「車輪」という大時代的な表現をお許し下さいね。でもね、この「車輪」という言葉が、ここでは一番適切なのであります。乗り味はホイールだけでは決まりません。ホイールとタイヤの組み合わせが回転する訳ですから、ホイール単体、タイヤ単体で語っても、意味がないのであります。回転体全体としての呼び名を考えた場合、日本語の「車輪」が一番しっくり致します。逆に言うと「車輪」を正確に表す英語ってwheel以外には無いのでありますよ。一般的にホイールとはゴムタイヤを含まない、リムとスポークとハブからなる部品の事を指す訳でありまして、だとすると英語には「車輪」というニュアンスを正確に伝える語彙が存在しない事になります。 完成車であるピナレロ号に最初からついていたシマノの廉価ホイールWH-R500から、フルクラム・レーシング3に換装した時は、まさに目から鱗が落ちる思いでありました。大袈裟ではなく、巡航速度も登坂能力も確実にアップ致しました。それはそれは、漕ぎながら笑みがこぼれてくる程の劇的な性能アップ。レーシング3買った時も凄かったけど、今回のボンバー号の車輪はどんな感じかなぁ。いやが上にも期待が高まります。 ボンバー号の車輪は、マングの大将の手組み。マングローブバイクス 大将には「堅めでお願いします」とオーダーしてあります。スポークにテンション掛けてネという意味。私はたわみの少ない車輪の方が好みなのであります。人によっては車輪が柔らかい方が乗り心地が良い、と仰いますが、構造力学上、回転体自身のたわみはフリクションロスに直結してしまいます。こうしたたわみは、ホイールではなく、フレームやフロントフォークで吸収すべきというのが私の持論なのです。 とはいえ、フルクラムレーシング3に比べれば、スポーク1本当たりの張力は弱くなる筈であります。そりゃそうですよね。だってレーシング3は前輪16本後輪21本ですからねぇ。本数だけで云うと前輪は2倍、後輪は1.7倍。当然1本当たりのテンションは下がらざるを得ない。この低張力が、乗り味にどのような影響を与えるのか、とても楽しみなのであります。私は今まで完組みホイールの経験しかありません。今回の手組みの車輪は、長距離向きの疲れにくいモノになると想像しているのですが・・・。スポーク本数が多い事による空気抵抗の増大も、私の普段の巡航速度域、30Km/h付近では、ほとんど問題にはならないでしょう。そもそも空力特性って50Km/h超で影響してくるモノですからね。 レーシング3も同じ700Cホイールで、カセットスプロケットを含めて今回のホイールと完全互換ですから、勿論、シチュエーションによって両者を履き変えて楽しむ事も可能であります。そんな事もあって、あえて今回は完組みホイールの対極とも呼べる、昔ながらの多スポークの手組みホイールでお願いしたって訳です。 お値段は、ハブ、リム、スポーク、ニップル等の部品代が36,510円。これにホイール組立工賃が10,500円で、合計47,010円であります。完組みホイールに比べれば、比較的リーズナブルですが、これはブランド代が含まれていないという事もあるのでしょう。乗り味については、車体が完成したらまた報告させて頂きますネ。 あ、そうそう。ホイールの違いをきっちり体感する為に、タイヤは今使っているのと同じ、ミシュランのPRO3を指定しました。タイヤによる違いを排して、純粋なホイールの違いを感じようって訳。そしてタイヤの色は・・・・勿論、ピンクにしましたよ。ふふふふふ。
|