外な程すんなりと財務大臣の許可がおりました。これで晴れて新しい自転車の購入プロジェクトを進める事が出来ます。それにしてもよく45万円もの稟議が通ったなぁ。快く認めてくれた、かみさんに感謝!!
さてまずはオーダーするフレームの寸法を決めなければなりません。一般的に、フレームをオーダーする際には身長や腕の長さ、又下などの寸法を計測し、それを元にジオメトリを決定する、とモノの本には書いてあります。でもマングの大将のやり方はちょっと違います。実際に自転車に乗って寸法を決めていくのであります。体の柔軟性や乗り方の癖も考える必要があり、その為には乗車中の姿勢を観察するのが一番なのだそうです。
現行車ピナレロ号とともにマングローブバイクスに出向き、これをローラー台にセット。マングの大将の指示に従って、ローラー台の上で自転車を漕ぎます。つまりは、ピナレロ号できっちりポジションを出し、その位置関係を元にモディファイを加えようという訳。大将の質問に答えながら、漕いではポジション変更、また漕いではポジション変更を繰り返す事1時間半。低負荷のローラー台とは云えメータ読みで40Kmも回っています。大将の仕事へのこだわりは半端ナシであります。
今回は、今までよりも多少ハンドルを低めにセッティングしました。それに併せてサドル位置も調整。結構動かした割には不思議と違和感がありません。ピナレロ号の各部の位置関係を大将がカルテにメモしていきます。確かにこの数値を元にして新しいフレームを作るのですが、決してこの数値通りに発注する訳ではないのです。現在使っているハンドルとは別の銘柄のモノを使う予定ですし、ハンドルの銘柄が変わればシルエットも変わり、手を置く位置が変わってしまうのだと大将は宣います。フレームのみならず、採用しようとしている部品の寸法も加味してフレームサイズを決めようと云うのです。上ハンドルのポジションにしても、現行の105と今回導入を考えているアルテグラでは、ブラケット形状が異なりますしね。こうした部分は経験に基づく予想に頼るしかありません。翻訳者としてのマングの大将の必要性を大いに感じる瞬間です。自分では全く決められませんものね。
結局、ボンバープロに発注するフレームの寸法は以下のようなモノになりました。
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トップ長 |
552mm |
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フレームサイズ |
560mm |
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シートアングル |
74.3度 |
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フロントセンター長 |
589.7mm |
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リアセンター長 |
410mm |
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キャスターアングル |
73度 |
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ホイールベース |
989.2mm |
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ハンガー下がり |
71mm |
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フォークオフセット |
41mm |
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トレイル |
60.2mm |
寸法は決まりました。大将の考えでは、クロモリ鋼のパイプだけではなく、ニッケルクロモリ鋼のパイプも一部組み込んで、多少堅めの乗り味を実現しようとしているようです。私のこの大いなる体重を支えるためにネ。またしても大将の競輪選手としての経験が活きる場面です。素人がパイプの材質から乗り味を想像するなんて至難の業ですからなぁ。同じ材質でもパイプが短くなれば、より硬くなりますし、そもそもバテット管ですから、パイプの厚みの変わる位置調整によっても、乗り味は変わってしまうでしょう。勿論、全幅の信頼を置く大将のお勧め通りにフレームを発注する事に致します。こりゃ競輪選手でもない限り、自分でスペックを指定するなんて、至難の業ですわ。
きちんとした自転車屋さんで自転車を誂えるという行為の意味がよ〜く分かりました。これに比べるとピナレロ号はかなり適当に買っちゃいましたもんね。Y'sロードでの購入時のポジション合わせなんて、僅か1分でしたからねぇ。まさに雲泥の差なのでありました。
【つづく】
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