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  新しい自転車を手に入れろ2(第15話:ファットバイク購入のススメ) 

ァットバイク購入から1ヶ月半が経過しました。雨の日以外の通勤は、原則としてデブ号を使っております。フロントバッグにワイシャツやスラックスを入れて通勤し、職場で着替えるという運用方法を採用する事で、汗の問題も解決しました。職場へは往復8Kmと大した距離ではありませんけれども、帰りには山越えルートを取るなどして積極的に汗をかくようにしており、ストレス発散には十分寄与しておりますよ。

 「オフローダを購入しておきながらオフロードを走行しないのは勿体無い!」といった実にたくさんのお叱りのメールを頂いております。しかし、近所に走行可能なシングルトラックが無いのです。高尾山にはいくつか林道が存在する事は知っておりますし、実際に小仏城山の茶屋を目指して、日影沢林道を登ってみた事も御座います。ところが日影沢林道は途中に車止めゲートがあり、明らかにそれより先への自転車の進入は禁止されているのです。私が日影沢林道の車止めの前で停まっていると、後から登ってきたMTB乗りの方々が、車止めの隙間を通って上に向かうのを目の当たりに致しました。勿論、彼らを(とが)める心算(つもり)など毛頭ありません。しかし、だからと云って自分もルールを破って車止めの隙間を抜けようとは、思わないのであります。

 10年ほど前からロードバイクに乗るようになって、自転車の行動範囲の広さを知りました。100Km以上の距離は車やオートバイの距離であると考えていたそれまでの常識(コモンセンス)は崩壊し、笹子を越えて甲府盆地に降りたり、箱根を越えて沼津に出掛けたりする事は、私にとって普通になりました。しかしその反面、ロードバイクのパンクのリスクの高さを、思い知る結果となったのであります。

 ロードバイクのタイヤは細く、ちょっとした事ですぐにパンクしてしまいます。故にパンク修理の為のパッチや、換えのチューブやインフレータ(空気入れ)を携帯する事は、ロードバイク乗りにとって当たり前の事とされています。しかしよく考えれば、これは一般的には相当に奇異な事でありましょう。自動車にしろオートバイにしろ、そして街中に溢れるママチャリにしろ、パンクを前提に空気入れを携帯している人など皆無である筈です。

 ファットバイクに乗るようになって、過剰にパンクの心配をする必要がないという、ある意味当たり前の事実を、実に10年以上ぶりに思い出しました。段差もへっちゃらだし、出発前にシビアに空気圧をチェックする必要もない。でこぼこ道も何のその。絶対的な安心感!ファットバイクはまさに下駄代わりに使えるのであります。何て自由でタフな乗り物なのでしょう。路面状況に気を遣わないで済む気楽さは、ロードバイクに慣れてしまった者にとっては、まさに格別です。

 ロードバイクにお乗りの方にこそ、ファットバイクの購入を強くオススメしたい。確かにロードバイク程の巡航速度は望めません。しかし、ロードで30Km/hで巡航する感覚で走れば、23〜24Km/hを維持出来ます。車重も思ったほど気になりません。走行抵抗が大きいので平地の巡航が苦手なだけで、速度の出ない登りでは、それほど大きな差は無いのです。和田峠にも普通に足付き無しで登れますしね。

 先日、町田の日大三高(野球の強いあの高校ですよ)の少し南にあるパンステージ・エピソードというパン屋さんに、デブ号出掛けて参りました。日大三高に向かう一般的な経路ではなく、尾根幹線の東急自動車学校の裏山を越えて、町田市上小山田の部落を抜けていく道をチョイス。この道は車幅2.2m以下の車両に規制されていますから、抜け道としてここを使う車は皆無でしょう。基本的に、畑に行く地元の軽トラ専用の道路であります。映画となりのトトロで、メイちゃんが迷子になった集落の道に雰囲気が似ておりますぞ。

 雨の後という事もあって、畑の土が道に流れ出したりしている部分もあったのですが、デブ号の場合全く心配なし。ズンズン気にせず進んでいきます。多摩丘陵を越えていくこの道は、大した距離ではないのですが、古き良き、正しい田舎の風景が楽しめます。いきなり連れてこられたら、ここが都内とは絶対に思わないでしょうなぁ。

 程久保基地から往復30Kmですから、サイクリングと云うより「おつかい」と呼んだ方がしっくりしますが、こういうまったりとした用途に、デブ号は最適なのでありました。


 デブ号購入の顛末については、一旦ここでおしまいとさせて頂きます。それにしても今回は、良い買い物を致しました。ロードバイクと全く異なる乗り物だからこそ、ロードバイクにお乗りの方々に敢えてオススメしたい。無理にオフロードに出かける必要などないのです。オンロードでも十分楽しめます。さ、あなたもファットバイクが欲しくなってきたでしょ?Copyright (C) by Yas / YasZone

ここまで読み進めて頂き、有難う御座いました。

【おしまい】

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