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  疾走れ、かあちゃんライダー!(第5話:免許試験合格篇) 

結論からお話致しましょう。かみさんは免許試験に見事合格し、大型自動二輪免許を手に入れる事に成功したので御座います。

 そりゃあ、様々な波乱が御座いました。類稀なる血の滲むような努力もありました。こんなのありかよという温情判決もありました。もう一度やれといわれても決して出来ないであろうラッキーもありました。何とでも言って下さい。とにかく合格したのであります。

教習所で懇切丁寧な
指導を受ける、母ちゃんライダー

 彼女の免許取得奮闘記については、詳しい話は端折らせて頂きますが、チラッとだけお話し致しますと、事前審査でスタンドが掛けられないくせに決して「出来ません」と言わずに呆れるほど何回も何回もトライした挙句おじいちゃん先生に手伝って貰って「分かりました合格にします」と言わせたり、上手く発進出来ない事に業を煮やした教官にメインスタンドを立てた状態のバイクでギヤを変える練習を125cc教習組と一緒に延々1時間もさせられたり、一本橋を4秒で駆け抜けたり、スラロームでいっぺんに3本ものパイロンをなぎ倒したり、教習車のハンドルを曲げる程の大転倒をして教習所関係者を一瞬にして白髪にしたり、10数回立ちゴケしたり、急制動で前輪スリップダウンしたり、坂道発進のたびに緊張のあまり無口になったり、波状路でスラロームしちゃったり、一緒に入校した人がみんな卒業してしまって回りが新人ばかりになったり、教習を見学に言ったうちの子供に「かあちゃん分かったもういいよ」と言われたり、そのくせ度胸だけは良くて外周路で80Km/h出して叱られたり、見学していたら「お宅の奥さんはやる気だけはあるんですけどねぇ」と知らない教官に嫌味を言われたり、卒業検定の3日も前から緊張のあまりトイレが近くなったり、最終的に清算したら何故か料金が20万円近くなっていたりした程度で、特筆すべき失敗もほとんどなく、無事、大型二輪免許を手にしたので御座います。かみさんの普段の行動から考えれば、しごく平穏かつスムーズに合格に至ったと断言出来ましょう。

立ちゴケしちゃった
母ちゃんライダー
保険に入ってるから、大丈夫

 そうそう、当初は「12時限の練習の為」という筈だったのですが、そこはホレ、挑戦するからには合格に至りたいと誰しも考える訳で、まあ私も「合格まで頑張ったらどうよ」と、かみさんを煽り立て、夫婦合意の上の追加教習実施と相成ったわけであります。もちろんお金の問題はありますけれど、こうなりゃアンタ、ヤケのクソってやつで御座いますわよ。

 やあやあ、合格おめでとう。それじゃあ、いよいよバイクでも選びに行こうよってな事になりまして、家族全員でウキウキとレッドバロンに出掛ける事に致しました。私の方も事前準備は万端。月刊オートバイ誌の「特集!特選中古車選びのキモ」とかいう記事なんぞを熟読致しまして、250cc中古車の相場価格に関しては、相当詳しくなっていたので御座います。

 レッドバロンに着くと、あるわあるわ、さすがに全国展開している店は一味も二味も違う。玉数だけは他店を圧倒的に凌駕しています。

 おい、お前。このホーネット、値段の割に綺麗じゃん。こっちのバリオスもなかなかだな。お、FZ250フェザーか、懐かしいな。CBR250RRって早いんだぜ・・・。私が一生懸命説明してやってるのに、私の声は彼女の耳に届いていない様子。そうだろう、そうだろう。自分のバイクを買うともなれば、そりゃもう真剣になるのは当たり前。真剣過ぎて人の話も聞こえない状態とは、我が女房ながらなかなかアッパレな集中力と、私も嬉しくなったので御座います。

 「欲しいの決まったよ」

 おおそうか、どれにしたんだ、バリオス250か、それともホーネット250か?言って御覧よ、どれにする。今宵契りを交わしたからにゃ、それがお前の永久(とわ)の相棒。さあ、見せておくれよ、聞かせておくれ。いとしいお前の、未来の愛機を。

 「あのね。ゼファー750」

 えっ。ナナハン?ひえぇ〜。話が違うじゃねぇかよ。250って言ったじゃねぇかよ。どういうこったよ。俺の小遣いはどうなるんだよ。車検があるじゃねぇかよ。車体価格も高価いじゃねぇかよ。鼻水出ちゃったじゃねぇかよ。ずるいじゃねぇかよ。だいたい、お前はよ、いつもよ、そうじゃんかよ。約束をよ、してたのによ。涙まで出てきたじゃんかよ。ちり紙貸せよ。あ、なんだよ、実印まで持ってきたのかよ。本気かよ。うわ〜ん。うわわわわ〜ん。

 錯乱状態に陥った私は、レッドバロンの店員2名に両脇を抱えられ、店の外に連れ出されてしまいました。薄れ行く意識の中で、ふと店内を覗きますと、そこには、納車の段取りについて店長と話を進める、かみさんの姿があったので御座いました。

【つづく】

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この文章は、基本的にホントの話ですが、すげー、脚色されています(笑)。
結局、今回も失神寸前かよ(爆)。
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