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湖面に映る、西湖北岸の山々 |
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野鳥の森付近の紅葉は始まったばかり |
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精進湖から富士山を望む |
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水のきれいな本栖湖 |
週末に風邪ひいたりして、10日間程自転車に乗らない日が続いておりました。こんな事ではイカンイカン。朝から車にボンバー号(ピンクちゃん)を積み込んで、中央高速で富士吉田までやって参りましたよ。これから道の駅なるさわに車をデポして、西湖、精進湖、本栖湖、河口湖をのんびりとポタリングする計画なのであります。
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西湖西岸にて |
いつもの中央道元八王子バス停付近の渋滞につかまり、鳴沢に到着したのは9時半過ぎ。ま、普段に比べれば遅い出発ではありますが、今日は100Km弱の予定ですから良しとしましょう。それに鳴沢は標高1,000mもありますから、あまり朝早過ぎても寒いですしね。
道の駅なるさわを出てすぐにR139を左折。富岳風穴前の信号を右折して、まずは西湖に向かいます。国道から分かれた途端、道は一気に下りに転じます。電光掲示板によりますと気温は11度。う〜、結構冷えていますね。レーパンをロングタイツにして正解でしたよ。まだほとんど体が暖まっていない状態ですから、寒さが結構こたえます。
時速40Km程で下ると、程なく西湖周遊道路に突き当たりました。このT字路を右折。反時計回りに西湖を回る事にします。しばらく道なりに下ると林が切れ、一気に視界が広がりました。西湖の湖面に対岸(北岸)の山が映っています。ちょうど紅葉が始まり掛けたところ。日向はそれなりに暖かいのですが、さすがに空気は清冽です。本当に良い天気!気分良く、西湖の湖岸をトコトコと進んでいきます。
ここではロードバイクはあまり見掛けない代わりに、高校の陸上部でしょうか、ランナーは結構走っています。西湖の北岸の道、通称湖北ビューラインをランナーをよけつつ西進します。北岸を走り終え西湖から離れると、野鳥の森公園に向かって、道は緩やかな登りに転じます。道路の両側の木々が紅葉し始めています。実はこの位の紅葉が、サイクリングには一番良いんですな。紅葉本番ともなると、落ち葉が道路に溜まって滑りやすくなったりするのです。今がサイクリングには最適な時期。気持ち良いなぁ。
そのまま道なりにトコトコ進みますとR139に突き当たりましたので、ここを右折。国道は赤池大橋に向かって、ダイナミックに下っていきます。
実はこの赤池という地名、大雨の後だけ出現する池に因んでつけられたのだと云います。山中湖、河口湖、西湖、精進湖、本栖湖で富士五湖と呼ばれますが、赤池は幻の六湖目と云う訳。橋から覗き込んでみたところ、先日の台風の影響でしょうか、水がちょっとだけ溜まっているのが見えました。何名か観光客の方が写真を撮っていましたよ。
赤池のT字路を右折して精進湖を反時計周りに進みます。国道から分かれて精進湖周回道路に入ると車はほとんどありません。風もなく穏やかな天気。精進レークホテルを過ぎた辺り、精進湖の北岸から一気に富士山が見えました。雲一つないドピーカンです。ススキの向こうに蒼い富士山のシルエットがくっきり浮かびます。
そうこうしている内に、精進湖を四分の三周し、R139に戻って来ました。精進湖の南岸には湖に沿う道が無く、丸々一周する事は叶わないのであります。R139を右折して1Km程国道を進み、本栖交差点を右折すると、すぐに本栖湖々岸の土産物屋街が見えてきます。平成の大合併で富士河口湖町となっていますが、この地区はかつて上九一色村と呼ばれていましたんですよ。国道から右折後200m程で、左側の側道に降ります。この道はヘアピンカーブで湖岸道路に繋がっているのです。
本栖湖は綺麗な湖です。千円札の裏側の逆さ富士は、本栖湖からの風景である事はあまりにも有名でありましょう。湖なのに深さが130m以上もあり、周りの静かさと相まって、ちょっと不気味なほどであります。この綺麗な湖を時計回りに進んでいきます。
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河口湖から見た霊峰冨士 |
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こんな感じで車に積みます |
本栖湖を約半周回った西岸の辺りで、急に見た事のある風景に出くわしました。道の左側、山に向かって気持ちの良い林が緩やかな斜面に広がっていて、その林の中にバンガローが点在しています。道の右側は湖岸です。フラッシュバック的に、一気に記憶が戻ります。
今から32年前、私が中学校2年生の時に、高原教室でこのバンガローに2泊しました。斜面の状態とか、林の様子などをハッキリと思い出す事が出来ます。当時との違いは湖面の水位くらいでしょうか。当時は道から下ったところに4クラス全員が集合出来るほどの砂地があったのですが、今は道路ギリギリまで水が来ています。これが先日の台風の影響によるものなのか、30年の内に水位が上昇したものなのかまでは分かりかねますが。
それにしても懐かしい。ちょっと沖に浅瀬のようになっている部分が見えます。そうですそうです。当時、あの浅瀬は直径5m程の小さな島だったのです。キャンプの時、湖で泳いで体が冷えきったのを、あの島の上で甲良干しして暖めたのだっけ。夜はキャンプファイヤーの後、班ごとに分かれて花火に興じたのを思い出します。当時私はMさんという女の子が好きで、でも恥ずかしくてそれを伝えられずにいました。花火の後、勇気を振り絞ってMさんに告白し、その場で玉砕したんだっけ。風景を見ただけで一気にこれだけの事を思い出しましたよ。今まで思い出した事など一度もなかったのに、この風景や思い出は頭の中のどの引き出しにしまわれていたのでしょうか。一気にいろんな事を思い出す事が出来ました。それにしても人間の記憶力って凄いですねぇ不思議ですねぇ。
国道300号、通称本栖道を右折します。本栖道は本栖湖に沿って走っています。程なく約40分前に通過した本栖交差点に戻ってきました。R139を左折して、国道で一気に西湖まで戻る事にします。
この区間、R139は富士パノラマラインと呼ばれています。確かに赤池大橋近辺では富士山とその裾野に広がる樹海が一望出来ます。しかしすぐに道は青木ヶ原樹海の中に入ってしまい、あまり眺望が効きません。
朝通った富岳風穴前の交差点に差し掛かりました。朝と同様に北側に曲がり、坂道を下っていきます。今朝11度を表示していた電光掲示板は今は20度の表示。お昼になってだいぶ暖かくなりました。突き当たりの西湖周遊道路を朝と異なり今度は左折。朝通らなかったコウモリ穴を経由して、西湖を時計回りに周回しようという計画です。
それにしても今日は風も全く無く、すばらしい快晴。最高のサイクリング日和です。朝の時点ではまだ開店していなかった、西湖北岸のオシャレなカフェがオープンしています。お昼時と云う事もあり、お客さんも結構入っているようです。本当はちょっと一休みしようかなとも思ったのですが、レーパン姿の方は一人もいらっしゃらず、この格好ではちょっと敷居が高う御座いました。あきらめて西湖の東岸を直進し、トンネルに入ります。河口湖を目指すのです。
西湖から見ますと、河口湖は一段下に位置します。トンネルを抜けると、道は西浜小学校に向けて急なS字カーブを下っていき、河口湖の北岸に至ります。河口湖西部の北岸は崖が切り立った地形で、トンネルが連続します。トンネルの中は照明が落とされていて暗く、お世辞にも走りやすいとは云えません。トンネルではなく湖岸を走れる道が有れば良いのですがねぇ。湖に浮かぶ中ノ島を右手に見ながら、湖岸道路を東進。ここでも富士山がバッチリ見えます。遮蔽物が無く両側に広がる裾野全てが見える姿は、圧巻の一言です!!
河口湖をぐるりと時計回りに四分の三周回る感じで、道の駅勝山まで行き、県道714号でR139大田和交差点を目指します。大田和交差点を右折してR139を西進。ここまで来れば道の駅なるさわは、もうすぐです。標高850mの河口湖からダラダラと登り続けて、標高1,000mの道の駅なるさわに戻って参りました。
道の駅なるさわには日帰り温泉が併設されています。温泉でゆっくり汗を流します。車で来ると着替えなども楽に運べますから、個人的には輪行よりも車での移動の方が好きであります。自転車が傷つく心配もありませんしね。おみやげには山梨の柿を箱買いしましたよ。これも車で出掛けるメリットの一つでしょう。電車での移動ではこんな大きな荷物は邪魔になってしまいますからね。ただ車の場合、温泉の後のビールを我慢しなくてはいけないのが玉に傷でありますが。
多少のアップダウンはあったものの、最大標高差200mの割とフラットな100Km弱のコース。軽いサイクリングには最適です。天気も良く、秋の一日を満喫する事が出来ました〜。
【つづく】
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