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  母ちゃんライダーの愉快な単車生活(バイクライフ)(第5話:危うし、ゼファー750号 後篇) 

私が全幅の信頼を置く、メカニックの坂口氏との打ち合わせは、概ね以下のような感じで御座いました。もちろん現時点で修理する事を決定した訳ではなく、「もし直すとしたらどの位掛かるのか」を算出するのがその目的であります。どこまで直すかを決めないと見積もり算定出来ないでしょ?その点、お間違いなく。

 エンジンについて

  • エンジンはクランクケース上まで全バラ。全てのシール交換。
  • 折角なんで、ピストンリングの交換実施。
  • だけどファインチューニングするとお金も掛かるし、母ちゃんライダーの腕じゃ意味無いんで、バルブのすり合わせやカムシャフト交換、ポート研磨等の洒落た作業は行わない。

 クラッチについて

  • 消耗品なんで、迷わず交換。

 前ブレーキについて

  • ブレーキラインの全チューブを純正新品に交換。母ちゃんライダーじゃ宝の持ち腐れになる可能性が高いので、ステンメッシュホースへの交換はしない。
  • フロントマスタシリンダを純正新品に交換。
  • キャリパ不良の可能性は低いので、そのまま。

 フロントフォークについて

  • フォークのオーバホール実施。フォークオイル交換、パッキン交換は当たり前として、スライドメタルも交換。
  • 折角なんで、ギシギシいってたステムベアリングもついでに交換。

 どきどきする事2時間あまり。坂口氏から電話がありましたよ。結局12万円+α掛かるとの事。う〜ん、微妙な値段だなぁ。ゼファー750号は2年前に10年落ちの中古で購入。38万円でした。それから既に2年以上経って13年目に突入してるから、価値はもっと下がっちゃってるよね。今回12万以上かけて直すとすると結構な負担だよなぁ、車体本体の価値に対してさ。

 しかもこれで故障が落ち着きゃ良いですよ。でもそんな保証はどこにもありゃしません。そもそも今回のトラブルは、無理にブン回したとか、コケたとかいった物理的なものじゃなくて、どう考えても経年変化。だとすると、こりゃもう婆ァの脳溢血と同じで、これからも次々と別のところが壊れていく可能性が高いのです。

 ココは思案のしどころ。直すか、それとも思い切って別のバイクに乗り換えるか。結局新車が買える位修理費が掛かったなんて話もよく聞くしなぁ。でも次のを買うとなると、結構なお値段なんだよね。おいらの小遣いのレート推移から想像すると、家計もかなり切迫してるんだろなぁ。ここんとこ毎月々々減額だもんねぇ。生活考えれば、新しいの買うなんて無理だよなぁ。おい、どうするよ?

 ふと横に居る母ちゃんライダーを見ますと、彼女、バイク雑誌を食い入るように読んでいます。あ、このヤロー、ふざけんなよな。おいらには「家計が大変なのよ〜」なんて言っておきながら、自分の欲しいもんはすぐに買う気じゃねぇか。母ちゃんライダーが見ているページには「2003年型 YAMAHA XJR1300即納!いまなら0.9%ローンのビッグチャンス!乗り出し特価96万円」なんて書いてあります。96万円?! え〜?、新車かよ。しかも1300ccかよ?おいらがタイヤ交換しただけでブーブー文句言うくせにさ。自分は96万円の新車、ポンっと買うつもりなのかよ。

 まさか本気で新車買うつもりじゃねぇだろうな、と問いただそうとして、私が母ちゃんライダーの方を向いた途端、母ちゃんライダーがニ・ヤ・リと笑いました。私は薄れ行く意識の中で、この分じゃ10年以上好きなものは買って貰えねぇな、と確信したのでありました。

【つづく】

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この文章は、ほとんどホントの話ですが、一部、脚色されています(笑)。
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