沼津までの往路は「中央道ルート」を使いました。中央道国立府中ICから中央道を西進し、大月ジャンクションから河口湖方面へ。そのまま東富士五湖道路に接続し、須走に出てR138を下り、御殿場からR246に入るルートです。高速道路無料化社会実験で大月-須走間が無料になったこともあり最近比較的よくこのルートを使います。 往きと同じ道を帰るのも芸がないので、復路は「東名ルート」を選択する事にしました。東名で厚木ICまで行き、そこからR246→R129→R16と下道で帰ってくるルートです。休日の夕方は秦野中井IC→横浜ICは慢性的に渋滞する事で有名ですが、この日は時間が早い事もあり快調に進みます。途中、大井松田ICで高速を降ります。寄り道をして 実はここには昨年の夏に一人で自転車で来た事があります。その時はR20大垂水峠を越えて宮ヶ瀬にあがり、ヤビツ峠を越えて秦野からR246を経由してここまで来たのでした。国道を避けて山越えのルートを選択した訳です。暑い時期でしたので体力の消耗も激しく、しかも途中2つもの峠越えをしてきましたから、大雄山線大雄山駅前から最乗寺までの激坂は、それはそれはキツかった記憶が御座います。途中の十八丁目茶屋で休憩をして、何とか上まで辿り着きました。ここでの休憩無しでは登頂は無理だったでありましょう。私は速くは走れない代わりに、滅多に途中で足を着く事はありません。それだけが自慢だったのに。道了さんへの登り道は、私が途中で足を着いてしまった、数少ない惜念ポイントの一つであります。
そんな思い出の激坂を、車は楽々と登っていきます。いやあ文明の利器ですなぁ。自転車の苦しさとは雲泥の差であります。車だと喋っているうちに上の駐車場に着いてしまいますから、自転車で来た事の無い方にとっては「登っているのは分かったけど、それ程の激坂だったかなぁ」という程度の印象なのかも知れませんがね。 車を駐車場に止め、まずは本堂まで登っていきます。周りの林の紅葉はピークを迎えています。山と云う事もあり空気が澄んでいる感じがします。お線香を手向けてお参りします。中々の人出ですが、混んでいる訳ではない。寂しくもなく、それでいて騒がしくもないと云うちょうど良い雰囲気。実はこの日は道了さんに行くか、それとも箱根に行くかで迷ったのですが、道了さんにして正解でした。紅葉真っ盛りの箱根も綺麗だったでしょうが、猛烈な人出でごった返していた事は間違いないでしょうからね。 一段上の 御真殿を正面に見て左手に進みますと、奥の院へ繋がる長い石段があります。トコトコとこの石段を登っていきます。途中、石段の両側に烏天狗の像が建っています。鬱蒼とした林の中、霧っぽくて湿度が高く、それでいて温度は低めという、晩秋特有の清冽さの中を登っていきます。普段運動不足のかみさんは、ふうふう云いながら遅れ始めました。ま、いいか。一本道ですし、はぐれる事もないでしょう、それぞれのペースというものがありますから、私はトコトコと自分のペースで進んでいく事にします。 長い階段が一旦終わって、更に急で直線的な階段が現れました。ここを登りきれば頂上の奥の院です。階段の両側にはちょっと一休みという風情の人たちがちらほら居り、私はその横をトコトコと抜いていきます。 やっと奥の院に到着です。階段の下をのぞき込むと、遙か下方に一生懸命登って来るかみさんの姿が確認出来ます。かみさんの到着を待って、しばし休憩です。ポカポカと体が温まり、汗も出てきました。上着を脱いで涼みます。紅いモミジや黄色いイチョウなど色づいた木々と、常緑の杉の葉とのコントラストが鮮烈です。かみさんと二人で奥の院にお参りし、天狗の厄除け団扇をお土産に買いました。 奥の院の北側の裏手から延びる道を辿って、御真殿まで下ります。ここはいわゆる 御真殿まで戻って来ました。すぐに本堂に戻らず、先程寄らなかった 普段は忙しさにかまけてアクセク暮らしておりますが、たまにはこういう落ち着いた場所にゆっくりお参りするのも、良いもんでありますなぁ。境内全体にお線香の香りが漂い、ちょっと心が洗われる思いです。実は私、お香の匂いが結構好きで、かみさんに頼んで家でも時々焚いて貰ったりしております。 大雄山最乗寺。オススメです。小田原駅から大雄山線に乗っても行けますし、車なら東名高速大井松田ICが最寄りです。ふふふ。自転車ですか?大雄山駅からの坂は中々パンチが効いておりますぞ。単独であれば難なく普通に登れるであろう坂ですが、大垂水峠&ヤビツ峠の後のチャレンジには、十分覚悟して臨んで下さいネ。
|