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  遊びのアンテナ、のばしてるかい?(第8話:これからの遊びを考える篇) 

は現在49歳。まだまだロードバイクに乗り続けようと思っておりますし、同様に今後も大型バイクのZRX1100号でツーリングに出掛けようとも考えております。しかし実際問題として、こうした運動や運転に関わる趣味において、いつかは体力的な限界を無視出来なくなる日がやって来るのを避ける事は出来ません。

 ま、こうした体力的な限界は急にやって来るものではないでしょうから、徐々に活動範囲を縮小していく感じになるのだろうと思います。私の場合、ロードバイクに乗ると申しましても、決して競技志向な訳ではなく、あくまで趣味的なサイクリングですので、一日の走行距離を徐々に短くしていったり、山岳コースを避けて平坦なコースの割合を増やしたりしても、一見、問題は無いように思えます。

 しかしこうした行動範囲の縮小が、趣味としての楽しさを維持する為の弊害となるのは想像に難くありません。峠を足付き無しで登れた時の達成感は、峠に挑戦した者だけが味わえる甘露(かんろ)であります。同様に、キビキビとした加減速や、メリハリのある倒し込みが出来てこそ、大型バイクの運転は楽しいのです。足を着かないで峠を越えるのに一定以上の体力が必要な事は自明でありますし、低速コーナーの出口でギリギリまでスロットルを開けて、リアをスライドさせながら立ち上がっていく快感は、250Kgの車重と100馬力を越えるパワーを抑え込む体力があって初めて得る事が出来るのであります。そういう意味において私の現在の趣味は、大いに体力に依存している事は明白ですし、故に、徐々に体力が落ちていくのに従って、その楽しさが段々と減っていってしまう危険を(はら)んでいる事に気付きます。

 以前、かみさんが無趣味な人間である点を、この連載の中で取り上げた事が御座いました。彼女の場合は子供を通じての野球観戦という趣味だったものですから、当然の如く、子供の成長とともにその趣味を失う事になった訳ですが、ロードバイクやオートバイといった運転系の遊びは、十分な体力がある事を前提とした趣味ですので、私の場合も体力の低下とともにその趣味を失う事になりかねないのです。

 そうしてみますと、囲碁とか将棋とか陶芸とか園芸とか切手収集とか骨董とか、体力に依存しない何らかの趣味を、今の内に見つけておく必要性を強く感じます。しかしこれが中々上手く行かないのであります。

 かつて、かみさんが毎週のように子供の野球の応援に出掛けているのを見て、いずれ失われる事が確実な趣味なのに、何故彼女は末永く続けられる別の趣味を見つけようとしないのだろう、と不思議に思ったものであります。しかし冷静に考えれば、今の私の場合も、全く同じ危機に(さら)されていながら、何の方策も講じていない事に気付きます。

 今からでも遅くはないと頭では分かっています。でも今は別の趣味に対して食指が動かないのです。嗚呼、今になってハッキリ分かります。子供の野球の応援の為に毎週末忙しく飛び歩きながら、かみさんは今の私と同様の危惧や(うれ)いを抱いていたに違いありません。

 年齢や体力に依らず、永年に渡って続けられる趣味を見つける事。そうした方向に遊びのアンテナを伸ばす必要があると、特に最近、強く思うのでありました。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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