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  和田峠の茶屋がリニューアルされました  

 お知らせ

 先週の日曜日、11月28日は自治会の一斉清掃で、午前中は忙殺されてしまいました。我等が程久保基地は程久保川に面しております。ちっちゃな川ながら両岸には広葉樹が植えられ、遊歩道が整備されているこの川には、鴨や白鷺(しらさぎ)やカワセミが生息しています。この季節、遊歩道は落ち葉で一杯になります。今回の一斉清掃はこの落ち葉の片付けが主な仕事でありました。

 
 陣馬街道 椚沢(くぬぎさわ)の紅葉。
それはそれは綺麗でありました。
目の前が明るくなったように感じる程でした。

 朝9時から10時半までたっぷり掛かった掃除も終わり、さて自転車でどこかに行こうかなとも思いましたが、既に時刻はお昼近く。11月も押し迫ってかなり日が短くなっていますし、帰宅時刻を考えますとあまり遠くには出掛けられそうにありません。だからと云って、またいつもの様に小仏峠じゃ、ちょっと物足りないのも事実。近くてパンチの効いたところは無いかしらん。という訳で、久々に和田峠に出動する事に致しました。実は自転車仲間のリロウィン氏から、和田峠の茶屋がリニューアル工事中だ、とのメールを頂き、その状況を見てみようと云うのも、目的地を和田にした一因でありました。

 浅川サイクリングロードを西進し水無瀬(みなせ)橋から陣馬街道に入ります。市街地を抜け、川原宿交差点を過ぎるといよいよ田舎の道。この辺りは斜度も緩やか。快調に進んでいきます。夕焼け小焼けふれあいの里で小休止し、更に先を目指します。折しも秋、真っ只中。パァっと目の前が明るくなるような、見事な紅葉です。

 夏に取り壊しを行なっていた、椚沢(くぬぎさわ)の老人ホームも一部構造物がまだ残っているものの、ほとんど綺麗に地均(ぢなら)しがなされ、芝が植えられていました。そうこうする内に、陣馬高原下(じんばこうげんした)バス停に到着。ここからが本番です。斜度はぐっとキツくなります。鬼の和田であります。

 この季節にしては路面状態も良く、完全なドライコンディションの道をトコトコと登っていきます。相変わらずキツいや。心拍160bpm代をキープしながらゆっくり省エネ走法で走ります。夏に比べると気温が低いせいか、楽に登れるような気がします。勿論、全力で登れば楽もクソも無いんですけどね。今日は久々の和田でありますし、80%程度の出力をキープします。少なくとも暑い季節のようにオーバーヒートとの戦いという感じはありません。いつもはシャカリキに登る和田ですが、こうしてゆっくり風景を見ながら登るのも悪くありません。全体として広葉樹が多く、見事に色づいた木々の葉が、しっとりと濡れている様は、本当に綺麗であります。

 
 青く再塗装された、和田峠の茶屋。
看板も新しくなっていました。

 とりあえず途中の足付きは無く、峠の茶屋に無事到着。おぉ!リロウィン氏の情報の通り、茶屋はブルーに再塗装され、真新しい看板も掲げられています。今まで出入り自由状態だった駐車場にもコンクリート製の縁石が作られ、ゲート部分以外からの進入が出来ないように変わっています。

 以前、地元のハイカーの方からお聞きした情報によりますと、峠の茶屋を経営していた お(ばば)は階段から落ちて怪我をし、その療養の為、茶屋を開ける事が出来ずにいる、との事でした。本日見たところでは、なんと茶屋は営業しているではありませんか!さてはお婆が目出度く復帰したかと思いつつ、ジュースを買う為に、茶屋に近づいて行きました。

 和田峠の茶屋を利用された事のある方はよくご存じだと思いますが、茶屋のお婆はとても怖い存在であります。茶屋で何も買わないにも関わらずベンチに腰を下ろすと、「ここは無料休憩所じゃないんだよ!全く!!」とお婆に恫喝(どうかつ)されます。ところが逆に、茶屋でたくさん買い物をしたお客には滅法愛想が良くなるのです。ですからこの茶屋のシステムを知っている者にとっては、例え喉が渇いていなくても、まずは取るものも取りあえず茶屋でジュースを購入する、というのが、和田峠での休憩の基本的な流儀なのであります。

 あれ。茶屋にはお婆は居らず、その代わり、やけに愛想の良いおじさんが居るではありませんか。どうなってるの、これ。お婆の消息を探るべく、ジュースを買ったついでに、お婆の事を聞いてみました。要約すると以下の事が分かりました。

  • お婆は家の階段から落ちて骨折し、長期入院を余儀なくされていた。
  • お婆の療養中、和田峠の茶屋は長期に渡り閉鎖状態にあり、深夜、暴走族の溜まり場になるなど、荒れた状態になっていた。
  • このまま荒れたままにしておくのは、セキュリティ上も風紀上も宜しくないので、何とか業務の存続が出来ないか、警察も間に入って地元で話し合いが持たれた。
  • お婆の具体的な復帰の目処が立たないという事で、お婆は和田峠の茶屋、及びその隣の駐車場を手放す事にした。
  • 現在は、新しいオーナーが茶屋をリフォームして、商売を再開している。
  • 茶屋のおじさん(この話をしてくれた本人)は藤野に住んでいる。このおじさんがオーナーなのかは聞けずじまいの為、不明。
  • お婆は既に退院し、自宅療養中である。
  • お婆の自宅は、陣馬高原下バス停のところ(山下屋のY字路)を和田峠と反対側に入ったところにある。駐車場も経営している、集落でもっとも大きな家である。

 今日のところは茶屋で売っていたのは陣馬山登頂記念バッジとペットボトルの飲み物だけ。おばばの時代のように、お菓子やゆで卵は置いていないようでした。茶屋はめでたく復活しましたが、そこに居るのが妙に愛想の良いオジサンでは、何やらしっくりきません。やはり和田峠は、お婆に叱り飛ばされながらでないと、休んだ気がしませんからね。

 午後になって大分冷えて参りましたので、藤野側へ下る事はせず、東京側に戻る事にします。山は紅葉真っ盛りで、たくさんのハイカーが歩いていました。自動車やオートバイと違って音のしない自転車は、ハイカーに気付いて貰えませんから、スピードを落としてしずしずと下って参ります。

 往きに目星を付けていた沿道の農家で、椎茸を購入します。私はキノコが大好きなのです。この季節、恩方(おんがた)などの陣馬山の周りの人里では、あちこちで野菜やキノコや果物を売っています。いわゆる直売所とも違う、うちで採れたものをうちの前で売るという販売形態。家内制無人販売(かないせいむじんはんばい)とでも申しましょうか。貯金箱が置いてあって、購入者はここに代金を投入する仕組みです。椎茸はザルに山盛りでたったの100円でありました。秋のサイクリングは、こうした獲物を持ち帰る為に、必ずナップサックを背負って出掛けるのが、私の流儀であります。

 あれ程元気だったお婆が引退するとは、嗚呼、世の中は諸行無常で御座いますなぁ。お婆の引退は寂しいですが、お婆自身はお元気で過ごしていらっしゃるようですから、それが分かっただけでも良かった良かった。確か早春の頃にお婆の怪我の第一報に触れ、他人事(ひとごと)ながらお婆の身を案じておりましたから、この日、お婆がお元気で暮らしている事を祝して、家でかみさんと乾杯しました。かみさんは自転車で和田峠に登った事はありませんが、以前私とオートバイで和田峠まで行き、徒歩で陣馬山山頂までハイキングした事があり、お婆と会った事があるのです。え?祝杯では何を肴に呑んだのかですって?本日ゲットした、椎茸のテンプラで一杯やったに決まってるじゃあ〜りませんか。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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