北関東大震災に起因する計画停電をきっかけに、今までいかに電気を無駄遣いしていたかを思い知りました。電気が足りないと云う現実。その為の節電。言葉では理解していたとは云え、実感としては、多少の電気代を浮かす方策としてしか節電を考えていなかったというのが現実であります。我々が所有するごく限られた電力リソースを皆で共有し分割する。そういう意識で節電を考えるのは、実は生まれて初めての事でありました。
こまめに電気を消そう。節電はまずはここから始まる訳ですが、完全に真っ暗の中で生活する訳には参りません。それはそうでしょう。我々は点灯する為に電灯を装備しているのであります。一切の電灯を消すとすれば、それこそ文明を否定する事になりかねません。我々が目指すべき事は、現在の生活水準を維持したまま、消費電力だけを低減させる事であります。
私の家はメインの電灯は蛍光灯を用いていますが、台所のスポットや、リビングの調光電灯、廊下、玄関、トイレなど、結構多くの白熱電球を使っています。とはいえ、こうした白熱電球は口金が小さいE17規格の、比較的小さな電球ばかりでしたから、大した消費電力ではないと、勝手に思い込んでしまっておりました。
ところが台所の電球を外してみてビックリ!ほんの小さな電球の癖に1個あたり54Wもの消費電力なのであります。こんなに電気を食うにも関わらず、格別明るいという訳ではありません。事態は更に深刻であります。大して明るくないと云う事は、その消費エネルギーのほとんどは熱に換わっているという事でありまして、その熱を冷ます為に、より強烈にエアコンを回さねばならないのであります。
家の中の主な場所の白熱電球を、LED電球にリプレースメントする事にしました。以前よりはだいぶ安くなったとは云え、ご存じの通りLED電球は高価です。例えば、250ルーメンの明るさのE17型LED電球、東芝のLDA4L-E17は1個1,980円であります。対して54WのE17白熱電球は1個150円が相場。一見、猛烈な価格差があるように感じます。ところがLED電球は白熱電球の40倍の耐用寿命があると云われていますから、例えばLDA4L-E17の1,980円を40で割って白熱電球に換算すれば、49.5円という事になり、十分な安さである事が分かります。
今回、良く使う場所を中心にLED電球を導入しました。元とほとんど同じ明るさでありながら、強烈な節電効果が見込めます。以下に消費電力の違いを書き出してみますね。
台所天井灯E17(3灯) |
162W |
→ |
12.9W |
台所スポットライト・クリプトン球E11 |
100W |
→ |
6.8W |
リビング調光ライトE17(4灯) |
216W |
→ |
18.0W |
玄関外部スポットライトE17(2灯) |
108W |
→ |
8.6W |
玄関内部天井灯E17(3灯) |
162W |
→ |
12.9W |
2F階段灯(1灯) |
54W |
→ |
4.3W |
1Fトイレ灯(1灯) |
54W |
→ |
4.3W |
今回のリプレースメント全体では856W→67.8Wとなり、788.2Wのリダクトですから、実に92.1%の省エネ(消費電力が7.9%になる!)を実現出来た事になります。
約30,000円の出費は痛かったですが、東北地方への義援金と考えれば納得がいきますし、何よりこれから約20年間交換不要という事を考えれば逆に安いとも云えましょう。
無闇にスイッチをOFFにする事だけに執心するのではなく、こうした省電力対応機器への変更を進めていく事で、実質的な結果としての節電に努めようと思うのでありました。
【つづく】
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