信号を回避しようとした訳であります。
本人は上手くやったと思っているのかも知れませんが、少なくとも車道を走行していて赤信号であったにも関わらず停止線を越えて横断歩道まで進んでいる時点で信号無視の成立であります。しかも車線真ん中に出るのも御法度な筈。確かに自転車の歩道走行は認められています。しかしそれは車道走行が危険である場合の例外的な措置であって、好きなようにフラフラ車道中央を走ったり歩道を走ったりして良い訳ではありませんし、ましてや信号を回避する為に取るべき行動ではないでしょう。
私は静岡県沼津市の出身であります。沼津の方言ではこのような場合、「見づりゃあを知らにゃあ」と申します。「みっともないという事を知らない」と云う意味です。「見づりゃあ」＝「みっともない」ですので、「見づりゃあを知らにゃあ」は、さしずめ「見づりゃあ」の最上級形といったところでありましょう。みっともないったらありゃしない！
白いLOOKにお乗りのこのオサ〜ンは、たった数分間の赤信号も待てないのでありましょうか。しかもこの時、歩道には5〜6名の小学生が居たのであります。まさしく、見づりゃあを知らにゃあヤツ。ロードバイクに乗っていると云うだけで、こういう阿呆と同一視されるのは堪まりません。ジェントルに行動せよとまでは申し上げません。せめて子供の前ぐらいは、信号を守るようにしましょうぜ。
【つづく】
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見づりゃあを知らにゃあ 
