自転車乗りから見れば立派なローディであるという事は、裏を返せば自転車に乗らない一般の方々から見れば、立派な「変態」であるという訳でありまして、私の変態度は昂進の一途を辿っていたので御座いました。 この「昂進」というのも変態の特性の一つでありまして、一旦変態への道に足を踏み入れたが最後、欲求はエスカレートし続けるのであります。 この頃の私の関心事は、ズバリ、ホイールで御座いました。寝ても醒めてもホイールの事で頭が一杯です。各種雑誌を買い漁りまして、ホイールの研究に余念がありません。何しろ読めば読む程、ホイールが走りに及ぼす影響は大きく、ホイールを変えれば走りそのものが変わるのだと言うではあ〜りませんか。私のような貧脚でも楽に坂を上れるようになるとすれば、こんなに安い買い物はあろうか、いや無い(反語)、なのであります。 何だよ、自転車の車輪の事だろ?いい大人が自転車の車輪を買おうかどうしようか悩んでないで、そんなもん、パッと買っちまえよ。子供じゃねぇんだからさ。もっともな、お話で御座います。でもね、聞いて下さいよ。私の欲しいホイールって、前後輪セットでだいたい10万円(!)もするのでありますよ。カインズホームで自転車本体が1万円で変える時代に、ゴムのタイヤもチューブもついていない車輪だけで10万円(!)。変態で御座います。真性の変態で御座います。 私の欲しい車輪は、イタリアのフルクラム社製のレーシング3というホイールです。フルクラム社は、かのカンパニョーロ社へのOEM供給元でもあり、製品の精度には定評があります。更にレーシング3は、フルクラム社のラインナップの中では中の上といったグレードで、値段の割には高い性能を誇る、非常にコストパフォーマンスに優れたモデルだというのです。 欲しいよぅ〜。欲しいよぅ〜。フルクラム・レーシング3が欲しいよぅ〜。 私は決して贅沢を考えている訳ではありません。そりゃ変態度は昂進してきましたですよ。でもね、変態には変態なりのコモンセンスというモノがありましてですね、10万円のホイールなんて、ミドルグレードのいわば「普通の」ホイールなんであります。デタラメに欲しがっている訳ではありませんよ。レーシングゼロ、1、3、5EVO、7という5つのグレードのうち、リムにスポーク穴が無く、高剛性の割には軽く作られているのは、レーシング3以上のグレードだけなのであります。そりゃレーシングゼロや1は更に素晴らしいんでしょうが、そもそも値段もすげ〜高いですし、スポークをアルミにする事で軽量化を図っている点が、体重の重い私にはマッチ致しません。その点レーシング3は、剛性の高いステンレスのスポークですからね。あらゆる面で、私にばっちりな訳であります。 さすがに10万円もの買い物ですから、かみさんの稟議を通さない訳には参りません。で、思い切って、かみさんに相談してみたのでありました。
この後、私の無駄遣いに関しての糾弾はたったの4時間だけで、更に都合8時間ほど正座をさせられ、便所掃除、庭の草むしり、犬の散歩、障子の張り替えを命ぜられただけで済みました。へへん、
|