る4月3日(日)のお話で御座います。新しい自転車が欲しくて欲しくて堪らない私は、我が敬愛するマングの大将に相談すべく、密かにマングへの訪問を計画しておりました。いよいよ購入計画を立ち上げようという訳であります。
今回は、まず話を聞くだけ。具体的な計画の骨子が見えてくるまで、自転車の新規購入のお話は、仲間には秘密にしておこうと考えておりました。秘密にする事にあまり深い意味があった訳では御座いません。ただ私自身が、まだ希望する仕様を決めかねている状態でありましたから、早期のディスクローズは、逆に自らの仕様決定を混乱させる事に繋がりかねないと考えたのであります。
マングの正式名称は、マングローブバイクス。立川市砂川町にある自転車プロショップです。大将は元競輪選手。説明が非常に論理的・実践的で、理系の私は思わずグッと来ちゃう事もしばしば。現在乗っているピナレロ号はここで購入したものではありませんが、現在、すべてのメンテナンスは、ここマングローブバイクスにお願いしております。
マングに行くには、普通は国営昭和記念公園の脇を北に向かい、砂川五叉路を東に入るのが通常ルートです。ところがこの道を通るのは、機密保持の観点からは些か危険でありまして、と云いますのも、昭和記念公園界隈はURIBOZのともちん氏のテリトリー。故にこのルートでのアプローチは、彼に見つかってしまう確率が高まってしまうのであります。
そこで、通常とは全く違うルートで攻めてみる事に致しました。日野を出発し国道16号でわざわざ埼玉県所沢市に出て、所沢市松が丘の住宅地経由で西武ドーム前を通り多摩湖を周回した後、上北台からモノレール沿いに南下してくるルートであります。いわば予想外の裏山から登場するルートですから、私はこのアプローチを「鵯越の逆落とし大作戦」と名付けました。ま、結論から申しますと、近所の自転車屋に行くのに、実に70Kmも遠回りをしようという阿呆な大作戦で御座います。
鵯越作戦が功を奏し、誰にも見咎められる事なく、無事マングに到着。クロモリの自転車を新たに購入したいと考えている事、現時点ではブリジストン・アンカーのRNC7をフレーム買いして、アルテグラグレードのコンポーネントを搭載する案を漠然と考えている事などを伝えて、大将の意見を聞いてみようという趣向です。
大将との秘密会議が始まって約20分後、店の外から私に手信号を送る人がいるではありませんか。「Yasさ〜ん、こんなとこでコソコソと何やってんの?」 ともちん氏であります。内閣調査室並の情報収集能力と申せましょう。わざわざ70Kmも遠回りしたってぇのに、たった20分で発見されちまいましたよ。ともちんさんの嗅覚、おそるべし。
折角、秘密裡に話を進めて皆を驚かそうとしていた新しい自転車の購入プロジェクトでありましたが、僅か20分でその夢は儚くも潰えたのでありました。
【つづく】
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