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| 35歳で不良化したオサム君と |
ころで２０００年１０月のある土曜日、かみさんとタンデムしながら、私の高校時代からのポン友、オサム君の家の前を通りかかりますと、大型バイクとおぼしき物体にカバーが掛けてあるではありませんか｡確か彼はＧＬ１５００に乗っていましたがそれも１０年程前の話､彼にしても私と同じく単車を降りてかなりたっている筈です。しかもカバーのふくらみから察するにあれはＧＬ１５００ではない。明らかにスポーツバイクのシルエットなのであります｡
実はオサム君、なにを考えているやら夏前に突然単車が欲しくなり､スズキＧＳＸ１１００Katana
Final Edition
を衝動買いしてしまったとの事｡むむむむむ。我々は同じ昭和４０年生まれ｡このくらいの歳になると､急に単車熱が盛り上がるもんなんでしょうか。オサム君と私は偶然にも時を同じくして､単車を衝動的に購入していたのでありました｡
路上で互いに自分の単車自慢をしておりましたところ､家の中からオサム君のお母さんが出て参りました｡こんにちはおばさん、と挨拶をしましたら､まあ、うちのオサムだけでなく、Yas君まで不良化してしまったのね、てな眼で見られまして、正常で真面目な社会人である私にとっては、たいそう辛い出来事で御座いました｡
オサム君は実は貧乏性でありまして､単車は新車でポンと買うくせに、彼の手をよく見るとＧＯＬＦ５で購入したと思われる４８０円のゴルフ用のグローブ。さすがオサム君。彼はひとの期待を裏切らない男であります｡その場にいた私と私のかみさんは、腸がよじれる程笑わさせて頂きました｡
【つづく】
バイクがうちにやってきた！ （第２話） 
