社と一線引いたら、急に時間が取れるようになった。今までが殺人的に忙しかったからさ､なんか不思議な気分。こういう生活してみるとはじめて分かるけど、今までの俺ってなに焦ってたんだろって思っちゃうよ。ただ時間があるだけじゃないんだ。精神的に余裕がある訳。今までだって９連休のリフレッシュ休暇取ったりした事あるんだけどさ､全く違うんだよ。３６歳でこんな体験出来るなんて、恵まれてるよな、俺。一時的セミリタイアって感じ。巨泉もビックリだね（笑）。
次の仕事が始まるのは２００２年１月。それまでの間は、全て俺だけの時間。そこでね、かねてから考えてたんだけど､お遍路参り（おへんろまいり）に行こうと決めたんだ。四国霊場八十八ヶ所巡礼。別に宗教心とかある訳じゃないんだけどさ､なんか憧れるじゃない。完全にリセットした上で､次の仕事に取り掛かかれそうな気がするでしょ？
母ちゃんライダーが「リフレッシュしてきな」って言ってくれたんだよ。「今まで１３年間働いてきたご褒美だよ」って。いいとこあるじゃん、母ちゃんライダー。サンキュー。ここは一つ､甘えさせて貰うぜ。
さーて漠然とお遍路行きを決定したのは良いけれど､よく考えたら、俺､ロングツーリングってほとんどした事無いんだよね。最長で一泊二日。しかも国民宿舎泊とかビジホ泊とかばっかり。晴れさえすれば毎週土日は愛機ＺＲＸ１１００号で出掛けてはいたんだけどさ、ほとんど箱根とか西伊豆とかの日帰りワインディングだもんな。それに比べりゃ四国はスゲー遠いよね。ロングツーリングの為の装備、ほとんど持ってないんだよ、俺。その辺から整備していこうか。
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左が寝袋で右がテント
タバコと比べると
コンパクトさが分かるでしょ？ |
まずはテント。ファミリー用は持ってるんだけどさ､何しろ、でかい。バイクに積むには現実的とは言いがたい大きさと重さ。５〜６人用だもんな。で、いいヤツを購入する事に決定。条件
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ランタンを点灯したところ
燃料はカセットガス |
はたたんだ時の小ささと軽さ。近所のアウトドアショップＳＷＥＮ
で相談（SWEN三島店の森さん、相談に乗ってくれてどうも有り難う）。冬も近いし、ちゃんとしたモノの方が無難ですよ、という忠告を聞いて、大枚はたいてダンロップスポーツＶＬ−２を購入。同社の誇る山岳用テントシリーズ。カタログスペックでは２人用だけど、俺は体がでかいからこれにした。一人用のＶＬ−１も迷ったんだけど､ＳＷＥＮで建ててみて諦め。小さいんだよ、特に幅が。入りきれなきゃ意味ないもんな。それにしても高価ぇなぁ。４万円だぜ。でもさ、欲しかったんだよコレ。
次に物色したのが寝袋。実はさ､うちにはさ､既に寝袋４つもあるんだよね。でもね、全て２，９８０円の安物なんだ。ファミリーオートキャンプ用に買ったからさ。化繊製で封筒型。スゲーでかい訳よ。しかも夏用だしね。知ってる人は知ってるだろうけど､寝袋には２種類あってね､たたんだ時の大きさが全然違うんだ。封筒型とマミー型。封筒型は中で寝返りも打てて、寝る分にはとっても快適なんだけど､容積が半端じゃない。その点マミー型は人の形に立体裁断されているだけあって、ちょっと窮屈だけど､たたむと信じられない程小さくなるんだ。うちの４つの寝袋は全て封筒型だから、今回、寝袋も購入する事に決定。なんと羽毛だぜ。軽くて小さくて暑くなくって暖かい。最高だね。お値段も最高だけどさ。ひえぇ〜、物入りだなぁ。結局、ポラールートの山岳用スリーシーズン・スリーピングバッグ、＋１５℃〜−５℃タイプを選択。色は国防色。
更にランタン。ようはランプですな。これもイワタニプリムスのガスランタンを既に持ってるんだけどね､でかいんですよ。不必要に明るいし。ファミリーキャンプの時はスゲー良いんだけどさ、ソロキャンプではちょっともてあまし気味。実はね、スノーピークのソロランタンが小さくて、軽くて、ちょっと良いなってず〜と思ってたんだけどさ､SOTOから、もっといいヤツが出たんですよ。なんとマントルが無くて、プラチナ触媒が直接発光するタイプ。焼いたマントルって振動に弱いでしょ？すぐ粉々になっちゃうじゃん。バイクで持ち運ぶには致命的なんだよね。その点プラチナ発光だとさ､半永久的に使えるしね。しかもガラスのホヤもなくて、代わりにステンの反射板がついてんの。く〜。泣かせるねぇ。俺､へヴィデューティなモノに弱いのよ。えへへ。これも買っちゃった。
なんかほとんど物欲番長しちゃってるなぁ。でもね、うちの母ちゃんライダーが「今回は買って良いヨ」って言ってくれたんだよ。うれし〜。有難う､母ちゃんライダー。こんな事、結婚１０年間で初めてだよ。後が怖いよぅ（笑）。
【つづく】
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お遍路へ行こう！（第１話：事前準備篇
その１）