白致します。私、齢四十五にしまして、劇場にてアニメーション映画「塔の上のラプンツェル」を3回も観てしまいました。
「塔の上のラプンツェル」は、ディズニーの50作品目の長編映画であります。ディズニーの長編の第一作は「白雪姫」、第二作は「ピノキオ」でありまして、はっきり言ってこのシリーズ、ターゲットはお子ちゃまで御座います。子供向けの映画に、いい歳こいたオサ〜ンが反応しちまったのであります。
1回目は、近所のTOHOシネマズ南大沢に一人で出掛けました。これが、私にとって初めての3D映画体験。これまで特にディズニー映画に思い入れがあった訳ではなく、この時も「3D映画を体験する」のが目的であったのであります。
3Dはジェームズキャメロン監督の「アバター」で一気にメジャーになった感がありましたが、CMを見る限りどうもアバターのあの青っぽいキャラクタを好きになれず、結局3D映画を観る機会に恵まれなかったのであります。
初めての3Dにも驚きましたが、「塔の上のラプンツェル」のストーリー、キャラクタ、映像、全てに感動致しました。アニメーション映画を観てこんなに感激したのは久しぶりであります。これは既に映画ではないとさえ感じました。従来の映画は観るものでありますが、3D映画は「観る」を越えて、まさしく「映画の中に入る」アトラクションそのものでありまして、映画に対する既成概念がぶっ壊れると申しましょうか、全く新しいエンタテイメント・カテゴリの現出の予感に打ち震えたのであります。
これだけの迫力は、家庭でブルーレイディスクを再生してどうこうなるレベルのモノではありません。映画館離れが巷で騒がれておりましたが、3Dの出現でこうした心配は杞憂となるでありましょう。ただし現時点で3Dの製作には多大な費用が掛かると聞きますから、ディズニーなどの大手ばかりが一人勝ちになってしまう懸念はありますがね。
この日は土曜日のレイトショウでありましたが、映画が終わるや否やかみさんにすぐに電話し、今観たばかりの映画の翌日日曜日の切符をその場で2枚押さえました。私は映画は一人で観るものと決めております。かみさんは映画自体があまり好きではなく、故に二人で映画に行く事は、ほとんどありません。にもかかわらず、映画館から電話をし、今観たばかりの映画にかみさんを誘うという奇行の理由は、「映画に代わる新たなるエンタテイメントを、彼女にも是非経験させねばならない」と強く考えたからに他なりません。
当初、あまり乗り気でなかったかみさんでありましたが、一度観てみるや豹変し、一気にラプンツェルのファンになってしまいました。結局この日から更に一週間後の週末に、もう一度夫婦で同じ映画を観に行く始末。映画のあらすじを語るほど愚かでは無いつもりですから、ここでは内容に触れる事はしませんが、是非とも皆さんにも観て貰いたい映画であります。一見子供向けの体裁をとっておりますよ。でもはっきり言って子供に観せるにゃ勿体無い。この映画、ホントは大人をターゲットとしたモノに相違ありません。
子供用のアニメじゃんとお考えの、特に私と同年代のオサ〜ンに申し上げます。是非「塔の上のラプンツェル」をご覧下さい。残念ながら劇場公開は今週で終了でありますが、DVDとブルーレイは7月20日(水)に発売予定との事です。家で劇場3Dの迫力を楽しむ事は無理でしょう。しかしそれを割り引いたとしても、十分楽しめる事、請け合いでありますよ。
【つづく】
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