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  疾走(はし)れ!母ちゃんライダー・リターンズ(第7話:無線インカムは夫婦の絆を深める篇) 

Aduokaバイク用インカム
中国製ですが機能的には十分です

が若い頃は、無線インカムなどという便利なツールは普及しておらず、オートバイツーリングにおいては、ハンドサインが多用されておりました。ヘルメットを被り一定以上の速度で走行しているオートバイ同士で会話をするのは、事実上不可能です。クラクション・レベルの音は勿論関知出来ますけれども、風切り音の中、人間の発する声など、併走する車両に届こう筈もありません。ですから、急にトイレに行きたくなった場合などでは、一気に集団の先頭に出て、パーキングエリアの標識を大きく指さして、休憩したい旨を皆に伝えたりしたものであります。

 勿論、アマチュア無線を装備したオートバイも一部には存在しました。ただしそれはあくまでフルカウルのハーレーダビッドソンやホンダのゴールドウィング等の大型車両が主。かなり大きめの無線機を積まなければなりませんから、必然的にサイドボックス等を備えた大型車両専用の装備でしかなかった訳です。

 オートバイ用のインカムは、ヘルメットに装着するタイプのリチウムイオン・バッテリ式で、アマチュア無線の機械に比べると通信距離も1,500m程と貧弱ではありますけれども、事前にペアリングした機器同士以外では通信内容を聞かれる心配が無かったり、送受信を切り替える必要の無い完全双方向通話だったりと、オートバイツーリングでの使用に限って云えば、非常に利便性の高いユーティリティであります。

 私の場合はかみさんと2人で通信するだけでありますけれども、これが信じられない程の便利さなのでありますよ。かみさんはリターンライダーですので運転が上手ではなく、特にブレーキングポイントやアクセルを開けるタイミングがイマイチ。ところがインカムがあれば、こうした技術的な指示がその場でやりとり出来ますから、運転教習としては質の高いコミュニケーションが可能となるのです。ドンピシャのタイミングでコーナーをクリアした時など「上手い上手い!」とその場で誉める事も出来ますしね。

 更に特筆すべきは、お喋りが楽しめる点でありましょう。我々夫婦は比較的仲が良く、家でも良くお喋りをする方なのですが、ツーリングに出掛けている間中、それこそずっとお喋りしっ放しなのであります。バイクの事、景色の事、食べ物の事、仕事の事、実家の親の事、最近のニュースの事、ネットで話題になっている事・・・。家に一緒にいてもこれ程までひっきりなしには喋りませんし、車でドライブしている時は、かみさんが寝てしまう事も御座います。しかしオートバイツーリングにおいてのインカムでのお喋りは、よく話題が尽きないなと思える程、途絶える事無く何時間もずっと続くのであります。

 普通に生活している中で、最も濃密で長時間のコミュニケーション。オートバイで出掛けるという意味の他に、お喋りも大いなる楽しみの一つなのでありました。夫婦ツーリングにおいて、インカムの使用は絶対のオススメであります。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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