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  疾走れ、かあちゃんライダー!(第4話:自動車学校入校篇) 

さすがに、新車で私設教習を行なうのは無理が御座いました。あ〜。でも、コカされなくてホントに良かった。ヘタに打ち所が悪ければ、20〜30万円はすぐに飛んでしまうのがバイクであります。特に最近のオートバイは高価な材料を惜しげもなく使用していますから、被害金額が大きいのです。いやぁ危ねぇ危ねぇ。20〜30万円あれば、楽々教習所に通えるじゃん。むむ?教習所!?

 ひらめいてしまいました。そうです。教習所に通えば良いのです。えぇえぇ、かみさんは既に普通自動二輪免許を所持していますよ。免許取り消しにでもならない限り、既に持っている免許の教習は受講出来ない事も知っています。知ってますってば。そんな事言ってんじゃありません。「大型」二輪免許を受講すれば良いんですよ!

 確かに、かみさんが欲しがっているのは250ccのバイクです。でも、免許は大型二輪を持っていても一向に構わないじゃないですか。そりゃ大型二輪の教習車はナナハンですよ。でも、操作方法は250ccと全く同じ。ちょびっと重たいだけなのであります。調べてみますと、既に普通自動二輪免許を所持している人には大幅に特典がついていて、教習は12時限乗車で学科なし。規定料金は入校料込みで10万円なのであります。

 10万円はちょっと痛いなぁ。でも考え方を変えれば良いのであります。簡単々々。予算より10万円安いバイクを買ってやれば良いだけなのです。そうすれば、良い事尽くめではありませんか。少なくとも4つのメリットが生まれます。

  1. 愛機ZRX1100号を初心者にコカされるといった、屈辱的放心的な体験をしなくて済む
  2. 忘れていた運転技術を、懇切丁寧にプロに教えて貰える
  3. 運転技術向上により、250ccバイク購入後の事故の確率が格段に下がる
  4. 購入予算を10万円縮小すれば、トータルで考えて、フトコロは痛まない

 え?ホントに規定時限で大型二輪免許が取れるのかって?分かってませんね〜ア・ナ・タ。合格する必要なんてないんですよ。だって、かみさんが乗りたいのは既得免許で運転出来る250ccバイクなんですから。そう、10万円払って12時間練習するだけで良いんです。合格不合格は関係なし。しかもコカし放題。保険料も込みなんです。ね?素晴らしいアイデアじゃないですか。10万円ポッキリなんですよ。

 かくして、かみさんは、大型二輪免許受講生として、教習所に入校する事になりました。時は新世紀を迎えてまもない頃。2001年1月の事で御座います。住民票、運転免許証、印鑑を用意致しまして、意気揚揚と教習所へ乗り込んだのであります。もちろん私も付き添いとしてついて行きました。我々夫婦は、こと、遊びの場合、いつでも一緒なので御座います。

 受付カウンターで大型二輪を受講したい旨を申し出ますと、妙齢の受付嬢はにこやかに笑みを浮かべながら「担当教官が参りますので、外に出てお待ち下さいませ」なんて事をおっしゃいます。はて、初日は入校手続きだけで教習は無しと聞いていたが・・・まあ、教習車の説明とかするんじゃないのってなノリで、私とかみさんは何も考えずに外に出て教官が現れるのを待っていたのであります。

 現れたのは、おじいちゃん先生でありました。「えぇっとね」。おじいちゃん先生が説明を始めました。「一応規則なんでね。そこにあるナナハンのスタンドを立てて下さいますか」

 ははは。楽勝々々。だって、うちのかみさん、普通二輪免許持っているんですよ。その辺の練習は、10年以上前とは言え、当時みっちりとやった筈。そりゃそうですよね。上手くスタンド立てられなきゃ、普通二輪の免許が取得出来た訳無いじゃないですか。「ごめんなさいね」。おじいちゃん先生は続けます。「普通二輪持ってて馬鹿馬鹿しいとは思いますけどね、ホントに一応、規則なもんで」。

 こころもち緊張気味な表情で、かみさんは教習車ホンダCB750号に向かいます。両手をバイクに添えて、センタースタンドに足をかけます。ぐっと足を踏み込んで、バイクを上げる・・・。な、何〜。あ、上がらない!?2〜3回試してみても、センタースタンドは上手く掛からない。体が車体から離れすぎている事、足よりも手の力で持ち上げようとしてしまっている事、車体が斜めになっている事が原因なのは明白です。もろにへっぴり腰。

 すかさず、かみさんに近寄って、「おい、お前、免許持ってんだろ?」と小声で聞きますと、「中型の時はたまたま一回だけ上手くいって、その後泣いて頼んだら免許くれた」、との事。え〜っ、いきなり「恥かき」かよ。

 普通二輪を持っているのにスタンドが掛けられないうちのかみさんは、もじもじと困った顔をしています。付き添いである私も、なすすべもなく困った顔をしてその場を誤魔化そうと致しました。しかしふと見ると、一番困った顔をして泣きそうな表情になっていたのは、他でもない、おじいちゃん先生なので御座いました。

【つづく】

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この文章は、基本的にホントの話ですが、すげー、脚色されています(笑)。
あ〜良かった。今回は失神しないで済みました(爆)。
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