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私の自転車はマウンテンバイクです。しかも本格的なものではなく、安価なマウンテンルック車。本来マウンテンバイクとは野山を駆け回る用途で開発されたものでありますが、マウンテンルック車はその名の通り、形だけ似せて作った、いわば、まがいモノですから、ハードなライディングは勘弁ネ、という事になっております。ま、私の場合、細いスリックタイヤを履かせてオンロード専用として使っていますから、オフロードが走れなくても全く問題はないのですがネ。とはいえ オンロードでの使用を考えた場合、私の自転車は必ずしも最適であるとは言えません。いやむしろディスアドバンテージを背負ってしまっていると言っても過言ではないでしょう。 まず第一に車重です。フロントサスペンションを装備している為に全体として非常に重くなっているのです。勿論、ママチャリと比較すれば十分軽いんですよ。でもスポーツ用の自転車としてはあり得ないくらいに重いのであります。 次にホイール径です。私の自転車は26インチで、マウンテンバイクとしては標準的なサイズなのですが、ロードバイクの一般的なサイズである700Cと比較すると、径が小さい分、速度の維持が大変と言われているのであります。 ま、こんな理由は些末なモノに過ぎません。あのですね、ロードバイクはですね、格好良いんですよ。え？「お前なんぞにロードバイクの優位性なんか分かるのかよ」ですって？今までロードバイクを所有した事がない訳ですから、結局のところ、ロードバイクがどれ程素晴らしいかなんて分かる筈が無いじゃありませんか。只々欲しいのであります。良いじゃん欲しいんだからさ！ 私は割と活字から情報を得る事を好む男でありまして、ご想像の通り、うちには自転車雑誌が溢れ返っております。そうした様々な記事を熟読してみますと、いよいよロードバイクの素晴らしさがクローズアップされて参ります。少なくとも雑誌の記事の中には、私のようにマウンテンルック車に細いスリックタイヤを履かせているヤツなんて居ないのであります。 意を決してY'sロード府中多摩川店に出掛けてみました。ここはスポーツバイク量販店に分類されるお店で、1階が用品類、2階が自転車本体の売場となっております。私、様々な部品の購入の為に1階売場には何度も足を運んだ経験がありますが、2階には行った事がありませんでした。私にとって2階は禁断のフロアだったので御座います。だって考えてもみて下さい。マウンテンルック車はそりゃ本体は安かったですよ。しかしそこに装着済みの用品類の合計投資額ときたら・・・。これらのインベストメントを投げ捨て、ご破算で願いましたら〜てな具合で新しい自転車買うなんて、そうそう出来る事ではありません。 見るだけ。今日は見るだけ。そう心に決めて、2階に続く螺旋階段を上がりました。店員さんが「何かお探しですか」と寄ってきます。すかさず「いや、今日は見に来ただけ」と回答し、ロードバイク買う気なんて全くないもんね、という風を装いながら陳列されている自転車を眺めておりました。 突然全身に電気が走りました。青い色のロードバイクです。イタリアの宝石ピナレロ社のFP2であります。格好良い。ため息が出ます。値段はというと、・・・・・完成車で24万円！自転車がですよ。24万円ですよ。通勤に使っている100ccのスクータが18万円だったんですよ。どうなってるんだこの値段。カインズホームに行けば自転車なんて1万円で買えるっていうのに〜！。 自転車趣味の方は当然お分かりかと思いますが、ロードバイクで完成車価格24万円というのは、実はエントリモデルなのであります。つまり、ごくごく安い入門用スポーツ自転車という事。完成車で50万円なんてのはざらなのであります。すげ〜話ですねぇ。さすが変態たちの、めくるめく世界ですねぇ。 エントリモデルとはいえ、私にとって24万円の自転車は、まさしく宝物でありまして、欲しいは欲しいけれども、こんな贅沢をしてバチが当たるんじゃねぇかとか、かみさんに何て言おうとか、まだまだマウンテンルック車で十分じゃんとか、もっと色々調べてから買った方が良いよねとか、今日のところは一旦帰って頭を冷やしてとか、様々な考えが去来したのでありますが、気がついたら契約書にサインしておりました。恐るべしY'sロードの営業力。わ〜い！わ〜い！ロードバイク、買っちゃった〜！！ 一週間後に納車されてきましたFP2号は、まさしく青い宝石の様。早速、高幡不動尊に持ち込みまして、お祓いして頂きました。勿論納車日は大安吉日を選択。こういった部分は、私、とっても縁起担ぎな男なのでありました。
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自転車に乗って変態になろう！（第５話：ロードバイク購入篇） 
魚川チャレンジは実は単なるサイクリングではありませんで、これに成功したら自分へのご褒美としてあるものを購入するのもアリだな、と考えていたのでありました。こうしたモチベーションの励起は非常に大切なんであります。実際にこうした目標があったから、糸魚川到達という偉業を成し遂げられたのではないかと思うのです。ふふふ。
