北地方を直撃した未曾有の大震災から10日が経過しました。マグニチュード9.0。マグニチュードは32を底とする対数で表されていますので、1増えると地震のエネルギーは32倍という事になります。32は2の5乗ですから、マグニチュードが0.2上がるとエネルギーは2倍になる訳です。中途半端なスケールに感じるかも知れませんが、マグニチュードが2上がるとエネルギーは約1000倍(正確には1024倍)になるという指標と考えれば、すっきりするでしょ?
日本では以前から地震の規模の話をする際には「関東大震災」をベースに考えるのが一般的でありました。死者・行方不明者14万2800人とされる、大正12年(1923年)9月1日に発生したあの大地震であります。この地震のマグニチュードは7.9。マグニチュードが0.1増えると地震の規模はルート2倍(1.414倍)になる訳ですから、今回の東北関東大震災は、大正12年の関東大震災の、実に45.2倍以上の規模の地震だった事になります。
今回の東北関東大震災によって引き起こされた津波の被害は、あまりにも甚大でありました。死者行方不明者は現時点で2万1000人を越えています。更に福島第一原子力発電所で発生した原子力事故。この原子力事故が天災であるとか人災であるとか、様々な意見がある事は重々承知しています。現に批判めいた文章を掲載しているブログがたくさん存在している事も知っています。私自身にしましても、幾つか思うところは確かに御座います。しかし正確な、裏の取れた情報無しに、天災か人災かという重大な判断に関わる言動を発する事自体、おかしい事、無責任な事であるとも感じております。責任論は兎も角として、可及的速やかに解決しなければならない問題は山積しているのですから、まずはこうした問題の解決を優先させるべきでありましょう。
日本国政府は、決してミスの許されない難しい舵取りを続けている訳でありますが、枝野幸男官房長官の卓越したリーダシップは驚愕に値する程。もはや彼を事実上の日本のリーダと呼んで差し支えありますまい。情報を正確に収集し、きちんとそれを咀嚼し、的確で素早い判断を行ない、確実に部下や関係各方面に指示を出し、それを誠実に公表する彼の真摯な姿は、あるべき理想のリーダー像そのものであります。
おそらくはこの10日間、彼はほとんど休んでいないに違いありません。枝野さんがいなかったら、日本を巡る状況は、もっともっとひどい事になってしまっていたでしょう。彼に代わるような人材が居ない事も承知しています。しかしその上で敢えて申し上げたい。枝野さん、寝て下さい。あなたの体調が心配です。今あなたが倒れる事は、日本が倒れる事を意味します。お願いです。もう少しだけ部下の方へのディスパッチ分を増やして、枝野さんは是非とも布団で寝て頂きたいのです。
ツイッターの原発関連のコメントを見ますと、その多くに、#edano_nero というハッシュタグがつけられている事に気付きます。多くの国民が枝野さんの体調を心配しているのです。内閣府の皆さん、枝野さんの作業を少しでも軽減させ、彼が休む時間を取れるようにしてあげて下さい。本当に本当にお願い致します。
【つづく】
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