転車のハンドルとフレームとをつなぐ部品をステムと申します。ステムの高さを変更したり、ステム自身を長いモノや短いモノに変えたりする事で乗車ポジションを変更する、重要な部品であります。一旦出来上がったフレームのジオメトリを交換する事は事実上不可能ですから、ポジションの微調整は、ステムとシートで行なう事になる訳です。
現在発売されているロードバイクでは、ほとんどアヘッドステム方式が採用されています。ステムの高さの調整をコラムスペーサで行なう方式です。高さの調整は、コラムスペーサを入れ替える事で行ないますから、ミリ単位の高さ調整を行なおうとしたら、それに合わせてミリ単位のコラムスペーサを用意する必要があります。
対して昔ながらの斜め臼を引き上げる固定形式のステムが、スレッドステムであります。クイルステムとも呼びます。ママチャリや競輪用の自転車のほぼ100%がこの方式を採用しています。以前はロードバイクもこの方式が主流だったのですが、現在では新車ではほとんど見かけなくなってしまいました。構造上、ミリ単位の調整が可能ですが、現在ではサードパーティ製の部品が極端に少なく、アヘッドステムに比べると部品選択の自由度は制限を受ける事になります。
個人的には細身のスレッドステムが大好きでありまして、今回はスレッドでオーダーする事にしました。前述の通り、改造を考えた場合の部品選択の自由度はある程度犠牲になりますが、そもそもがミリ単位で私自身の寸法に合わせたオーダーフレームな訳ですから、そんなに頻繁に交換する事もないだろうとの判断です。逆に微妙なミリ単位の上下調整は、スレッドの方が向いていますしね。
そもそもスレッドステムは、こう、何と云いますか、うなじを連想させる一種妖艶なシルエットを持っておりまして、機械部品でありながら実にセクシーな感じが致します。今回は、数少ないスレッドステムを扱うメーカーである日東の製品を採用する事にしました。ステムは、日東 NTC-A φ26.0o/120o。ハンドルは、同じく日東の NEAT-M185/420o。大将曰く、割と下ハンを握りやすい形状のハンドルとの事であります。
こういう細かい部品仕様を一つ一つ決めていく作業が、これまた楽しいんでありますなぁ。
【つづく】
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