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  遊びのアンテナ、のばしてるかい?(第4話:私の嗜好篇) 

は普段、割と明るく振舞っておりますので、社交的な性格と思われる事が多いのでありますが、実は人見知りの強い、比較的孤独を好む人間であります。

 ま、孤独を好むと申しましても、人とのつきあいが苦手とかそういう深刻なレベルではありません。仲間ともサイクリングに出掛けたりも致します。ただ、常に誰かと一緒に行動しなければ寂しいかと問われれば、答えは否であります。グループで行動する時は大いに楽しいですし、それを嫌だと感じた事はありません。ただ、独りで出掛けても何の痛痒も感じないのも事実なのであります。

 例えばこれまで5年連続出場、今年で6回目になるグランフォンド八ヶ岳。清里から小淵沢、須玉、長坂を経て、また清里に戻る、全行程120Kmのサイクルイベントです。この大会には、仲間と一緒に出掛けた事もありますし、独りで参加した事もありますけれども、私にとって、どちらも同じくらい楽しいのであります。お分かり頂けますでしょうか、この感覚。

 もしかしたらこういう嗜好は、若い頃の生活の反動なのかも知れません。私は高校では柔道部に所属し、どっぷりと濃密な集団生活を送って参りました。大学に進んでも、プライバシーらしいプライバシーも存在しないような、鍵の掛かっていない内廊下式のおんぼろアパートに住み、友人が自由に私の部屋に出入りしているという生活でありました。社会人となって入った幕張本郷の独身寮は3人部屋でした。こうして、若い時分は24時間、常に仲間と一緒の生活でしたが、当時はそれを嫌だと感じた事は、一度も無かったのであります。

 ある意味、集団での行動には慣れきっておりましたから、結婚を機に独身寮を出て、初めて個人行動の楽しさを知ったとも云えます。いや正確に云えば、集団生活を離れてみて、実は自分が孤独な行動も嫌いではない事に気付いた、というのが本当かも知れません。

 そう考えてみますと、私の趣味は、オートバイ、ロードバイク、読書、映画と、個人で楽しめるモノばかりである事に気付きます。サッカーとか野球とかテニスとか、相手が居ないと出来ない趣味は、別に禁忌としてきた訳ではないのですが、元来、あまり好きではなかったのかも知れません。

 かみさんの遊びのアンテナが集団での行動を指向しているのに対し、私の遊びのアンテナが個人での行動を指向しているのに気付いたのは、実は最近の事なのでありました。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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